縫い方

糸きりはさみ

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裁縫で糸を切るときに使われるはさみ。握り鋏とも呼ばれるU字型のものと、X字型の洋はさみが主流です。

握りはさみは「和はさみ」と呼ばれますが、日本が発祥ではありません。
一番古いはさみはU字型で紀元前1000年頃の古代ギリシャの時代の物が発掘されています。6世紀ごろ中国を通して日本に伝わりました。
その後X字型の用はさみが世界的には主流になりますが、日本だけが握りはさみの形を残し現在にまで使用しているため、「和はさみ」と呼ばれるに至りました。
同時に東洋で一般的なX字型の糸きりはさみも現代では良く愛され使われています。

糸きりはさみの種類

その形状から3種類に分かれます。

【U字型の握りはさみ】thread snips
その形は一枚の薄い金属の両端に刃を作りU字に曲げられています。
金属が元の形に戻ろうとする性質がばね状態になり、針を切るときに力を加えるという使い方をします。当時の形をそのままに残した糸きりはさみはその加工技術の精密さから高価です。
握りはさみも進化を遂げており、現在よく見られるのは学校教育でもよく使われる手元がプラスチック製で先端のみに刃が付いているものでしょう。
昔ながらの握りはさみとは違いますが使い方は一緒で、糸を切るときだけに手先を動かすその手軽さも細かい作業時には使い勝手が良いとされています。
日本でよく使われているので和はさみと呼ばれていますが欧米では『thread snips』として、はさみとは別の名称です。しかしその用途から実質的にははさみの一種として扱われています。

【X字型の洋はさみ】embroidery scidders
欧米ではこの形が一般的で『embroidery scissors』と呼ばれています。8〜13センチほどの小さなサイズでヴィンテージ風の物やモダンなものまでデザインは豊富です。日本でもこの形の糸きりはさみは低価格で手軽で好まれています。そしてX字の構造はそのままに、用途によってその形がいくつかあります。
・ストレート型:ハンドル部分から刃先まで真っ直ぐになっているごく一般的な形。
・カーブ型:ねじ部分から刃先に向かって湾曲している形。刃先が浮いているので、糸を切りながら布を一緒に切ったりするリスクがなく、切りたい糸のみによりポイントを集中できる。
・ダブルカーブ:ハンドルとねじ部分の間が緩やかなS字カーブになっています。フープなどに取り付けていると作業がしづらいことがありますが、このダブルカーブ型だとはさみの角度を変えずに使用できます。

【U字とX字の混合型】squeeze scissors
金属の片方に刃を作り、もう片方の端に向かって湾曲に加工したものをX字に重ねた形のものです。
その形だけ見ると洋はさみのようですが、金属の弾力性を利用してはさみの開け閉めを行う構造はU字と同じ仕組みです。
握りはさみや洋はさみに比べて流通していませんが、刃先が小さく力も必要としないため、とても小さな作業時には重宝します。

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。
複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。
日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
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