京都最強のお地蔵様! 鈴虫寺で”たったひとつだけ”お願いをしよう!!

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京都市の西側に位置する鈴虫寺。
嵐山にほど近く、名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。 鈴虫寺はその名の通り、一年中鈴虫の音を聞くことができるお寺です。 なぜ、鈴虫がいるようになったのか?

なぜ、”たったひとつだけ”願いを叶えてくれるのか? 今回は鈴虫寺の謎を解きながら、その魅力をお教えします!

なぜ、”鈴虫寺”なのか?

実は、鈴虫寺とは通称で、正式名称は妙徳山華厳寺といいます。
華厳寺は享保8年(1723年)に、鳳潭(ほうたん)という僧侶が衰退していた華厳宗再興のために建てたものでした。 鳳潭は学僧で、とてもすぐれた人物であると伝えられています。 はじめは比叡山で天台の教相と観相を学び、京阪で大乗・小乗・顕教・密教の各宗を研究しました。 その後は奈良に出向き、大乗仏教の宗派のひとつであった華厳宗を研究しました。 ところが、華厳宗は独特の教学を持ち、難しいため、すたれていました。 鳳潭は嘆き、分かりやすく解説して復興を目指しました。
布教していく中で、たくさんの著書を残し、浄土宗や浄土真宗、日蓮宗などほかの宗派とも関わりを持って交流を重ねました。 仏教界において、多大なる刺激を与えた鳳潭はいつしか、『華厳の鳳潭』と呼ばれるようになりました。

そして、鳳潭は日本で初めて仏教を中心とした世界地図を作りました。
当時の地図はヨーロッパを中心とした地図で、渡来された地図をみた鳳潭はインドを中心とした地図を作り上げました。 その地図は大変貴重なもので、現代の地理学の研究に大いに役立っています。 また、鳳潭の功績から華厳寺は、『入学』『開運』『良縁祈願』のご利益があります。

そして、慶応4年(1868年)には、慶厳という僧侶が入寺したのをきっかけに、華厳寺は臨済宗へと改めました。

それから数十年が経ち、先代の住職が座禅を組みながら、ひたすら鳴き続ける鈴虫の音色を聞いていると、ある思いを感じました。 「鈴虫は短い命の中で欲することなく、ひたすら鳴き続ける。私たちも無心にひたむきに生きよう」と、感じたのです。 鈴虫の寿命は通常、約100日で、羽が鳴らせるのは20日程度。 しかし住職は、毎日、京都の人々のみならず、他府県の人々にも鈴虫の音色を聞かせたいと、研究に研究を重ねました。 ついに、28年かけて毎日ふ化させることに成功したのです。 こうして、秋のみならず一年間、鈴虫の音色が聞けるようにできたのです。

幸福地蔵菩薩にひとつだけお願いしてみよう!

華厳宗のご本尊は大日如来であり、地蔵菩薩も安置しています。 この地蔵菩薩が現在の鈴虫寺の名や人気を広めました。

鈴虫寺の地蔵菩薩は『幸福地蔵菩薩』と呼ばれ、足下をよーく見てみると、わらじを履いているのです。
普通のお地蔵様は裸足で、わらじを履いているのは鈴虫寺だけです。
なぜ、わらじを履いているのかというと、『訪れた人々の願いを叶えるために歩いてやってくる』からなのです。 そのため、たくさんの人々のところに回らないといけないので、いくつも願いを伝えるよりどうしても叶えたい願いを伝える方がいいでしょう。 地蔵菩薩は大きな慈悲を持った仏様で、地獄に落ちた人々も救ってくれるため地獄に住んでいます。 どんな人にも救いの手をさしのべ、願いを叶えてくれるという地蔵菩薩。 その地蔵菩薩の化身が入った『幸福御守』をぜひ、いただきましょう!
○お願いする時の作法
1 お守りをいただいたら、幸福地蔵菩薩のところへ行き、お守りを挟むようにして両手を合わせる
(このとき、幸福御守の『幸』が見えるように指から出しましょう。『幸』は幸福地蔵菩薩の顔にあたるため、 見えるようにしてくださいね)

2 願い事を”ひとつ”だけ伝える

3 住所と名前も伝える

そして、願いが叶った人は古いお守りを返し、新しいお守りをいただいて新しい願い事を伝えましょう。

また、いただいてから1年過ぎたお守りも返しましょう。 遠方で行くことができない人は、郵送でも可能です。 新しいお守りが届いたら、京都の方角を向いてお祈りしましょう。

ぜひ、お守りをいただき、ひとつだけお願いをしてみてくださいね。 きっと、お地蔵様があなたの願いを叶えにやってきてくれるでしょう!

『鈴虫説法』でためになる話を聞いてみよう!

鈴虫寺の拝観料は500円(大人)かかりますが、実は茶菓子付きになっているのです。 これは、日本の臨済宗の開祖・栄西が日本にお茶を広めたことに由来します。 栄西はお茶でおもてなしをすることを推奨した人でもあるため、その教えにならってこの鈴虫寺でも参拝客をおもてなししてくれます。 そして、茶菓子をいただきながら、鈴虫寺の住職や副住職はじめ、数名の僧侶による説法を聞くことができるのです。 説法と聞くと、堅苦しくて難しくて説教くさい……と思う方も多いかもしれません。 しかし、鈴虫寺の説法はときに笑い、ときにためになり、ときに心安らぐものとなっていて、幸福地蔵菩薩と並ぶ人気の高さなのです!

ぜひ、鈴虫の音色とともに僧侶の説法を聞いてみてくださいね。

いかがでしたか。
鈴虫寺には鈴虫の音色と僧侶の説法、そして幸福地蔵菩薩など魅力がたくさんあります。 どんな季節に行っても秋を感じることができる、不思議なお寺です。 訪ればその魅力をひしひしと感じられるのではないでしょうか。 ぜひ、一度は参拝してみてくださいね!

■所在地
〒615ー8294
京都府京都市西京区松室地家町31

■拝観料(茶菓子付き)
大人500円
子供(4歳~中学生)300円

■拝観時間
9:00~17:00
(入門は16:30まで)
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