ご当地グルメ

何杯食べられる?岩手県の郷土料理「わんこそば」の楽しみ方

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「わんこそば」は、岩手県を代表する郷土料理です。
給仕さんとの掛け合いの中、お椀のそばを平らげていく独特のスタイルは、エンターテイメント性もあり、食通のみならず、多くの人々を魅了してやみません。
今回は、わんこそばのルーツや食べ方をはじめ、おすすめのお店をご紹介していきます。

歴史の古い岩手県の「わんこそば」

古くから、良質の蕎麦の産地として知られる岩手県。お祝いの席や宴会、客人をもてなす場面では、そばを振る舞う風習がありました。わんこそばのルーツには諸説あり、大人数の客人にそばを振る舞おうとした際、少量ずつそばをお椀に盛って出したことが、原型になったと言われています。盛岡市と花巻市の2つが、発祥の地として伝わっており、現在でもその両方に、そばの人気店や名店が点在しています。

「わんこ」とはお椀のことを示す、岩手の方言です。給仕さんのかけ声と共に、お椀に勢いよく入ってくるそばを、次々に食べるスタイルのはじまりは、戦後、盛岡市の「わんこや」(※現在は廃業)が考え出したと伝わっています。その独特の食べ方が、次第に他の飲食店にも広まっていきました。

独特のエンターテイメント性は、わんこそばの魅力のひとつ。お椀にフタをするまで続く、給仕さんとの掛け合いの中で、1杯でも多く食べたいという気持ちが不思議と湧き上がってきます。食べた杯数を競う「わんこそば全日本大会」も開催されていますよ。

食べたことがあるというかたも、まだという方も、岩手県で本場わんこそばを堪能してみませんか。

わんこそばをたくさん食べるコツはある?

せっかくわんこそばを食べるなら、一杯でも多く食べたいと思うもの。わんこそばは、およそ10~15杯で、かけそば一杯分に相当します。大食いの目安となる100杯を目指す方も多いようです。わんこそばを多く食べるコツのようなものはあるのでしょうか。

まず1つ目のコツは、満腹中枢が刺激される前の、食べ始めてから15~20分の間に、なるべく多く食べるようにすることです。そのためにも間を置かず、スピーディーに食べ続けるとよいでしょう。

2つ目は、そばだけを食べて、つゆは飲まないようにすることです。水分はおなかにたまりやすいので、できる限り控えておくとよいでしょう。

3つ目は、薬味やおかずを加えて、味を変えながら食べるということです。味にメリハリがついて、食べ飽きせずに済みます。

細かいことのように感じられますが、いずれも杯数を重ねていくごとに、満腹感に影響を及ぼす可能性があります。わんこそばを食べるときには、試してみてくださいね。

元々、わんこそばは、もてなしのために振る舞われた料理。スピードや量を競うだけでなく、そばを味わう気持ちと感謝を忘れずに食べると、わんこそばの素晴らしさを、より感じられるはずです。

盛岡「東家」本店~風情ある日本家屋で食べるわんこそば

画像出典:東家本店


「東家」は、わんこそばの老舗。地元の人だけでなく、観光客や修学旅行生も多く訪れます。本店の店舗は、明治40年創業当時の面影が残る、和のたたずまいが魅力。盛岡市の中心部から少し路地に入った場所にあります。

わんこそば以外の多彩なそばメニューや丼ものも、数多くそろえています。
1Fでは、古民家風の落ち着いた雰囲気の中、お食事が楽しめます。わんこそばのお客様は、2Fの広いお座敷へ通されます。

わんこそばのメニューには2種類あり、食べた分のお椀を数える方法と、マッチ棒で数える方法から選べます。お椀や薬味などがセットされ、用意された前掛けを身に着けたら、給仕さんの掛け声のもと、わんこそばが始まります。

食べやすいように、そばは柔らかめに茹でられており、スルスルとおなかの中に入っていきます。「そろそろお腹がきついかな」と思い始めてからも、「はい、じゃんじゃん!」、「それ、じゃんじゃん」と威勢よく声をかけられれば、不思議と「もっと食べよう」という気持ちになるのです。

味を変化させて食べやすいように、さまざまな薬味も用意されています。せっかくの機会ですので、そばの味も堪能してみてくださいね。

100杯以上食べた人には、お店オリジナルの手形も用意されています。たくさん食べた証となる手形は、旅のよい思い出となるでしょう。胃袋に自信のある方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。

東家本店
【所在地】
岩手県盛岡市中ノ橋通1-8-3
【営業時間】
11:00~15:30/17:00~20:00
【アクセス】
盛岡バスセンターから徒歩約3分

画像出典:やぶ屋花巻総本店


花巻「やぶ屋」~宮沢賢治も愛したお店でわんこそばを満喫
盛岡と共に、わんこそばが盛んな地域である花巻市。その花巻でも老舗の「やぶ屋」は、大正12年創業のそば処です。
趣ある堂々とした看板が飾られたエントランスをくぐると、奥行きのある店内が広がっています。

食べたお椀は重ねた状態にして数えるのが、やぶ屋のスタイル。食欲をそそる薬味がそろい、前掛けを着けたら、給仕さんがテンポよくそばを入れていきます。無添加のつゆが使用されるなど、味にも独自の工夫が施されています。

わんこそばを100杯食べると、お店から「横綱」の認定がもらえます。認定証と記念品もいただけるとあって、横綱を目指して臨む人も少なくないようです。

花巻市出身の童話作家、宮沢賢治も訪れたことでも知られるやぶ屋。宮沢賢治が好んで食べたと言われる「天ぷらそば」と「サイダー」は、お店の名物メニューになっています。

花巻でわんこそばを食べる際には、ぜひ立ち寄ってみませんか。

やぶ屋花巻総本店
【所在地】
岩手県花巻市吹張町7-17
【営業時間】
11:00~15:00/17:00~21:00
【定休日】
月曜日
【アクセス】
JR花巻駅から徒歩約10分
麺料理がおいしい土地柄で知られる岩手県。歴史と伝統に加え、エンターテイメント性も兼ね備えたわんこそばは、岩手県を代表するご当地麺のひとつです。 旅先の食事でいただけば、岩手の風土を肌で感じられる、よい思い出となるでしょう。盛岡と花巻で、本場のわんこそばを堪能してみませんか。

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