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菖蒲園へいこう。花しょうぶの名所で花しょうぶを満喫する

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花しょうぶの栽培はビギナーには難しく、一輪の花は3日程度しか持ちません。通年手をかける必要があり、鉢植えでは毎年植え替える必要もあるのに、花を楽しめるのは短期間です。

花しょうぶ園芸品種が5000種ともいわれるほど品種が多く、花期は品種によって少しずつずれてくるので、菖蒲園の花しょうぶの見ごろは1か月ほど続きます。何万本と花しょうぶが植えられている名園は全国各地にあります。

花しょうぶ・アヤメ・カキツバタなど似ているものの見分け方

花しょうぶアヤメアヤメ属です。アヤメカキツバタも同じアヤメアヤメ属なのでとても近い仲間同士です。花の姿もとても良く似ています。それぞれを見分けるには、大きな花びらの付け根のところの色や模様に注目します。

アヤメは「編み目」から名づけられたといわれています。花びらの付け根のところに、編み目模様のような複雑な模様がついています。カキツバタは白い線が入り、花しょうぶは黄色い色がついています。この花びらの付け根のところでそれぞれが見分けられます。

漢字で書くと、アヤメショウブも同じ文字「菖蒲」と書きます。名前からして区別しにくいので、花も見分けがつきにくいのは仕方がないのかもしれません。

この他にも、同じアヤメアヤメ属の「ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)」や「イチハツ(中国原産:帰化植物)」も似ていて区別が難しくなっています。ジャーマンアイリスは中央部分の花びらが集まって立ちあがっている特徴があり、イチハツはアヤメの網目模様の部分が立体的に立ち上がっています。

端午の節句に「しょうぶ湯」で使う「ショウブ」は花しょうぶの葉っぱなのではなく、サトイモ科またはショウブ科の「ショウブ」の葉っぱを使います。花しょうぶショウブは品種が違います。

花しょうぶは初夏の花。梅雨に美しく咲き誇ります

花しょうぶは初夏の花とされ、梅雨の時にも美しく咲き誇ります。菖蒲園では、アヤメカキツバタも植えられていることが多くあります。開花期間は基本的には5月上旬からアヤメが咲きはじめ、次いでカキツバタが咲きはじめ、最後に花しょうぶが咲きはじめます。

花しょうぶの開花期間は6月上旬〜下旬が一般的ですが、菖蒲園のある地域によって異なります。お近くの菖蒲園で開花期間を見逃したときは、北上した地域にある菖蒲園をあたってみると開花期間に合わせることが可能です。

花しょうぶは、アヤメカキツバタも同様ですが、雨が降っても花がきれいなままなので、晴天ではなく雨天であっても、鮮やかな色とりどりの花を楽しむことができます。

一輪の花しょうぶは3日間しか開花しませんが、初めは濃い花色をしていて、花びらが徐々に大きくなっていくため花色が少しずつ薄くなっていきます。一株から数輪花を咲かせるので、花の大きさとともに、花色の濃さが違う花を同じ株で楽しむこともできます。

花しょうぶは水中で育てるイメージがあるけれど

菖蒲園に花しょうぶを観賞するために訪れると、花しょうぶが水の中でたおやかに花を咲かせているために、常時水中で育てるものと思われがちですが、花しょうぶは水気をこのむものの、水の中では育てない植物です。

蕾がついて花が咲き、花が終わるまでの期間、水切れが起こると花が咲かなくなってしまうことがあります。花が確実に開花できるように、水切れを起こさせないためには、開花期間中のみ、鉢植えでも鉢を水につけて育てることがあります。

花しょうぶが水の中で生育しているのは花の期間だけで、花が終わった後は、水を張っていた菖蒲園でも、水を抜いて育てます。

花しょうぶは「江戸系」「伊勢系」「肥後系」などに大別

花しょうぶを花の形で分類するときは、大きな3枚の花弁が目立つ「三英咲き」、6枚の花弁が広がる「六英咲き」、8枚の花弁が広がる「八重咲き」に分けられますが、品種育成がされた地域から、「江戸系」「伊勢系」「肥後系」の3つに大別されます。この3系統以外にも交配種や海外で育成された品種などもあります。

江戸系は茎がまっすぐで庭植えに向くとされています。伊勢系は三英咲きのものが多く、中央部分の弁が垂れるのが特徴です。肥後系はボリュームのある花が多く、六英咲きが多いのが特徴です。花を見ながら、どこから来た品種なのか、思いをはせるのも楽しみ方の一つになります。

菖蒲園で花しょうぶの群生を楽しもう

花しょうぶの花、一輪一輪は3日間しか持ちません。花ははじめは小さめで色が濃い目に咲きますが、だんだんと花びらが大きくなっていき、色も徐々に淡い色へと変化していきます。

このはかない美しさに魅了される人は多いのですが、育てていくには様々なノウハウが必要です。開花期間が品種によって多少ずれてくるので、多品種育てると長く楽しめますが、そのためにはある程度の広さも必要になってきます。

全国各地に花しょうぶが何万株も植えられた菖蒲園があり、菖蒲園に行くことで育てずとも、花しょうぶの群生を楽しむことができます。

菖蒲園は、花しょうぶの開花時期は花しょうぶの周りに水を張っていることが多く、非常に広い大庭園であることが多いので、多少泥で汚れても困らない服装で、歩きやすい靴で出かけるようにしてください。

園内にお食事スペースなどがない場合も多いので、小さい子供と一緒に出掛ける場合は、時間に余裕をもって出かけるようにしてください。

花しょうぶの名所で花しょうぶの群生を楽しもう

花しょうぶの名所や菖蒲園は、全国各地にあります。何万株もの花しょうぶを心行くまで満喫するには、やはり菖蒲園は外せません。見どころや開花時期は菖蒲園のある地域によって前後するので、開花時期を見計り、開花情報を見て出かけるようにしましょう。

「花の名所案内 ハナショウブの名所」http://www.hanazakura.jp/hanasyoubu/index.htmlでは、全国の花しょうぶの名所が紹介されています。各菖蒲園について見ごろの時期や園内の情報だけでなく、アクセスマップも詳しく紹介されています。菖蒲園について知りたいことがくわしく紹介されているので、とても参考になります。

全国の菖蒲園にはそれぞれにHPがあり、どれも開花情報などが充実しています。また、地方別の菖蒲園について詳しく紹介されたサイトも多数あります。いろいろなサイトでほしい情報を探してみましょう。菖蒲園ごとの見ごろ期間は1か月ほどありますので、いろいろな菖蒲園に足を延ばしてみるのもお勧めです。

まとめ

江戸時代に多く品種改良が進み、現在5000種以上品種があるといわれている花しょうぶには、同じアヤメ科の似た花もいくつかありますが、見分け方は実は簡単です。

花しょうぶの開花期間は一般的には6月ごろです。全国各地に菖蒲園があり、菖蒲園では花しょうぶが何万株も栽培されているので、花しょうぶの群生を楽しむことができます。雨天でもその美しさは損なわれません。

菖蒲園は広い敷地で、花しょうぶの周りに水が張られていることが多いので、汚れてもいい服装で出かけるようにしましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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