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日本酒好きで知らない人はいない?銘酒「飛露喜」のあれやこれ

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画像出典:道の駅 あいづ 湯川・会津坂下


現在、入手困難を極めている日本酒のひとつ「飛露喜」。そんな「飛露喜」を醸造しているのが、福島県にある廣木酒造さんです。
廣木酒造さんでは、「飛露喜」のほかに「泉川」という銘柄のお酒も展開しており、どちらも人気を博しています。今回は、そんな廣木酒造さんや銘柄「飛露喜」「泉川」についていろいろ紹介していきたいと思います。

会津坂下に蔵を構える

画像出典:公益財団法人 福島県観光物産交流協会


江戸時代中期、文政元年に創業して以来、福島県の会津坂下の地で日本酒造りを続けているという廣木酒造さん。創業当時からある銘柄「泉川」は、今も地元の人のみならずたくさんの人に愛され続けている銘酒と言えます。そんな「泉川」は絶えることなく流れる川のようにと、命名されたそうです。

現在、廣木酒造さんの9代目を継承しているのが廣木健三さん。今は杜氏として蔵を牽引している健司さんこそが大人気を博した「飛露喜」の生みの親と言われています。というのも、健司さんが廣木酒造さんの元へ戻ってきたとき、蔵では普通酒をメインに細々と醸造を続けていたそうです。
加えて高齢のために当時の杜氏が引退してしまい、父である健一郎さんと力を合わせ酒造りを続けていたところ、健一郎さんが急逝。一時は蔵をたたもうと廃業を考えたという健司さんですが、そんな矢先にNHKで放映されていたドキュメンタリー番組の取材の話が舞い込んできたとか。そしてその取材を受け入れた健司さんの元へ、番組放映後、有名な大手の日本酒専門店から取り扱いを求める連絡が相次いだそうです。

そんなこんなで様々な酒販店での販売がスタートした廣木酒造さん。販売がスタートした無濾過の生原酒は、健司さん曰く30本も売れれば良いなと思っていた結果、なんと3000本にまで需要が高まったとか。ちなみに当時は醸造した日本酒のラベルを印刷する余裕がなかったため、お母さまがラベルを手書きで仕上げていたそうです。

苦しい時期の末生まれた「飛露喜」の大ヒット

画像出典:公益財団法人 福島県観光物産交流協会


廣木酒造さんが手掛ける「飛露喜」はその後空前の大ヒットを記録することとなります。現在はインターネットショップを見ても品切れ続出で、「売り切れごめん」といった内容の注意書きがされているほど。
そんな「飛露喜」は地元で栽培・収穫された酒造好適米「五百万石」をメインに、「山田錦」なども加えて醸造されているそうです。「飛露喜」を発売してからは蔵の石高は3倍ほど増えているという廣木酒造さんでは、納得のいく日本酒を作り出すために設備やお米に経営投資し、研究を重ねて改良を図っているとか。実際に火入れ技術の向上のための研究を重ねているなど、さらなる高みを目指して日々努力を積んでいるようです。

入手困難が続く「飛露喜」

画像出典:有限会社 渡辺宗太商店


突然ですが、「飛露喜」の銘柄名の由来はご存知ですか?「飛露喜」は「喜びの露が飛ぶ」という言葉から命名されています。今では蔵に在庫はなく、特約店でも購入が難しいほど周囲から支持されている「飛露喜」。そのラインナップをいくつか紹介していきましょう。

「飛露喜 純米大吟醸」・・・和紙に金箔で「飛露喜」の名と稲穂の絵が刻まれている上品なラベルが特徴の1本。「飛露喜」で唯一の720ミリリットルでの販売となっているこちらは、1本当たり2700円~のご案内。上品な吟醸香と甘みと酸味のバランスの良さを楽しめる純米大吟醸酒となっています。

「飛露喜 特別純米 無濾過生原酒」・・・先ほども紹介した、「飛露喜」シリーズの先駆けともなった1本。発売当初にお母さまが手書きしたという大事を印刷したラベルは迫力のある堂々とした佇まいを感じさせます。果実味のある香りと甘みや旨みを堪能することができる、他にはない搾りたての生原酒となっています。1.8リットル2600円~のご案内です。

「飛露喜 純米吟醸 愛山」・・・酒米のダイヤモンドと言われる「愛山」という酒造好適米を使用し磨き上げ仕上げた純米吟醸酒。ほんのりとした甘みとキレのある後味を感じることができる「飛露喜」シリーズの中でも極上の1本。1.8リットル4500円~のご案内となります。

このほか、「飛露喜」の銘柄には季節限定商品も多くあります。それぞれ正規の特約店での取り扱いとなっており、出荷数に限界があるため販売店でも店頭に並ぶ数はあまり多くないようです。また、「飛露喜」と同じく廣木酒造さんで醸造されている「泉川」も、現在かなりの人気を博しており、入手困難な状態が続いているとか。酒販店の中には「泉川」を毎月入荷しているところもあるので、確実に手に入れたいと言う人は特に、ホームページなどで随時チェックしておくことをおすすめします。

全国ブランドの一角を担う「飛露喜」

いかがでしたか?廣木酒造さんが苦しい時期を乗り越え、生み出した銘柄「飛露喜」は起死回生の1手となったと言っても良いかもしれません。今では全国ブランドとなった「飛露喜」、日本酒ファンでもそうではない人もぜひ一度ご賞味ください。
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