仏像

【後編】枝分かれは宗教の常?派生する真言宗・十八山編

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信貴山真言宗

聖徳太子の時代に建てられた朝護孫子寺が総本山。四天王のリーダー毘沙門天が「物部氏との戦いに勝てるよ」と夢の中でお告げをした、との伝承があります。

真言宗中山寺派大本山

聖徳太子により建立された中山寺。安産祈願で知られており、中々跡継ぎに恵まれなかったとよ飛び秀吉がここで祈願した途端、秀頼公を授かった、とされます。幕末には明治天皇も祈願の果てにご誕生。ご利益半端ないです。800体以上の羅漢像がありますが、これでも最盛期より少ないんだとか。

真言三宝宗大本山

清澄寺が大本山。日本で初めに荒神(火の神様)のおわすところと宇多天皇が宣言したことから、荒神を祀るお堂などがあります。

須磨寺派

福祥寺が大本山。源平合戦に関わる品が多く奉納。十一面観音像なども有名です。ここまでが、古義と呼ばれる教義です。正松尾芭蕉や正岡子規なども、源平にまつわる句を寄せています。

真言宗智山派

名前が示す通り、学び舎として大いに機能し、名僧を多数輩出。

真言宗豊山派

奈良時代、天武天皇の病気を治すため建てられた長谷寺を総本山とします。また『源氏物語』や『枕草子』などの古典文学にも多く登場。

新義真言宗総本山

根来寺が総本山。僧侶の堕落で真言宗も消滅の危機を迎えたようですが、覚鑁による立て直し派と「このままでいいよ」の保守派が対立、覚鑁たちは山を下りたとされます。新義の始まりともいえるお寺です。

真言律宗総本山

西大寺が総本山。室町時代に焼けていますが、焼け残った四天王像などが国宝に指定されています。

真言律宗大本山

宝山寺が大本山。鎮守のため作られた大聖歓喜天像が、大阪商人に商売繁盛の神として祀られるようになり、今も商売繁盛を願う参拝客は多いようです。元はガネーシャですからね。

まとめ

ほとんどお寺の紹介になってしまいましたが、各寺の特色の違いから、何とはなしに性格の違いのような物が垣間見えては来ないでしょうか?
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