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岐阜県飛騨高山にはどんな伝統工芸品がある?5つの温泉地がある奥飛騨温泉郷とともにご紹介!

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岐阜県の飛騨高山には、古い町並みがあり、歩くだけでも歴史を感じさせてくれるスポットがあります。
その飛騨高山を代表する温泉地といえば奥飛騨温泉郷です。5つの温泉地がある奥飛騨温泉郷には、お土産を販売している温泉施設やホテルなどもあります。お土産物屋があっても、どんなものが伝統工芸品なのかによって選ぶ基準も変わってくるのではないでしょうか。
今回は飛騨高山の伝統工芸品と奥飛騨温泉郷についてご紹介します。

お土産に最適! 飛騨高山の伝統工芸品

・江戸時代からの歴史がある「一位一刀彫」

飛騨高山の伝統工芸品のひとつ目は「一位一刀彫(いちいいっとうほり」です。
この「一位一刀彫」は、イチイという木からつくられています。
イチイの木を使用していますが、木材は内側と外側で色が違います。
内側の方を赤身(あかみ)、外側を白太(しらた)と呼んでいて、一位一刀彫では表面に色を塗らず、赤身と白太それぞれの木目を生かした彫り物で、仕上げに彫跡を残すのが特徴です。
お土産物屋などでも販売されている置物や面、茶道具などがあります。
歴史自体は江戸時代から続いていますが、伝統工芸品として指定されたのは昭和50年で、地域ブランドに指定されたのは平成18年になります。
現在は令和の時代ですので、昭和や平成は古いといえば古いのですが、伝統工芸品に指定されたのは意外と近年であるともいえます。

・お盆や重箱だけではなく日用品もある「飛騨春慶」

突然の来客などでお茶を運ぶ際、木のお盆を使用した経験はありませんか。
なにげなく目に映ったお盆が、どこのものか気になるという方は、もしかするとそれは「飛騨春慶」のお盆かもしれませんよ。
自然のままの木目を生かした「飛騨春慶」には、お盆だけではなく、ボールペンや置時計といった日用品やピアス、指輪といったアクセサリーまであります。
慶長12年からの歴史ある伝統工芸品ですので、少し贅沢な日用品として購入してみるのもよいのではないでしょうか。

・飛騨さしこ

趣味で刺繍をされている方もいらっしゃるかと思いますが、それを職人レベルにまで高めたといっても過言ではないのが「飛騨さしこ」です。
正確に言うと、刺繍ではなく縫い付けですので全くの別物ですが、なんとなく刺繍のイメージが湧くのではないでしょうか。
また、刺繍の場合、表はきれいだけど裏はちょっと、ということも多いのですが、「飛騨さしこ」は裏面もきちんとした模様になっています。
そのため、リバーシブルで使用することもできます。
「飛騨さしこ」職人が一針一針ていねいに縫いつけますので、とても丈夫です。
その分、長持ちしますので、長く使用できる日用品として買ってみるのも良いのではないでしょうか。

・小屋名しょうけ

近所に知り合いの畑がある方は経験があるかもしれませんが、収穫した野菜などを良かったら持って行きなさいと差し出されたことはありませんか。
この時に、野菜を入れている籠のようなものが、もしかすると「小屋名しょうけ」かもしれませんよ。
「小屋名しょうけ」は、高山市の小屋名地区に伝わる竹細工で、升受(しょううけ)がなまってしょうけになったといわれています。
主に台所用品として使用され、口のある片口しょうけと口のない丸じょうけという種類があります。
つくるのにはかなりの技術が必要とされており、長い歴史がありますので、日常的に使用しているものとはいえ、伝統工芸品であるといえます。

・円空彫

円空とは、江戸時代にたくさんの仏像を彫り、歌人としても知られた修行僧です。
さすがに江戸時代の人が現在まで生きているということはありませんが、その彫りの技術を現在にまで伝えているのが「円空彫」です。
荒彫と仕上げ彫だけという一見簡単な彫り方に思われますが、その技術習得にはかなりの時間を要します。
また、荒々しさが残る彫り方が好きな人のための入門書なども販売されています。
将来的に仏像を自分の手で彫りたいという方は、まず飛騨高山で「円空彫」の仏像と対面してみてはいかがでしょうか。

奥飛騨温泉郷とは?

飛騨高山には前述した通り、たくさんの伝統工芸品があります。
伝統工芸品を探しつつ、温泉巡りをしてみるのも悪くはないでしょう。
飛騨高山には、奥飛騨温泉郷と呼ばれる5つの温泉地があります。
それぞれ特徴がありますので、ご紹介させていただきます。

・平湯温泉

「平湯温泉」は、奥飛騨温泉郷の入口といってもよい温泉地です。
平湯バスターミナルがあり、足湯や手湯が点在しています。
また、共同浴場やたくさんの湯船が楽しめる温泉施設、のんびりとした時間が過ごせる旅館などもあります。
なかでもおすすめは、「はんたいタマゴ」という温泉卵で、黄身が固まっているのに白身が半熟となっているものです。
「平湯温泉」に来たら食べておきたい一品です。

・福地温泉

「福地温泉」は、「平湯温泉」からバスで十数分のところにあります。
周辺は山に囲まれており、温泉旅館が並んでいるところもあります。
日帰りできる温泉は少ないのですが、展望が素晴らしところや川沿いの温泉などもあって、ワイルド感が味わえます。
また、朝市でも知られており、新鮮な奥飛騨の野菜なども購入できます。
「昔ばなしの里」という施設があるくらい、本当に昔話の世界に迷い込んだような神社や木々があり、散策するのが楽しくなります。

・新平湯温泉

「新平湯温泉」は「福地温泉」からさらにバスに乗ってすぐのところにあります。
高山市内の古い町並みほどではありませんが、昔ながらの建物があり、周辺には雄大な山々が見えています。日帰りできる旅館だけではなく、リーズナブルな料金で宿泊できるゲストハウスもあります。
壮大な景色と歴史ある建物に癒されますので、奥飛騨温泉郷を巡る際には「新平湯温泉」で1泊してみるのも良いかもしれません。

・栃尾温泉

「新平湯温泉」と「新穂高温泉」の間にあるのが「栃尾温泉」です。
「新平湯温泉」からは、徒歩でも行けます。
近くに川が流れており、雄大な流れを見ながら散策することもできます。
川沿いには、周辺の景色を眺めながら入れる共同露天浴場があり、リーズナブルな料金で解放感あふれる温泉が堪能できます。
ただし、見晴らしは良いものの、脱衣所以外は天井がないので、天候によっては入浴できないこともあります。天気予報は確認しておいた方がよいでしょう。

・新穂高温泉

奥飛騨温泉郷の終点ともいっていいのが「新穂高温泉」です。
新穂高といえば、二階建てのロープウエイです。
特に冬は、ロープウエイから見える雄大な雪景色が、自然の大きさと人間というものの小ささを気づかせてくれます。
新穂高はこのロープウエイで知られていますが、温泉があることは意外と知られていません。
ちょっとした疲れを癒す足湯から、共同浴場、ホテルや旅館の温泉まで、いろいろな種類があります。
ただし、共同浴場は「栃尾温泉」と同じく天候によっては入浴できないところもありますので、事前に天気予報は調べておきましょう。

いかがでしたか。
飛騨高山の伝統工芸品と奥飛騨温泉郷についてご紹介させていただきました。
伝統工芸品なのに「さるぼぼ」がないと思われた方がいらっしゃるかと思いますが、また別記事にてくわしくご紹介させていただきたいと思います。
今回の記事で、飛騨高山にこんな伝統工芸品があるのだと知っていただき、訪問した際のお土産選びの参考になれば幸いです。

プロフィール
小井 明日香(こい あすか)
福岡県生まれ
温泉シニアマイスター
温泉が好きすぎて大分県別府市に移住。
年間に温泉を何湯巡っているのかよくわかっていない。
たまに数えてみるとその数に自分が一番驚く。
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