厳かな雰囲気を感じよう! 醍醐寺は修験の聖地!

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京都府京都市伏見区に醍醐寺があります。
醍醐寺は笠取山山上の「上醍醐」と麓の「下醍醐」にわかれています。
応仁の乱による戦火にまきこまれ衰退したものの、豊臣秀吉の支援により復活しました。
衰退や廃仏毀釈の危機を乗り越え、平成6年(1994年)には「古都京都の文化財」のひとつとして世界遺産にも登録された由緒あるお寺です。 今回は醍醐寺の壮絶な歴史とみどころをご紹介します!

醍醐寺の歴史とは?

醍醐寺は真言宗醍醐派の総本山で、山号を深雪山、醍醐山と号します。

貞観16年(874年)、理源大師聖宝が笠取山(醍醐山)に登ると白髪の老翁が現れ、岩角から湧きでている霊水を飲み、「醍醐味なるかな」と話したのです。 この老翁は地主横尾明神で、聖宝はお告げに従って准胝観音像と如意輪観音像を祀ったことが醍醐寺のはじまりです。 今でも山上に「醍醐水」が湧きつづけています。

延暦7年(907年)には、醍醐天皇の御願寺となり、山上やふもとに多くの伽藍が造営されました。
そして、建立された五重塔は京都で最古の木造建築です。
鎌倉時代に入ると、武家政権による保護によりその勢いは衰えることはありませんでしたが、応仁の乱で下醍醐の伽藍は五重塔をのぞいて全焼してしまったのです。 勢いが衰えている中、豊臣秀吉による支援で復活。 江戸時代には当山派修験の法頭として修験者を統轄しました。 しかし、明治の廃仏毀釈により再び危機が訪れます。 座主たちは寺宝を守り、醍醐寺の存続を救ったのです。

こうして、現在でも多くの人々に支えられ、信仰されています。

四季折々の姿と行事をみよう!

醍醐寺には四季折々の自然の姿をみることができます!
また、行事もたくさんあり、参拝する方々を楽しませています。

春には下醍醐の境内には桜が咲き誇ります。
そして、毎年4月第2日曜日には「豊太閤花見行列」が開催されます。
これは太閤秀吉が慶長3年(1598年)の春に、息子の秀頼や淀君、諸大名など約900名従え「醍醐の花見」を催したことにちなんだ行事です。 在京の著名人が秀吉に扮し、桃山時代の衣装をきた100名ほどの男女が唐門から練り歩きます。

梅雨がはじまる頃、毎年6月6日から9日にかけて、「三宝院門跡大峯山花供入峯修行」が行われます。
これは聖宝が金峯山に登り、大峯山信仰の復興につくしたことから、座主が全国から集まった山伏を率いて大峯山に登り、厳しい修行を行います。 秋には紅葉がみられ、山は鮮やかな赤色や黄色になります。

冬には雪景色が広がり、凛とした空気に包まれます。
毎年2月23日には「五大力尊仁王会」が開催されます。
上醍醐の五大堂に祀られている五大明王の功徳をたたえ、国家の安泰とすべての国民の幸福を祈る法要です。
この日だけに授かれる「五大力尊の御影」は、災難や盗難よけにご利益があるといわれています。 また、「力餅競べ」が行われ、男性が150kg、女性が90kgの大きな鏡餅を持ち上げて競い合います。
現在は下醍醐の金堂前の広場で行われており、たくさんの人々が力くらべを見守っています。 寒さを吹き飛ばす熱気をぜひ、感じてみてくださいね!

准胝観音は広大無辺のご利益アリ!

上醍醐にあり、最初に建立された准胝堂。
聖宝が刻んだ准胝観音像が安置されています。
准胝観音はサンスクリット語でチャンディといい、ヒンズー教のシヴァ神と妃といわれています。
聖宝は准胝観音の求児法を修して霊験があったといわれ、子授けや夫婦敬愛、病気平癒、延命長寿などのご利益があるとされています。 また、西国三十三所観音霊場の第十一番札所としても信仰を集めている由緒あるお堂です。
平成20年(2008年)8月に落雷のよる火災で焼失してしまいました。 しかし、毎年5月18日を中心とした1週間、准胝観音像のご開帳が下醍醐観音堂で行われます。

ぜひ、准胝観音にもお参りしてくださいね!

雨月茶屋でおいしい料理をいただこう!

境内の一角に「雨月茶屋」があります。
ここでは旬の素材を使った精進料理や醐山料理が楽しめます。
お手軽な精進のお弁当からうどんやそばがあり、「雨月恩賜館」では拝観券つきの醐山料理がいただけます。
醐山料理は事前予約が必要ですので、ホームページ(http://www.daigo-ugetsu.jp/onshi-kan)からお申し込みください。
また、「雨月茶廊」ではたくさんのお土産物が並んでいます。

ぜひ、参拝後に立ち寄ってくださいね!

■所在地
京都府京都市伏見区醍醐東大路町35ー1

■営業時間
9:00~18:00

いかがでしたか。
修験の道場として、西国三十三所の札所として、私たちを仏の世界に誘ってくれています。
そして、醍醐寺は四季折々の姿をみせ、一年中楽しめるお寺です。
厳かな中に、どこか親しみのある柔らかい雰囲気を持ち合わせる不思議な場所です。 ぜひ、醍醐寺へお参りしてくださいね!

■拝観料(三宝院・霊宝館・伽藍の3か所共通券)
大人800円 団体(20名以上)700円
中学・高校生600円 団体(20名以上)600円
小学生以下は無料
三宝院受付でお求めください。

○春期(3月20日~5月15日)・秋期(10月15日~12月10日)の拝観料
大人1500円 団体(20名以上)1300円
中学・高校生1000円 団体(20名以上)800円

■開門時間
3月1日から12月第1日曜日まで 午前9時~午後5時
12月第1日曜日の翌日から2月末日まで 午前9時~午後4時30分
(拝観券の発券は閉門1時間前まで。各所入場は閉門30分前まで)

■上醍醐(通年で入山できます)
受付時間
夏期(3月1日~12月第1日曜日) 午前9時~午後4時
冬期(12月第1日曜日の翌日~2月末日) 午前9時~午後3時

○入山料
大人600円(3か所共通券をお持ちの場合は500円) 団体(20名以上)500円
中学・高校生400円(3か所共通券をお持ちの場合は300円) 団体(20名以上)300円
小学生以下、障害者証明証持参の方(付き添い1名ふくむ)は無料

■所在地
〒601ー1325
京都府京都市伏見区醍醐東大路町22

≪醍醐寺に来たら訪れたい≫腹帯地蔵で安産祈願・お不動様も見所・善願寺

旧奈良街道沿いに、善願寺はあります。醍醐寺から見て南西の方角です。近畿地方で主に布教活動をしていたとされる行基和尚が建てたとされます。
ご本尊は、子供の守り神とされるお地蔵様。特にこの善願寺の地蔵尊は、他の寺院とは少し違っています。
実はこのお寺、一旦荒廃しています。源信和尚により現在の場所に再建されたのは、200年ほど時が経ってからでした。
源信和尚は丈六(5m)の地蔵尊を置き、本尊とします。そして千日間、一千回も『地蔵菩薩本願経』を読み、写経して地蔵尊の胎内にしまいました。
これは難産で苦しむ女性を救う為です。その後、善願寺では安産祈願のご利益がクローズアップされました。つまり、善願寺の地蔵尊は「腹帯地蔵」として安産祈願で有名なのです(平清盛の五男、重衡誕生時に作られたとの説もあります)。
妊娠五カ月目の戌の日に岩田帯をしめ無事に、安産で子供を産むという祈願が最初に行われたお寺とも言われます。それも行基和尚の時代から。元々行基和尚は光明皇后の依頼で寺院を建てたとも言われており、今よりも安全に子供が生まれるか分からなかった時代、妊婦を安心させるための慈悲のお寺と言えるでしょう。
腹帯地蔵も見事ですが、裏庭にも穴場的なスポットがあります。それは樹齢1000年とされるカヤの木です。1000年も経っていることではなく、ここに直彫りされた不動明王像が見所なのです。
彫られたのは1955年と、結構最近。先代住職が木の近くにてお不動産の夢を見たとして「この木にはお不動様が宿っている」と仏師を呼んで作らせたといわれます。完成までかかった期間は何とたったの1日。
「この木は天狗様が住んでいたと言われる木だよ。しかも伝説持ちだよ。彫って大丈夫?」とも言われたそうですが、特に何も起こりませんでした。
木はまだ成長を続けているため、徐々に不動明王の姿もうずもれていっています。
あと100年もすると完全に見えなくなってしまうある意味期間限定の不動尊、見てみたくはありませんか?
尚、この木にはかの小野小町が自分に求愛して毎日通い、99日目に亡くなった深草少将の為に植えた木ではないかとの伝承もあります。色々とロマンのある木のようですね。

所在:京都府京都市伏見区醍醐南里町33

最寄りのショッピングモール・アルプラザ醍醐

参拝が済んだらお土産を買ったり食事をしたりと、ちょっとした観光を楽しみたいもの。京都ならではのお店もいいですが、ショッピングモールに足を運ぶのも乙なものです。
「わざわざ京都まで来てショッピングモール?」とは言わず立ち寄ってみてください。
服に食事に、何でもそろうのがショッピングモールです。それが、寺院や神社の印象の強い古都京都にて、しかも醍醐寺から700mの所にあるというのは、近代と古代が絶妙にマッチングしていると言えるでしょう。
3階には手芸を楽しめるエリアも存在し、時にはイベントも開かれます。アルプラザ醍醐は、あらゆるニーズに応えてくれるお店です。

所在:〒601-1375
京都府京都市伏見区醍醐高畑町1-37

醍醐天皇の親孝行・勧修寺

醍醐寺から1.7kmの所にある勧修寺(かじゅうじ)もおすすめです。このお寺は、醍醐天皇の親孝行が元で建てられました。
生母、藤原胤子の追善供養として、祖父の別宅を改造、お寺にしたものです。名前は母方の祖父、藤原高藤の諡号からとられました。
ちなみに胤子の両親の馴れ初めに関しては『今昔物語』に書かれています。鷹狩が好きだった高藤が南山階まで鷹狩りにやって来た時雨が降ってきました。
この時一夜の宿を求めたのが宮道弥益なる人物の家。「どうぞ、我が家にお泊り下さい」となり、弥益の娘である列子に恋をしました。口説き落とし翌朝帰った高藤を待っていたのは、父の雷。「何を朝帰りなんかしてるんだ!もうお前は鷹狩り禁止!勝手に遠出もするな!」と謹慎までされました。
その後胤子とは会えないまま数年が経過。再会できたのは6年後でした。しかも、たった一夜の恋が実を結び、二人には娘まで生まれていました。その娘が胤子です。
父親からは激怒された外泊ですが、結果的には天皇生母が生まれたとなると、高藤の父親も心中複雑だったのかもしれませんね。
そんなエピソードで生まれた母、胤子の為に作られた親孝行の寺院、勧修寺の見どころは庭園です。勧修寺氷池公園の中心地、氷室の池には蓮が浮き、近くにはカキツバタも見られます。
春の特別公開時にのみ内部を見られますので、その時期に行くのがいいでしょう。土佐派の絵師、土佐光起、光成の親子による襖絵などを見るのはこのチャンスしかありません。

所在:〒607-8266
京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6

親鸞上人ゆかりの地・日野誕生院

醍醐寺から2kmのところに、親鸞上人と関わり深い日野誕生院があります。どう関係があるかと言えば、その名の通り、親鸞上人が生まれた土地ということです。
醍醐寺は真言宗ですが、元をたどれば同じ仏教。近場にあるちった宗派のお寺を訪ねるのも良いものです。
見所としては、幼き日の親鸞の像と、出家した時に呼んだ碑文などがあります。建てられたのは1931年と、結構最近です。本堂は、親鸞聖人の生きた時代である平安朝の建築様式で建てられています。

所在:〒601-1325
京都府京都市伏見区醍醐東大路町22

一日中違った京都の顔が望める大岩山展望所

京都の街並みと言えば、寺社仏閣が立ち並ぶ、とにかく古風なもの。そんなイメージもあるでしょう。
言ってしまえば、ある意味では地味と言えます。そこに詫び錆びを感じるものですが、古風さだけが京都の良さではありません。
大岩山展望所から見る夜景は、古都であることを一瞬忘れるほどの絶景です。近代的でありながら、古都としての威厳や風格が消えたわけでもない、不思議な景色を見ることになるでしょう。
昼でも京都の町を見下ろすというちょと変わった楽しみ方ができるこの展望所はデートスポットといても知られます。お車などでどうぞ。

所在:〒612-0817
京都府京都市伏見区深草向ヶ原町89

甘味と昼食はこちらで・阿闍梨寮寿庵

阿闍梨寮寿庵は、醍醐寺の境内にある休憩所にして、お食事処です。落ち着いた風情のある外観に、中から眺める庭の美しさはしっとりとしていて、季節によるいろいろな表情が楽しめます。
醍醐寺内にある弁天堂も望めるので、通常の散策とは違った楽しみ方ができるでしょう。
メニューは蕎麦、うどんといった和食だけではなく、カレーもあります。カフェとしての性格もあり、こちらも抹茶、カプチーノ、和菓子にアイスクリームと和洋の味を楽しむことが可能です。
ここで元気を得たら、また散策、京都巡りを楽しみましょう。

所在:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
営業時間:10:00-17:00
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