四字熟語

博覧強記の意味・使い方

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広く書物を読んでいて知識が豊富であること。
また、物事をよく知っていて覚えていること。

由来

もともとは「古今東西の書物を読んでいて、その知識を蓄え、見識が広くて、それを記憶していること」を指していた言葉です。古代の中国や日本では書物は非常に貴重なものでした。コピーや印刷機で大量に複製することができない時代でしたので、複製するには写本(写し書き)するしかなかったのです。そのために書物はなかなか手に入りにくい貴重なものであったのです。

昔、後に漢の国を建てることになる劉邦の家臣であったショウカという人物は相手の城に攻め込んだ際に、他の将兵が金銀財宝を略奪しているのには目もくれずに一目散に書物庫に入って「宝の山だ」と言って、書物や地図を残らず運び出したといいます。これほど書物は貴重なものであったのです。

その貴重な書物を数多く読み、しかもその知識を忘れることなく蓄える人は当然非常に称賛されました。こういった人のことを博覧強記といったのです。

「博覧」とは広く書物を読むことで、知識が豊富なことを指します。
「強記」とは記憶力に優れ、ものごとを忘れないということです。

意味の変遷

この広く知識を有していて優れた人を表す「博覧強記」という言葉ですが、最近は少し本来の意味とは違った使われ方がされるようになってきました。

それは、広く知識を持っているはずなのに想像力、判断力、決断力に乏しく、逆に「愚かなのではないか」という人物が出現してきたからです。
これは、
「本に書いてある知識を覚えている」という状態ではあるものの、
「本に書いてある知識をその場の状況に応じて使いこなし、自分のものとしている」状態になっていないことから起こるものと考えられています。

実際に知識には二通りあって、「自分が知っていて、使いこなしている知識」と「自分で知っているものの使いこなせていない知識」があるのです。知識は使いこなせていないと「ただ知っているだけ」の状態になります。そこから派生して博覧強記は「知識はあるが使いこなせていない愚か者」を指すようにもなってしまったのです。
現在ではもともとの意味を合わせて良い意味と悪い意味の両方で使われていることに注意が必要です。

使用法、使用例

「彼は本当になんでも知っているな。知らないことはないんじゃないか」
「彼の博覧強記ぶりは有名だからな。常に本を手放さない男だよ」

類似した意味の四字熟語

博学多才・・・知識を多く持っている人のこと。
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