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サスペンスドラマの聖地 東尋坊で断崖絶壁の絶景を楽しもう

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サスペンスドラマのラストで、主人公たちが犯人を問い詰め、自白させるシーンといえば断崖絶壁がお馴染みですよね。世界的にも珍しい断崖絶壁の絶景が臨める福井県の東尋坊は、その荒々しさや迫力満点なところから「サスペンスドラマの聖地」と呼ばれるほど、サスペンスドラマのラストシーンで多く使用されています。また、他にも様々なドラマや映画のロケ地として広く知られている東尋坊。今回はそんな東尋坊の魅力に迫っていきましょう。

世界に3つしかない? 地学的にも珍しい東尋坊の断崖絶壁

東尋坊は「輝石安山岩の柱状節理」という大変珍しい奇岩で構成されている海食崖です。この奇岩が大規模に広がっている様子は世界中を探しても東尋坊を含む3ヵ所(朝鮮半島の金剛山とスカンジナビアのノルウェー西海岸)しかないと言われており、東尋坊は国の天然記念物及び名勝にも指定されています。福井県の北側、日本海に面した崖はおよそ1kmにわたって続いており、最も高い場所で約25mの垂直の崖も見受けられます。淵に立てば足が震えてしまう壮絶な崖に日本海の荒波が打ち当たる様子は、思わず固唾を飲んでしまうほどの大迫力です。

“東尋坊”の名前の由来は無念を残しこの世を去った僧侶

“東尋坊”という名前は、ある昔ばなしの登場人物が由来となっていると言われています。昔、奥越(福井県東部の山間)に「平泉寺」という大きな寺があり、その寺に東尋坊という名の極悪非道の僧侶がいたそうです。東尋坊は暴れ出すと手が付けられないほどの怪力で、やりたい放題に悪事を重ね、近隣の民を苦しめていたとか。そんな東尋坊には、あや姫という思い人がおり、恋敵である真柄覚念(まがらかくねん)という僧侶とひどくいがみ合っていました。

そんな中、平泉寺の僧侶たちが東尋坊を海辺見物に誘い出し、崖の上で酒盛りをしていたとき、真柄覚念が泥酔した東尋坊を絶壁から突き落としてしまいます。東尋坊が海に沈むやいなや、それまで晴天だった空に俄かに暗雲が立ち込め、豪雨と雷が地上を襲ったとか。ついには東尋坊を突き落とした真柄覚念も絶壁の底へと落ちていき、以降49日間にわたって東尋坊の無念により海は大荒れとなったそうです。その後、崖が広がる一帯が東尋坊と呼ばれるようになったと言われています。

「断崖絶壁の東尋坊を上から観るのは怖い……」という方には遊覧船での見学がおすすめです。東尋坊では観光遊覧船が12月29日〜1月31日の期間以外は運行しており、船中から絶景を楽しむことができます。また、東尋坊の絶景を思う存分満喫したいのなら、ぜひ夕日の時間を狙ってみてください。東尋坊では年に数回、「グリーンフラッシュ」という夕日が沈むさなかで一瞬だけ緑色の光が放たれるという大変珍しい光景が見られます。運が良ければ、絶景の上をゆく幻想的な光栄を目にできるかもしれません。

東尋坊公式HP
http://www.mikuni.org/tojinbo/
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