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ワインボトルの形はどうして違うの?底のへこみは何のためにある?

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ワインには多種多様な形のワインボトルがありますが、ヨーロッパでは産地によって違います。実はワインボトルの形状には、様々な理由があるのです。今回は「ワインボトルの形の違い」と「底がへこんでいる理由」を解説します。

ワインボトルの形状と底のへこみの名前

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ワインボトルの形には「ボルドー型」や「ブルゴーニュ型」などがあります。ボルドー型のボトルは肩の部分が張った「いかり肩」で、ブルゴーニュ型は首が長い「なで肩」です。ワイン造りは歴史的な産業なので、主産地であるフランスではワインの性質に合ったワインボトルが作られてきました。底にへこみがあるワインボトルも多く、底がへこんだ部分を「パント」または「キックアップ」と呼びます。ワインの歴史や文化に敬意を表し、産地の個性を残すためにボトルの形状は変化していません。つまりワインボトルの底がへこんでいる理由の一つは、伝統的なデザインとして美的価値を重要視しているからなのです。

特徴的な形状は澱などの沈殿物を集めるため

実はデザインだけでなく、機能的な理由もあります。具体的には「沈殿物が注がれないようにするため」です。長期間ワインを熟成させると、タンニンやポリフェノールなどの成分が澱となり、底に沈殿する場合があります。澱を飲んでも害はないですが、苦味があり、舌触りもよくありません。澱は底にある窪みに留まっていくので、ボトル内で舞い上がりにくくなります。したがってワインを注いでも、澱がグラスに入ってこないのです。とくに澱がたくさん出る長期熟成型のボルドーワインは、肩の部分に澱が溜まりやすい「いかり肩」の形状が好まれています。

「ウォーターハンマー現象」の防止

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底にへこみがある他の機能的な理由は、「ウォーターハンマー現象を防ぐため」です。ウォーターハンマー現象とは、流速の急激な変化によって内部の圧力が激変し、大きな衝撃を与える現象のこと。一般的なワインボトルは口が小さく、底が大きいです。もし底が平らなボトルをテーブルに強く叩きつけるように置いてしまうと、底の面積に相当する衝撃がワインの中を伝わり、口の部分に大きなエネルギー負荷を与えます。実際にビール瓶を勢いよくテーブルに置くと王冠がスポンと抜けることもありますが、こういった現象を防止するためにエネルギーを分散できる形に工夫されているのです。

ワインボトルの底がへこんでいる他の理由

他にもワインボトルの形状には、複数の説が存在します。例えばテーブルに置いた際の「安定性を保つため」。底が平らな瓶は、転倒しやすく不安定だからです。またボトルのくぼみに親指を入れれば、注ぐときに安定性が向上します。さらに工場での充填工程でベルトコンベアの突起に保持するためとも言われており、ワインボトルの形は最適化されているのです。

まとめ

今回はワインボトルの形に関する豆知識を紹介しました。ワインを楽しむ際には、ボトルの形状にも着目してみてはいかがでしょうか。
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