種類が豊富なダリアには花言葉もいろいろある

ダリアは花びらや花の形も多彩でバリエーションに富み、花色も豊富で、小輪の花径が10ｃｍ前後に対して、花径が30ｃｍ以上ある超巨大輪まで、花の大きさも様々です。
草丈も、70ｃｍ以下の矮小種から、皇帝ダリアのような5mを超えるものまで存在しています。
ダリアの種類の豊富さ、太陽の光を浴びてキラキラと輝くように咲き誇る姿から、「華やかな恋」の花言葉がつけられました。

非常に背が高い皇帝ダリアの花言葉は、簡単には手に入らないことから「乙女の真心」の花言葉がついています。

黒いダリア「黒蝶」の独特の深い花色とベルベット調の艶やかな花びらの質感に魅了される人は少なくありません。
誰もが魅了される「黒蝶」には、その花姿にふさわしい「優雅」「威厳」「華麗」「感謝」の花言葉がつけられています。

ダリアは日本には、江戸時代末期にオランダから持ち込まれ、明治～大正にかけて盛んに栽培され、1921年に「日本ダリア会」が設立されました。
1970年頃にはダリアの人気が国内では急速に衰えて、日本ダリア会の活動も休止状態でしたが、1990年に発表された黒いダリア「黒蝶」でダリア人気が復活しました。

ダリアの球根は4月ごろに植え付け、7～10月頃まで次々と花を咲かせていきます。
ダリアの球根は、でっぷりしたお芋のような形をしていますが、先端の細くなっている部分が芽になっていて、ここが欠けると大きな球根でも芽が出てきません。

ダリアは深さのたっぷりある鉢で、日当たりの良い場所で育てます。
花が咲いてからは毎週液体肥料を与えるか緩効性化成肥料を毎月株元にまいて、しっかり肥料を与えることで次々と花を咲かせることができます。

ダリアは普通の培養土か、赤玉土に腐葉土を半量ほどブレンドした土がおすすめです。
表面の土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。

ダリアは球根で育てるのが一般的ですが、花からも種が採れ、種からも栽培することが可能です。
春に種まきすると、種は1週間くらいで発芽し、その年の夏～秋にかけて花が咲き、花後に茎が枯れるまで育てると、球根も取れます。

育てているダリアの花から種を採らなくても、種も市販されているので、球根からではなく、種からのダリア栽培にチャレンジすることも可能です。
ダリアの種をまいたときは、種の上に5ｍｍくらい土をかぶせます。

ダリアは球根植物で、原種はメキシコからグァテマラにかけて15種類が分布していました。
アステカ帝国ではダリアは神聖な花として広く栽培されていて、花茎がストローのように筒状になっていることから「アコクトリ（水笛）」と呼ばれていました。

ダリアの欧州における栽培がはじまったのは、1789年にスペインのマドリード植物園に移送されたのがはじまりで、美しい花姿に誰もが夢中になり、世界中で品種改良が次々となされていきました。

ダリアの園芸品種は3万種と言われていて非常に多品種です。
一重咲きや八重咲き、万重咲き、ポンポン咲き、丁字咲きなど、咲き方のバリエーションも豊富です。
世界中で愛されているダリアなので、世界各国にダリア協会があり、アメリカ・ダリア・ソサエティが花の形や大きさなどで16種類に細かく分類した分類がわかりやすく、日本国内でも用いられています。

ダリアは、原産地のメキシコでは、食用の球根も栽培されています。
ダリアの球根を食べ慣れない人が大量に食べると、腸内にガスが溜まってお腹がパンパンになってしまうことがあるため、ダリアの球根は有毒と考えられたこともありました。

日本でも近年、ダリアを食用にする試みがなされていて、球根はれんこんに似た触感があるので、きんぴらなどで食べられ、花は食用菊と同じようにエディブルフラワーとして活用できます。

ダリアの原産地がメキシコ高原なので、ダリアは日本の夏の暑さに弱く、東北地方や北海道などの寒冷地のほうが暖地よりも栽培がうまくいき、花もきれいな色で咲かせやすくなります。

監修：きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。