一度は泊まってみたい!!おススメの宿坊4選

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皆さんは「宿坊」ってご存知でしょうか?その昔江戸時代に、修行僧や遠方からきた参拝者のために作られた宿泊施設でした。歴史的には平安時代にお寺そのものに、天皇が滞在されたのがはじまりといわれています。

現在は、かなり一般的になってきましたが、まだまだ知られていない魅力があります。そんな中、おススメの宿坊をご紹介していきましょう。

1.仁和寺【御室会館】(京都)

京都にある「世界遺産 仁和寺」は京都市街からは、やや離れた花園という地域にあります。この仁和寺、敷地総面積が約4106.5㎡というからその圧巻の広さには驚きです。なぜこのように広い敷地であるのか?といいますと、その昔天皇がお住まいになっていたからです。

仁和寺は886年、第58代光孝天皇によって発願されました。その後、光孝天皇が崩御されてしまったため、888年(仁和4年)59代宇多天皇によって完成されました。

宇多天皇は空海の孫弟子となり、僧侶の身となって光孝天皇の御意思を継がれたそうです。
敷地内にある「御影堂」が弘法大師をお祀りしているのは、空海と仁和寺との所縁が深いことを物語っています。

そんな歴史ある仁和寺の宿坊の名称は「御室会館」といいます。正面の正門からは、およそ5分位歩いたところに位置しています。そのゆったりとした佇まいは、長旅に疲れた旅行者の心をホッと和ませてくれることでしょう。

今回初めて「宿坊」に泊まった感想をご紹介いたします。宿坊というからには質素な感じを想像していたのですが、「御室会館」の入り口を入ったところにあるロビーやお土産物屋さんは、本当に普通のお宿と何ら変わらない洒落た雰囲気で少し驚きました。

お部屋は割合に簡素なイメージでしたが、大浴場は大きく立派でした。ただ、お風呂の終了時間が通常のお宿よりは早いようですので、お風呂をご利用の方は早めにお宿に戻られることをお勧めいたします。
翌朝、希望者のみ6時からの朝のお勤めに参加することができます。(チェックイン時に説明あり)場所は敷地内の一番奥にある「国宝金堂」です。こちらは、通常は非公開文化財となっており、一般参りの際には扉は固く閉ざされておりますが、御室会館に泊まった宿泊客だけが特別に参拝ができるそうです。

しんと静まった早朝のお堂の中に響く読経は、きっと忘れることのできない旅の想い出となるに違いありません。お勤めのあとの、お坊様の法話も中々ユーモアがあり、愉しくまた、有難い気持ちで拝聴することができ時間がたつのが早く感じられました。

7時からの朝食はいわゆる、精進料理みたいな魚肉なしを想像していましたが、むしろ通常の旅館よりも品数が豊富で、かなりのボリュームがありました。食いしん坊の私には嬉しい想定外で、また来たいな~と強く思いました。あなたも、リーズナブルな価格で一度世界遺産の仁和寺の宿坊に泊まってみませんか?

<価格表>
1泊2食付き11000円
1泊朝食付き7200円
素泊まり6200円
(2016年9月より大人料金)

【問い合わせ】
仁和寺 御室会館(宿坊)
住所 〒616-8092 京都府京都市右京区御室大内33
TEL 075-464-3664
FAX 075-464-3665

2.高野山(和歌山)

高野山には約30もの宿坊があるそうです。それぞれに個性があり、どのお宿にしようか?迷ってしまう方もいるでしょう。それでは、現在注目度の高い、宿坊をご紹介していきましょう。 奥之院の入り口である一の橋に最も近い宿坊であることから、奥之院参りを希望する観光客からは人気 NO.1といっても過言でないほどの宿坊です。

恵光院は弘法大師空海がこの地に五重の塔を建立し弟子の道昌が廻向(先祖供養)を行ったことから 当初、「廻向院」と呼ばれていましたが、徳川吉宗により現在の「恵光院」に改められたそうです。
ご本尊は「阿弥陀如来」「弘法大師」「不動明王」です。特に不動王は空海が遣唐使として海を渡った際に身をお守りした。ことから「舵取り不動」の名で今も親しまれています。

こちらの宿坊のでは様々な体験ができます。

【夜の奥之院参拝 ナイトツアー】
こちらは、恵光院特有のツアーです。夜にお参りというのは通常しないものですが、提灯を手にお坊さんのガイド付き、御廟までの約2キロの道のりは、昼とは違い幻想的なムード満載だとか。ただし、季節や天候により中止の場合もあるので、事前にお問い合わせいただいたほうがよいでしょう。

【阿字観瞑想体験】
「阿字観瞑想」の間にて行われます。阿字観(あじかん)とは密教の瞑想法で心の中に阿字(あじ)を念ずることで、精神を集中させる瞑想にもっていきます。はじめての方は、指導もありますのでご安心ください。
奥之院は、徳川家をはじめとする名だたる戦国武将たちの石塔(お墓)のある神聖なパワースポットといわれ、この世とあの世のはざまともいわれます。
ぜひとも、武将たちの強力パワーをいただきたいものですね。

【宿泊プラン】
精進料理堪能「三の膳付き」15000円~
宿泊レギュラープラン   12000円~
宿泊シンプルプラン    10000円~
一日修行体験プラン    10000円~
お大師様の日お籠りプラン  5000円~
など様々な宿泊プランが用意されています。詳細は下記にてお問い合わせください。

お問い合わせ
【宿坊 準別格本山 恵光院】
住所 〒648-0211
和歌山県伊都郡高野町高野山497
TEL 0736-56-2514
FAX 0736-56-2891

3.善光寺(信州 長野)

善光寺といえば一光三尊阿弥陀如来をご本尊として、年間600万人が参拝するといわれ、国宝や重要文化財の建物も多く点在しています。一般的には知られていないようですが、善光寺は宗派を問わない珍しいお寺です。ただし、法要などは天台宗と浄土宗の2つの宗派によって運営・管理されています。

善光寺は極楽浄土の入り口、一生に一度訪れれば往生が叶う、との噂から江戸時代には「一生に一度は善光寺参り」とまで謳われるほどの人気があったとか?

その他「牛に引かれて善光寺参り」一度は聞いたことがある有名な言い伝えですね。この言葉、その昔老婆が持っていた布が牛の角に引っかかり、それを追いかけるうちに善光寺にたどり着きそのことをきっかけに信仰心を持つようになった、といわれています。

この言い伝えを転じて現代ではしばしば「偶然によって思いがけないことに巡り合う」という意味でも用いられています。
建立時期については、はっきりとわかっては、いないようですが奈良後期からその存在はあったようです。少なくとも1400年の歴史があるようです。

善光寺の見どころはなんといっても国宝に指定されている本堂です。2015年には7年に一度の本尊 御開帳が行われました。

善光寺には全部で39もの宿坊が点在していますが、その中でも最も古く、善光寺建立当時からあるという「薬王院」をご紹介いたします。

約4年程前にリニューアルされました、書院造の和室は歴史の深さを感じさせてくれます。薬王院のお風呂は洗い場が「畳敷」という一風変わったお風呂です。これは入浴時に寒くないように、との配慮からとか、畳の薫りのするお風呂、何だか素敵ですね!

【宿泊プラン】
鉄鉢コースプラン 9450円~
精進コースプラン 9450円~
天然山菜きのこプラン 12600円~
写経体験付きプランA 14700円~
写経体験付きプランB 14700円~
※ただし金・土・祝祭前日はプラス1080円となります。
※特異日がある場合があります、詳細はお問い合わせください。

お問い合わせ
【宿坊 薬王院】
住所 長野市元善町675
TEL 026-232-2382

4.妙心寺(京都)

日本最大の禅寺、正法山妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山です。何と妙心寺派のお寺は3400か所もあり、アメリカやハワイにもあるそうです。1337年に花園法皇さまの勅願によって創建されたのが始まりといわれています。

妙心寺はかなり敷地が広大なため、初めての方は拝観に戸惑うことも少なくないとか?そんな時は「妙心寺山内図」というパンフレットが役に立ちます。案内書にて10円で販売していますので、これがあったほうが効率的に回れるでしょう。

そんな妙心寺出の宿坊は「大心院」です。こちらには「阿吽庭」という立派な日本庭園もあります。白石を敷き詰めた枯山水庭園は、見事な椿の生垣がありその向こうに竹林を望む素晴らしい風景です。お料理はお部屋まで運んでくれますので、お庭をながめながら本格的な精進料理が愉しめます。眼も舌も楽しませてくれた、雅な朝食体験でした。
【宿泊料金】
1泊2名利用朝食付き 9400円~

お問い合わせ
【妙心寺 大心院】
住所 〒616-8035
京都府京都市右京区花園妙心寺町57
TEL 075-461-5714

いかがでしたでしょうか?一口に宿坊といっても、お寺・宗派によって様々な特徴があります。
写経や朝のお勤めから、瞑想、座禅に至るまで、修行体験も多種多様です。若い女子の間では、「宿坊体験」が今ちょっとしたブームとか?
私も実際に泊まってみて、堅苦しさは全くなく、普通の旅館よりも「楽しめた!」というのが率直な感想です。遠方にお寺参りに出かける際は、一度泊まってみてはいかが?
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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