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ナスカの地上絵と新発見168点とは

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ナスカの地上絵とは

南米ペルーの首都リマから南へ400 km離れたところに広大なナスカ台地が広がっている。そこには、紀元前3世紀〜紀元後16世紀に描かれた巨大な地上絵が刻まれている。
地上絵は動物や幾何学模様などで、すべての図柄は一筆書きで描かれている。図柄の全長は10?300 mと大小さまざま。これだけ大きな図柄の全体像は、上空からでしか把握することができず、宇宙人が描いたとされる説や、ナスカ人の飛行技術があったとされる説など色々な説が唱えられている。誰がどのような目的でどのように描いたかなど、いまだに多くが謎に包まれている。1994年に世界文化遺産に登録され、南米で人気の観光スポットとなっている。

山形大学による新発見168点

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2022年の12月に新たに168点の図柄が発見された。この新しい発見は、山形大学の坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)らの研究グループによる。山形大学は、過去の功績からナスカ台地での学術調査をペルー文化省から正式に許可された世界で唯一の研究チームである1。発見された地上絵には、人間の他にネコやヘビなどの動物が描かれており、紀元前100年〜紀元300年頃のものだと考えられている。
研究グループの坂井正人教授は、発見された地上絵について「今回出てきた地上絵は非常に可愛いらしい。」と述べている2。発表された地上絵には、目がぱっちりとしたおかっぱの人や喜ぶアフロヘアの人のような絵も発見された。

AIによる地上絵の発見

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研究グループは、これまでに人工衛星画像や3Dスキャナなどの先進技術を活用して調査を進めてきた。2018年よりIBMコーポレーションとの共同研究により人工知能(AI)を導入することでより詳細に地上絵の全体像を把握することに成功した3。研究グループが発見した地上絵は、今回の168点を含めて計358点に上る。

地上絵の保護

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こうしたナスカ台地の地上絵は、遺跡公園内で行われている鉱山関連施設の開発作業が拡大されていることで、破壊の危機にさらされている。山形大学は、今回の研究成果から地上絵の分布を正確に把握することで、ナスカ地上絵の保護活動に利用していきたいと考えている。また、絵柄の分布パターンを知ることで、制作目的の解明にもつながるとしている。

ナスカの地上絵観光

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ナスカの地上絵はミラドール(展望台)という展望台を通して、地上から見ることができるものもある。全体像を味わうためにはセスナ機での遊覧飛行が人気。首都のリマから日帰りや1泊2日で行くツアーもある。
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