ガーデニング

毎日どんどん花が咲くニチニチソウを夏の花壇に取り入れて

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梅雨明け頃から秋までの長い間、白や赤、ピンクといったかわいらしい花をたくさん咲かせ続けてくれるニチニチソウは、暑い季節になくてはならない草花の一つです。
ニチニチソウは5枚の花びらの花に見えますが、朝顔のように筒状の根元から開いた花で、花びらの先端が5つに裂けて開いています。

ニチニチソウの1つの花は3~5日しか持ちませんが、夏から秋にかけて日々花を咲かせ続けることから「日日草(ニチニチソウ)」と名づけられました。
ニチニチソウはキョウチクトウ科ニチニチソウ属に分類されていますが、以前はビンカ属に分類されていたので「ビンカ」と呼ばれることがあります。
ニチニチソウは、非常に強くはびこるビンカ属の「ツルニチニチソウ(ツルビンカ)」とは別の植物です。

ニチニチソウは春まきの一年草扱いされた多年草

ニチニチソウは、マダガスカルを中心とした熱帯~亜熱帯にかけての原産地では毎年花を咲かせる多年草ですが、日本では寒さで枯れるために春まきの一年草とされています。
ニチニチソウ属8種類のうち7種類がマダガスカル原産で、園芸品種のほとんどがマダガスカル原産のロゼウスを品種改良したものです。

ニチニチソウが日本に入ってきたのは江戸時代中期からで、花がよく咲くのに形がみだれにくく、光沢のある葉っぱが美しいので花のない時期にも見ごたえがあり、手間がかからない植物として根強い人気があります。

ニチニチソウは花形もカクタス咲きやフリンジ咲きなどバリエーションが増え、草姿もこんもりと育つものや、小さいままあまり大きくならないもの、垂れ下がって咲くものなどがあり、どの品種も日当たりのよい場所ならよく育ちます。

ニチニチソウは栽培するのに土質はあまり選ばないので、庭植えでも鉢植えでも育てられて、鉢植えでは普通の培養土で充分よく育ちます。

ニチニチソウは春に1cmくらいの深さに種まきして

ニチニチソウの種まき適温は20~25℃なので、八重桜が咲くころが最適です。
気温が30℃を超えると芽が出なくなるので、種のまき時を逃さないように注意しましょう。

ニチニチソウの種は嫌光性なので、小さな種ですが、種の上には必ず1cmほどの土を乗せるようにしましょう。
種まき後、水切れしないように底面給水で管理しておくと、10~14日くらいで発芽します。
本葉が2~3枚になったら根を傷めないように土ごと大きめに堀りあげて植え替えましょう。

ニチニチソウを同じ場所で育てると連作障害を起こすので、庭植えにする場合、過去3年ほどニチニチソウを近くに植えたことがない場所に植えましょう。

ニチニチソウの苗は太く長い根「直根」を傷めないように植えて

ニチニチソウは太く長い根が伸びている「直根性」なので、ある程度育った後は移植を嫌い、根が傷むと育たなくなってしまいます。
あまり根が回らないうちに定植し、大きくなってから場所を変えて植えなおすのは厳禁です。

苗を植えるとき、苗の周りの土をできるだけ落とさないようにして、根をいじらないで植えるようにしましょう。
植穴にしっかり水を入れてから苗をセットし、土をかけてしっかりなじませ、もう一度たっぷり水やりしましょう。

ニチニチソウの株は、どのような草姿に育つ場合も横によく広がるので、20~30cmくらい株間を開けて植えましょう。
ニチニチソウは過湿になると根腐れしやすいので、周りの土より盛り上げたところで育てるようにしましょう。

ニチニチソウは乾燥に強いが過湿に弱い

ニチニチソウは乾燥に強く、過湿に弱いので、水のやりすぎに注意しましょう。
ニチニチソウを庭植えにした場合、真夏の乾燥が続くとき以外、水やりは必要ありません。

鉢植えで育てる場合、土がしっかり乾いているのを確認してから水やりをしましょう。
土がいつも湿ったままでいると、ニチニチソウは根腐れしてすぐに枯れてしまうので気を付けましょう。
真夏の特に乾燥がちな時は土の様子を見て、必要であれば朝夕水やりをしましょう。

花に水がかかると花が傷むので水をかけないようにしますが、葉っぱに水をかけるとアブラムシやハダニの予防になるので、葉っぱにはよく水をかけるようにしましょう。

肥料不足になると花が咲かなくなるので追肥して

花をたくさん咲かせてくれるニチニチソウですが、肥料が切れると花が咲かなくなってしまいます。
花が咲かなくなったときは肥料切れのサインなので、そうなる前に追肥するのを忘れないようにしましょう。
液体肥料を毎週水の代わりに与え、緩効性化成肥料を毎月株元にまいておきましょう。

花殻摘みしなくても花が落ちるけれど掃除は必要

ニチニチソウの花はセルフクリーニング機能を持っていて、花殻が勝手に落ちてくれますが、落ちた花をそのままにしておくと葉っぱなどにくっついて病気を誘発することがあるので、花殻を取り除く掃除は不可欠です。

花殻が取り切れていないと種が付いてしまうことがあり、さやができてしまうことがあります。
種になってしまうまで育てると花付きが悪くなってしまうので、見つけたらすぐにさやを取り除きましょう。

梅雨前に摘芯し梅雨明け以降も伸びすぎたら切り戻して

ニチニチソウの苗を植えつけて葉っぱが8枚以上になったら先端の芽を切り取る「摘芯」を行います。
摘芯することで、脇芽が伸びてきて、株全体がこんもりと大きくなっていきます。

梅雨が来る前にも、葉っぱを10枚以上残して切り戻しましょう。
梅雨の前に切り戻して株をすっきりさせておくことで、株全体が蒸れることを防ぎ、長くよい状態で育てることができます。

梅雨明け以降も株全体が伸びすぎてきたら、同じように葉っぱを10枚以上残す形で切り戻して株全体をリフレッシュさせ、脇芽を増やしてより大きな株へと育てていきます。

ニチニチソウは本来、多年草ですが秋になると枯れるので、一年草として育てるのが一般的です。
種も苗も安価なので、毎年春に新しく育てるのがおすすめです。

寒さに弱いニチニチソウですが、秋に気温が10℃を下回る前に室内に取り込んで10℃以上に温度管理して育てると越冬します。
何年も育てていると低木のように育っていくので、興味がある方は挑戦してみてください。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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