仏教では否定された考え?初志貫徹
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夢をお持ちの方はいらっしゃいますか?夢をかなえることは並大抵の覚悟ではいけません。とはいえ、生きているうちに考えは変わっていくものです。
初志貫徹の意味、類語、用例など
【意味】
初志貫徹とは、初めに思い、決めたことを最後までやり抜くことを意味します。主義や主張、方針、信念を貫き通すことです。
【類語】
頑固一徹、終始一貫など。
【用例】
初志貫徹で、あのプロジェクトを成功させる。
初志貫徹とは、初めに思い、決めたことを最後までやり抜くことを意味します。主義や主張、方針、信念を貫き通すことです。
【類語】
頑固一徹、終始一貫など。
【用例】
初志貫徹で、あのプロジェクトを成功させる。
万物流転が仏教の基本概念
結構ストイックなイメージのある言葉です。
同じくストイックな感のある仏教と相性が良さそうに思えますが、実は仏教としてはこの言葉は反りが合わない物でした。
それというのも、仏教の基本は「諸行無常」。
「ありとあらゆるものは変化している。今の状態はずっと続くものではなく、それに気づけば苦しみから解放されると言う考えです。つまり、「毎月10万円のワインを飲めなくちゃいやだ!」「幼馴染みが最近冷たい」と思っているようじゃ駄目と言うわけですね。
医者に酒類を止められれば10万円のワインどころかワンカップのお酒も飲めませんし、昔の思い出にしがみついてかつての友達付き合いをしようにも、幼馴染みには幼馴染みの人生があります。
「家族ができた」「海外に転勤する」などとなったら、会うことすらままならないでしょう。「何でじゃ!」とハンカチをかみしめるほど執着するから苦しいのです。
同じくストイックな感のある仏教と相性が良さそうに思えますが、実は仏教としてはこの言葉は反りが合わない物でした。
それというのも、仏教の基本は「諸行無常」。
「ありとあらゆるものは変化している。今の状態はずっと続くものではなく、それに気づけば苦しみから解放されると言う考えです。つまり、「毎月10万円のワインを飲めなくちゃいやだ!」「幼馴染みが最近冷たい」と思っているようじゃ駄目と言うわけですね。
医者に酒類を止められれば10万円のワインどころかワンカップのお酒も飲めませんし、昔の思い出にしがみついてかつての友達付き合いをしようにも、幼馴染みには幼馴染みの人生があります。
「家族ができた」「海外に転勤する」などとなったら、会うことすらままならないでしょう。「何でじゃ!」とハンカチをかみしめるほど執着するから苦しいのです。
やり方を変えるのが仏教
といって「初志貫徹は絶対にアカン!」というわけではありません。そもそも悟りを得ると言う究極の目的があります。仏教ではその方法を変えるだけであり、初志貫徹の考え自体を、目くじらを立てて完全に否定しているわけではないのです。お釈迦様の弟子の一人、チューラパンタカは頭が悪いと言う理由でお経が覚えられませんでした。ならば、とお釈迦様は彼の修行法を変えます。掃除をさせたのです。来る日も来る日も、延々黙々と。その中で、チューラパンタカは「汚れを取り払った所に真実がある」との悟りを得ました。お経にこだわっていたから中々悟れなかっただけで、素質はあったのです。中国禅宗では、逆に勉強は得意だけど経典に書かれていないことを質問された、香厳と言う僧侶がいました。「経典を読んでも意味がない」と知り、行脚の旅に出ます。ある寺で世話になりますが、そこで畑仕事をし、埋まっていた瓦を放り投げた時「カン」と音が鳴りました。ここで香厳は悟ります。意外な所に悟りのヒントがあった一つの例です。
由来
漢字を分解していけば「初」めに思い立った「志」を「貫」きとおす(「徹」)こととなって言葉通りの意味合いになります。特に元になった故事があるわけではありませんが、現在でもこの言葉を座右の銘にしている経営者は多く、会社として、学校としてこの言葉を掲げているところも多くあります。
最初に決めたことを最終的にやり遂げることを重要視した言葉ではありますが、手段を選ばず結果だけ良ければよいというものではありません。たとえば会社の営業をしている社員が5年以内に営業成績をトップにすると誓ったとします。もちろんうまくいく時期もあればうまくいかない時期もあるでしょう。その結果、成し遂げられれば初志貫徹したと言えるかもしれません。しかしそのために同僚を悪意を持って蹴り落としたり、取引先に詐欺まがいの行為をして倒産に追い込んだりして営業成績をトップにしたとしたらそれは本当に初志貫徹したと言えるでしょうか。
この初志貫徹という言葉はとにかく結果にこだわってしまいがちですが、そもそもはその目標に達するまで決意を曲げずにやり続けるということが大事だという意味であったはずです。その目的のためなら手段を選ばずというのはこの言葉の趣旨からは外れていると考えられます。
最初に決めたことを最終的にやり遂げることを重要視した言葉ではありますが、手段を選ばず結果だけ良ければよいというものではありません。たとえば会社の営業をしている社員が5年以内に営業成績をトップにすると誓ったとします。もちろんうまくいく時期もあればうまくいかない時期もあるでしょう。その結果、成し遂げられれば初志貫徹したと言えるかもしれません。しかしそのために同僚を悪意を持って蹴り落としたり、取引先に詐欺まがいの行為をして倒産に追い込んだりして営業成績をトップにしたとしたらそれは本当に初志貫徹したと言えるでしょうか。
この初志貫徹という言葉はとにかく結果にこだわってしまいがちですが、そもそもはその目標に達するまで決意を曲げずにやり続けるということが大事だという意味であったはずです。その目的のためなら手段を選ばずというのはこの言葉の趣旨からは外れていると考えられます。
意味の変遷
昔も今も初志貫徹することが難しいために、この言葉を大事にしている人が多いとも言えます。ものごとを進めていく上でトラブルはつきものです。他の誘惑なども多いかもしれません。そういったものにもめげずに最初に決めたことをやり遂げる思いの強さ、これこそが現代でも変わらないこの言葉の意味です。
しかし、この言葉は意地になってしまうと危険な要素もあります。あきらかに周りの情勢が変化して、最初に立てた目標を達成することが無意味、もしくは不可能になってしまっているのに初志貫徹にこだわってしまうと大変なことになります。その場合はむしろ「臨機応変」に対応することのほうが求められることが多くなっていると言えます。
しかし、この言葉は意地になってしまうと危険な要素もあります。あきらかに周りの情勢が変化して、最初に立てた目標を達成することが無意味、もしくは不可能になってしまっているのに初志貫徹にこだわってしまうと大変なことになります。その場合はむしろ「臨機応変」に対応することのほうが求められることが多くなっていると言えます。
使用法、使用例
「俺はプロ野球選手になると小学生のときから決めていたんだ」
「ということは初志貫徹したわけだな。立派にプロ野球選手になっているものな」
「ということは初志貫徹したわけだな。立派にプロ野球選手になっているものな」
反対の意味の四字熟語
「君子豹変」・・・優れた指導者は周りの状況に応じて考え方や行動を変化することができるということ。柔軟な考え方が必要とされています。
まとめ
初志貫徹は素晴らしい努力目標と言えるでしょう。
しかし、物事は変わりゆくものです。「何が何でも東大に入る」と頑張るのはいいですが、あまり一つの方法や物事にとらわれ過ぎると視野が狭くなり、香厳のごとく「お勉強はできるけど肝心なことが分かっていない」状態になりかねません。重要なのは目標です。
いくらでも変化する世界野心情の中、「悟りを得る」のが変わらない仏教の目標ですが、その方法はいくらでもあります。
仏教以外でも、目標達成の道はいくらでもありますし、達成できなくても悔やむことはないのです。少し休憩すれば、何かが変わってくるでしょう。キッチリカッチリ詰め込み過ぎないのが一番と言えます。方法、目標までの道はいくらだってあるのです。
時には初心に帰ることもいいですし、自分に合った道を選びましょう。そうすれば初志貫徹も成し遂げられるかもしれません。
しかし、物事は変わりゆくものです。「何が何でも東大に入る」と頑張るのはいいですが、あまり一つの方法や物事にとらわれ過ぎると視野が狭くなり、香厳のごとく「お勉強はできるけど肝心なことが分かっていない」状態になりかねません。重要なのは目標です。
いくらでも変化する世界野心情の中、「悟りを得る」のが変わらない仏教の目標ですが、その方法はいくらでもあります。
仏教以外でも、目標達成の道はいくらでもありますし、達成できなくても悔やむことはないのです。少し休憩すれば、何かが変わってくるでしょう。キッチリカッチリ詰め込み過ぎないのが一番と言えます。方法、目標までの道はいくらだってあるのです。
時には初心に帰ることもいいですし、自分に合った道を選びましょう。そうすれば初志貫徹も成し遂げられるかもしれません。