ガーデニング

花言葉は華麗、移り気!夏の女王ダリアは夏がちょっと苦手!?

関連キーワード

夏と言えば、ダリアと言うくらい、夏らしい花です。
花名のダリアは、スウェーデンの植物学者アンデシュ・ダールの名前から付けられました。
日本には江戸時代にオランダ人が持ち込み、実は古い歴史のある夏の花です。
江戸時代の家庭の庭先に良く植えられていた花なのです。
その夏の女王とも言われるダリアの魅力と育て方をご紹介します。

ダリアは日本名ではなんと「天竺牡丹」

そんな江戸時代に日本にやってきたダリアは、日本では「天竺牡丹」と呼ばれていました。
日本に昔からある牡丹の花のような華やかさを持っているからでしょうか。
さて、そんな「華麗」な花と言う印象があるダリアですが、ダリアの歴史には別の花言葉にまつわる歴史があります。
大のダリア好きだった女性にまつわる歴史のお話です。

盗まれたダリアにまつわる、ダリアに魅了された女性達の逸話

それは、ナポレオン一世が愛してやまなかったフランスの皇后「ジョセフィーヌ」にまつわる話です。大のダリア好きの「ジョセフィーヌ」は珍しい品種のダリアを咲かせるのがとても自慢でした。そして、誰にもその珍しいダリアの球根を渡さず、一人で美しいダリアを楽しんでいました。独り占めしたいほどまでにダリアの美しさに魅了されていたのです。

そこに、侍女が皇后「ジョセフィーヌ」の大事にしていたダリアを盗んでしまい、自分の庭に持ち帰って見事なダリアを咲かせました。それを知った「ジョセフィーヌ」は、それをきっかけにダリアへの興味を失っていったというダリアにまつわる逸話です。

ダリアのもう一つの花言葉は「移り気」と言われ、まさにこの歴史的事実を物語っったかのような花言葉になっています。ダリアの美しさを独り占めしてしまったけれど、他人の手にそれが渡ったことで、一気にダリアへの気持ちも冷めてしまったというちょっと悲しい話です。

そして、侍女の立場から言うと、危険を犯してまでダリアの花を咲かせたのです。ダリアの持つ華やかさゆえに巻き起こった女性同士の嫉妬のような気持から起こった出来事のようにも見えます。それほど美しいダリアは身分に関わらず誰もが手に入れたがったものだと言えます。

ダリア独特のダイナミックな花の雰囲気や沢山の色、花の形など、それらすべてがダリアに魅了される人々を多く作り出しています。

ダリアの花の大きさは最大30cm以上にも

日本名「天竺牡丹」と呼ばれるように、ダリアの花の大きさはポンポンダリアと呼ばれる5cm位の大きさから超巨大輪と呼ばれる30cm以上の大きさまであり、「牡丹」のように大きいことが日本人には印象的に受け止められたのではないでしょうか。

ダリアの中で一番巨大な花を咲かせるのは「エモリーポール」「ジョージウイルソン」「必勝」などという品種です。巨大輪は、花の形は八重咲きで、幅広の花びらをしていて先端のとがった舌状花が重なり合って丸く盛り上がった形状のダイナミックな花となります。小さな球根から巨大なダリアの花が咲いた瞬間は感動に値する大きさだと言います。球根を植えて1年で巨大な花を見る事ができますので、ぜひこの感動を味わってみませんか。

また、ダリアの花型も実に多彩で、シングル咲きやボール咲き、ポンポン咲き、コラレット咲き、代表的なデコラティブ咲き、大輪のカクタス咲きなど10数種類もある多様な花の形が改良を重ねて作られています。
沢山の色と多彩な花型で、それぞれが魅力的で異なる雰囲気を持っています。同じダリアなのに品種によってこんなに表情を替える花もないかもしれません。多くの人を惹きつける理由がわかります。これを見ているとダリアの愛好家たちも「移り気」になる気がしませんか。

日本人ならではのダリアの楽しみ方「花火シリーズ」

 また、ダリアには中輪で切り花用の「花火シリーズ」というシリーズの品種があります。ダリアの花って、華やかであでやかで夜空に花咲く「花火」のような雰囲気を持っていますが、実際に「花火シリーズ」には沢山の品種が揃っています。「真夏の花火」「紅玉の花火」「黄金の花火」「ばらの花火」などと名付けられた品種があり、すっとした茎から一輪の中輪の花が鮮やかに咲きます。 中輪の花の中に色のグラディエーションがあり、花火のように濃淡が見られるのが特徴です。パッと打ちあがって色が開く様子がそのままダリアの花になっていて、日本人らしいダリアの楽しみ方ではないでしょうか。

色のバラエティーがチューリップ並の色の魔術師ダリア!ない色は青色と緑色

ダリアの色と言うと何色を思い浮かべますか。
チューリップバラと並んで色が多いのがダリアの特徴でもあります。
夏の鮮やかな元気な色のイメージが強いダリアですが、赤色、オレンジ色、黄色、白色、ピンク色、藤色、牡丹色、紫色などほとんどの色が揃っています。しかし、それでも、やはりない色は青色と緑色のダリアです。そういえば、確かに考えてみると見たことがありません。

また、大きさも木のように大きく育つのでその高さから「皇帝ダリア」、チョコレートの香りのするチョコレート色をした品種など、ユニークなものもあって多種多彩です。

最近人気の黒いダリアの魅力「黒蝶」

実はこれだけ種類も多く、永く親しまれてきたダリアは、日本では明治、大正時代から一般的に栽培されるようになって普及したと言われます。そして、大正10年に「日本ダリア会」が発足。と言っても、実は1970年代には一度ダリアの人気がなくなってしまったことがありました。

そして、そんな際に誕生したのが1990年半ばに登場した黒いダリア「黒蝶」です。新しいダリアの魅力の世界を作ったとも言えます。
この「黒蝶」と呼ばれるおしゃれな雰囲気の色のダリアのブーケは、大変人気になっています。
ダイナミックな美しさで大人な雰囲気を造り上げています。何とも言えないおしゃれな色も人を惹きつけ、ダリアだけで絵になるブーケができてしまう不思議な魅力を持っています。

夏の花ダリアは実は夏に弱くてデリケート

そんな沢山の種類があって人を多く魅了するダリアの美しさですが、実は夏の花なのに暑さに弱いのも特徴です。夏になると暑さで株全体が弱ってしまう事があります。ぐったりして花がつぼみのまま枯れたり、花色が悪くなったりして咲かなくなります。

ダリアの夏バテというものです。そこで、そんな際は根元から30~40cmで茎を切り戻してあげます。つまり、初夏の花が一段落した所で、そこで一端切り戻しをしてあげることが大事です。思い切って暑い夏を休ませてあげると、秋になって再び花を咲かせるようになります。

また、ダリアの太い茎の空洞にも水がたまると腐るために注意が必要です。茎を切り戻す場合も節で切るか切り口をアルミホイルで覆い、茎から水が入らないように注意しなければなりません。

原産地のメキシコの野生のダリアを求めて

そのダリアの原産地はメキシコなのですが、メキシコは高地のため、日差しは好きですが、夏の涼しい気候を好むというのが実はダリア本来の育て方なのです。
ということで、ダリアはメキシコ原産の花で、メキシコの国花にもなっています。

「野生の原種ダリアを求めてのツアー」などに行くと、原産地メキシコではピンクの大きな花を満開に咲かせた6m位の高木「皇帝ダリア」を見ることができます。これぞ野生のダリアという姿が見られます。

夏の女王ダリアの魅力についてのまとめ

様々な種類のダリアがあることをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
まさに色の魔術師とでもいうべき美しい色、そして多彩な花びらが揃っているのがダリアです。永年にわたり愛され品種改良され、こんなにも沢山のダリアが誕生しました。

最近新しく人気のダリアも登場し、新たにダリアの美しさが再発見されたとも言えます。まだまだこの多彩な美しさは人を飽きさせることなく、「移り気」にさせることなく「華麗」な魅力で人を惹きつけていきそうです。

育て方としては、くれぐれも夏に気を付けて夏の女王を大事に扱ってもらえればと思います。

植物を探す

花の名前
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ