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端午の節句に欠かせない和菓子「柏餅」 5月5日に食べる理由は? 中身はなぜ違う?

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(写真提供 インスタグラムID:gidt408 URL:



5月5日の端午の節句にちまきとともに食べられている柏餅。幼少期からよく食べていたという方も多いのではないでしょうか。今回は日本の伝統的な和菓子である柏餅の歴史や端午の節句との関係性、中身の秘密などを紹介していきたいと思います。

発祥は江戸時代 子孫繁栄の縁起を担いだ和菓子

端午の節句に欠かせない食べ物と言えばちまきと柏餅ですよね。ちまきは、もともと中国から伝わってきた食べ物で、故事に習って災いを避けるものとして5月5日に作られるようになったと言われています。それに対して、柏餅は正真正銘日本で生まれた食べ物で、その歴史は江戸時代に始まります。

柏餅は餡が入った丸型のお餅を、柏の葉で包んだ和菓子です。この柏は日本では昔から神聖な木とされており、新芽が出てから古い葉が落ちるという特徴があります。この特徴が、「親は、子が産まれるまでは死なない」という考えにつながり、「家系が途絶えない」という意味で子孫繁栄の縁起を担ぐようになったと言われています。

ちなみに端午の節句に食べる和菓子は、関東地方では柏餅が主流で、関西地方ではちまきが一般的です。柏餅は江戸時代に生まれてから全国に浸透し、今では各所で食べられるようになりましたが、関西地方、とりわけ京都の文化圏では伝統を重んじる風習が強いことから、ちまきの方がよく食べられているそうです。また、柏餅やちまき以外にも端午の節句に食べられている郷土菓子が全国各地に存在します。例えば北海道では2色の生地でつくる「ベコ餅」が、宮崎県では練って伸ばした米粉で餡を包んだ「鯨羊羹」が、端午の節句のお菓子として伝承されています。

中身は粒あん、こしあんのほかに味噌あんも

柏餅の中身と言えば粒あんとこしあんが一般的ですが、なかには味噌あんや白味噌あんが用いられていることもあります。「小豆あんだと思ったら味噌あんだった」など、食べてみてはじめて分かる場合もあることかと思います。しかし実は柏餅に用いられている餡の種類は、基本的には柏の葉を見るだけで判別することが可能です。例えば柏の葉の表側が外側になっている(葉がツルツルしている)場合はこしあんや粒あんなどの小豆餡が、柏の葉の裏側が外側になっている(葉がザラザラしている)場合は味噌あんが用いられているのが一般的です。ぜひ実際に柏餅を見て確認してみてください。

柏餅の葉は取って食べた方がよい?

桜餅と違って柏餅の葉は食べないという方も多いのではないでしょうか。柏の葉はお餅への香りづけや殺菌のためにも欠かせないものではありますが、お餅と一緒に食べてしまうと葉独特の苦みや筋っぽさが感じられ、お餅の美味しさを邪魔してしまうことも。

そのため、お餅をおいしく食べたい方は特に、柏餅の葉は取って食べることをおすすめします。一方で、どうしても柏の葉も食べたいという方は、蒸し器や電子レンジで少し温めてみてください。葉のパサパサ感が無くなるだけでなく、お餅もよりモチモチとした食感になって美味しくなりますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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