日本酒の度数には決まりがあった?意外と知らない日本酒のあれやこれを徹底解説!
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突然ですが、あなたは日本酒のことをどれだけ知っていますか?
獺祭や十四代など、日本酒ファンでなくても知っているようなプレミアムなお酒も有名になってきていますが、そもそも日本酒とはどんなお酒なのかということについてあまり詳しく知らないと言う人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、日本酒について知っておきたい基礎知識の中でも、「度数」に焦点を当てて、他のお酒との違いや日本酒の決まりなどを紹介していきたいと思います。
「日本酒」と名乗るには決まりがある!?
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日本にはお酒に関する決まり事として「酒税法」というものがあります。そもそもお酒は「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分類することができ、日本酒はこのうち「醸造酒」に該当します。ちなみに「醸造酒」は日本酒以外にもビールやワインが、「蒸留酒」はウイスキーや焼酎、泡盛などが、そして「混成酒」にはリキュールやみりんなどがあたります。
一方で、これらが「お酒」と認定されるには、酒税法の規定に則っていることが必要です。酒税法では、お酒の定義としてアルコール分が1パーセント以上であることが規定となっています。さらに「日本酒」と名乗るためには、必ず原料にお米を使用することと、こすとう作業を醸造過程の中に入れなければいけないことが決まっています。さらに平成18年度に制定され新酒税法では、「清酒」に関する規定が細かになり、新たに定義が確立されました。具体的にはお米、米麹、水を原料として発酵させたものが清酒と分類されることとなったのです。
日本酒のアルコール度数は通常15~16度
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上記でも紹介した酒税法では、日本酒のアルコール度数についての決まりもあります。具体的には、日本酒は「アルコール度数が22度未満」であることが規定されています。実際に日本酒のラベルをいくつか見るとわかると思いますが、基本的には販売されている日本酒の度数は15、16度のものが多く、高くても20度となってます。
また、実は日本酒は世界で最もアルコール度数が高いお酒とも言われています。と言いますのも、市場に出回る日本酒たちは確かにアルコール度数が15、16度となっているので、アルコール度数が10度以上あるウイスキーやブランデーなどの蒸留酒と比べるとそんなに強いお酒というイメージは持ちませんよね。しかし日本酒は市場に出るときこそ調整してアルコール度数を低くしていますが、その原液はなんと20度以上もの度数があると言われています。これに対してウイスキーやブランデーなどの蒸留酒は、発酵前は10度にも満たない原液を、蒸留することで度数を上げていくという方法で醸造していきます。したがって、原液を比較すると日本酒は世界一のアルコール度数を誇っているのです。
日本酒はアルコール度数20度を超えない?
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日本酒の原液がアルコール度数20度前後となることを踏まえたうえで、続いては日本酒の度数のからくりを紹介していきましょう。
実は日本酒は、その特殊な醸造法によりアルコール度数が20度以上にならないようになってるそうです。と言いますのも、そもそも日本酒はお米に米麹を混ぜることで糖分を生成し、その糖分を酵母が食べることで発酵が促され、アルコールが出来上がると言う仕組みで醸造されます。酵母出来上がった糖分をどんどんと食べ続け、アルコールを作り上げていきますが、この時産出されたアルコールの度数が20度を超えてしまうと、酵母自体がアルコールによって死んでしまうと言われています。これが日本酒がどうしてもアルコール度数20度を超えない理由です。 一方で、日本酒の甘口、辛口を見極める秤として日本酒度というものがあります。先述したような醸造で作られる糖分が多ければ多いほど日本酒に甘みを含ませ、少なければ少ないほど日本酒に辛みを与るようです。日本酒度がプラスならば糖分が少ないということなので辛口のお酒に、逆に日本酒度がマイナスならば糖分が多いと言うことで甘口のお酒となるので、ぜひ判断基準として活用してみてください。
日本酒は悪酔いする?
日本酒を飲むと悪酔いするという声は少なくはありません。確かに日本酒はアルコール度数が高いお酒なので、酔いやすいと思う人が多いようですが、悪酔いしやすいと言う医学的根拠は今のところありません。悪酔いの症状である脱水や気分の悪さ、脱力感などは飲んだお酒の種類ではなく、むしろ飲酒量に関係していると言われていることからも、日本酒だから悪酔いしやすいと言うことは無いようです。むしろおいしいものを適量飲めれば、気分も晴れ晴れとし、お酒を楽しむこともできると思いますよ。
日本酒は奥が深い!
いかがでしたか?日本酒には度数を含めいろいろな決まりがあるようです。普段何気なく飲んでいる日本酒ですが、実はその1つ1つが、酒蔵の方々が規定にしっかり則ったうえで、厳しく管理し醸造しているものだということがわかりますね。