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「マッサン」ゆかりの地?竹鶴酒造の歴史と人気の銘柄について

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画像出典:竹鶴酒造


NHK連続テレビ小説として人気を博した「マッサン」。日本酒の手作り酒屋を代々営んでいる家に生まれた「マッサン」が、ウイスキー醸造に生涯を捧げたというこの作品を毎度楽しみにしていたという人も多いのではないでしょうか。そんな主人公「マッサン」のモデルは「ニッカウヰスキー」の生みの親である竹鶴政孝ということは有名かと思いますが、その舞台や実家の酒蔵にもモデルがあることはご存知ですか?今回は、「マッサン」の舞台となった地と酒蔵について詳しく紹介していきたいと思います。

マッサンの実家のモデル「竹鶴酒造」

「マッサン」はあくまでフィクションという形で放映されていますが、冒頭でも説明した通り、日本酒の酒蔵の跡取り息子であるマッサンこと亀山政春のモデルは竹鶴政孝さんを起用していると言われています。そしてマッサンの生家である「亀山酒造」は竹鶴政孝さんのご実家である「竹鶴酒造」という酒蔵であり、今も変わらず広島の地で銘酒を醸造し続けているそうです

そんな竹鶴酒造さんが根を下ろしているのが広島県竹原市、「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝さんの故郷です。竹鶴酒造さんがある一帯は美観地区と呼ばれる、歴史ある建物たちが軒を連ねているエリアなのですが、竹鶴酒造さんはその真ん中あたりにあるそうです。竹鶴酒造さんはもともとは江戸時代に「小笹屋」の屋号で製塩業を営んでいたとか。と言いますのも、竹原という地域では、江戸時代に製塩業に力を入れており、製造された塩は北前船に積まれて遠方へと運ばれたそうです。そのため物流も盛んな地域だったらしいのですが、製塩と同じく酒造業にも力を入れていたそうです。実際に当時は多くの酒蔵が竹原に存在していたと言われており、1733年には小笹屋も酒造業へ参入、江戸後期には「竹鶴酒造」の名で事業を展開していくこととなりました。その後は製塩業から離れ酒造を専門に扱うようになり、今は竹原に3軒しか存在しない酒蔵の一端を担っています。

マッサンこと竹鶴政孝と「竹鶴酒造」

日本にウイスキーを広めた人物として有名な竹鶴政孝さんですが、実は晩酌は必ず日本酒だったとも言われています。それだけ日本酒への愛も深かったのでしょう。

そもそも竹鶴政孝の父である敬次郎さんは分家の生まれであり、もともとは製塩業の方を営んでいたらしいのですが、酒造業を営んでいた本家の主人とその奥様が亡くなられたため、本家を継いだと言われています。そのため政孝さんは竹鶴酒造の産室で生を受けたのち、分家の三男ながら本家で暮らすこととなります。少年時代、日本酒に誠心誠意向かい合い、厳しく取り組む父の背中を見ながら成長した政孝さん。その後政孝さんが飽くなき探求心でウイスキーを作り上げた根底には、この時の敬次郎さんが腰を据えていたのかもしれませんね。

「マッサン」の中では、単身ウイスキー醸造に燃える主人公に、生業である日本酒造りを継いでほしいと思いながらも精一杯応援すると言う父の姿も垣間見えていました。実際はどうなのか定かにはわかりませんが、敬次郎さんと政孝さんの間にも、こういったドラマがあったことは想像できますね。

「竹鶴酒造」の代表銘柄一覧

画像出典:神亀酒造


竹鶴酒造さんのお酒は、インパクトもあるしっかりとした味が特徴のものが多いと言われています。そんな竹鶴酒造さんで杜氏を務めているのが石川さん。埼玉県の酒蔵である「神亀」さんで酒造りを学び、経験を積んだのち竹鶴酒造さんへ蔵人として入社、現在は杜氏として竹鶴酒造さんの日本酒造りに励んでいらっしゃいます。

最後に、そんな石川さんを筆頭に酒造りを続ける竹鶴酒造さんの銘柄「竹鶴」について、そのラインナップの中か何本か紹介していきたいと思います。

「清酒 竹鶴 純米」・・・スタンダードな1本。原酒系のものよりは軽めですが、どんな料理に合わせてもマッチします。2003年に刊行された「dancyu」にて「飲み飽きしない酒」ランキングで3位を受賞していることからも、味・値段共に毎日遣いに最適と言えます。720ミリリットル1100円からのお取り扱いです。

「清酒 竹鶴 酸味一体 純米雄町」・・・熱狂的なファンも多い個性的な一本。その名の通り酸味が強いお酒で、広島県雄町産のお米を100パーセント使用しています。竹鶴酒造さんの醸造する日本酒の中でも特に酸味が強い1本ではありますが、しっかり旨みもある絶妙なお酒。燗にすると旨みは和らぎますが、濃いお料理との相性は抜群です。720ミリリットル1400円~のお取り扱いです。

「小笹屋竹鶴 生もと 純米原酒」・・・伝統的な「生もとづくり」で生まれた酵母無添加の1本。凝縮された旨みが魅力のお酒です。720ミリリットル、1800ミリリットルの2種類ありますが、同じタンクで醸造していないため微妙に味が違うとか。常温か燗で頂いてみてください。720ミリリットル2500円~。

歴史ある竹鶴酒造さんのインパクトあるお酒をぜひ

いかがでしたか?竹鶴酒造さんでは、特に「食中酒」としての日本酒に力を入れているそうです。マッサンこと竹鶴政孝さんのように、ぜひ晩酌として「竹鶴」を味わってみてください。
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