日本酒

みりんでも超有名な「宝酒造」が手掛ける人気酒「松竹梅」の歴史とは

関連キーワード

テレビCMや雑誌などの広告でもお馴染みの宝酒造さん。スーパーなどでも宝酒造さんの商品を見かけると言う人は本当に多いかと思います。
そんな宝酒造さんで醸造されている日本酒の銘柄「松竹梅」は今も昔も多くの人に愛され続けていると言っても過言ではない有名で人気もある銘酒。今回は、そんな宝酒造さんと「松竹梅」の歴史、ラインナップなどを紹介していきたいと思います。

はじまりは伏見の地

宝酒造さんの始まりは1842年、京都伏見の地からでした。冬場に清酒を、夏場に甘酒を醸造していた当時は、その後酒造業を一時休止、しかし1864年には再興をはたしお酒だけでなくみりんや焼酎の醸造へも力を入れていくこととなります。この時商標登録された「寶味淋」は東京市場において他社のみりんを圧倒し、1913年には宮内庁御用達にも選ばれたとか。その後は今の焼酎の原型でもある「新式焼酎」の開発の末「寶焼酎」を世に送り出し、こちらも絶賛の嵐を巻き起こすこととなったそうです。

四方合名会社から寶酒造として心機一転スタートを切ると、その後は日本酒造りへも再度取り組んでいきます。そうして1933年、灘の酒造家である井上信次郎さんを支援するため「松竹梅酒造」を確立、当時のほかのお酒よりも倍以上違う値段で売り出したことから話題となり、「まぼろしの銘酒」と知名度を集めたそうです。

戦時中は満州に松竹梅酒造を設置したものの、戦後は接収されたほか、国内の工場は荒廃したこともあり窮地に立たされることなった寶酒造さんこと現在の宝酒造さん。しかし酒類の自由販売が許可されると安価な焼酎の需要が高まったことで注文が殺到、その後は焼酎のトップブランドとして名をはせることとなります。一方で、続く高度成長期に入ると生活水準が向上したことで焼酎の需要が低迷、国産ウイスキーなどの販売に力を入れながらも、みりんの減税運動に積極的に取り組み、一般家庭への普及にも一躍買っていたそうです。

その後ビール事業は撤退の途を辿りましたが、スコッチウイスキーや紹興酒の導入は成功、バイオ事業へも取り組むなど、さまざまな事業を展開してきた宝酒造さん。海外への進出も果たしていますし、今後も日本を代表する企業としての活躍が期待できますね。

よろこびの酒「松竹梅」への思い

先述したように、「松竹梅」はもともとは灘の酒造家である井上信次郎さんを支援するために確立された「松竹梅酒造」で醸造されていました。時代の流れで衰退へと追い込まれそうになったこともあった日本酒ですが、現在ではいろいろな銘柄が日本中、世界中で愛されるまでに発展してきています。宝酒造さんが手掛ける「松竹梅」ももちろんその一つで、実は「松竹梅」の台頭は寶酒造さんの復興の柱にもなったとか。

と言いますのも、1960年代、当時の寶酒造六代目社長大宮隆さんはビール事業の撤退を踏まえ、「松竹梅」を経営のひとつの柱として事業構想の改革を進めることを決意したそうです。その一環として「松竹梅」を「慶び(よろこび)の酒」としてイメージ変革を果たし、竹型の樹脂容器に入れた形で販売すると大ヒットを記録することとなります。1970年には大俳優である石原裕次郎さんを広告宣伝として起用するなど、知名度の向上にも力を入れたようです。

実際に「松竹梅」は贈答用の日本酒として人気を博したと言われています。その後はアメリカをはじめとして海外への輸出も果たしており、名実ともに宝酒造さんを代表する商品となったと言えると思います。

「松竹梅」のラインナップは豊富!

現在宝酒造さんが展開している「松竹梅」はラインナップも豊富となっています。また、「白壁蔵」シリーズとして、伝統的な手法と最新の設備を駆使して醸造されている日本酒も定評があるようです。その中からいくつか紹介していきましょう。

「上撰 松竹梅」・・・軽い口当たりと滑らかな味わいが楽しめる「松竹梅」。冷酒でも燗でも楽しめます。

「特選 松竹梅 純米大吟醸」・・・精米歩合45パーセントまで磨かれたお米を原料にじっくりと醸造した一本。上品な吟醸香と柔らかい口当たりが特徴の、高級感あふれるパッケージも魅力なお酒です。

「松竹梅 白壁蔵 きもと純米」・・・伝統的なきもとづくりで仕上げた純米酒。まろやかでお米の旨みが楽しめる柔らかな味わいが特徴のお酒です。

「松竹梅 白壁蔵 澪 スパークリング清酒」・・・メディアでの広告も多く、若い人にも人気なスパークリング仕立ての清酒です。優しい甘みが楽しめる通常のものと、切れのある口当たりが特徴の「DRY」があります。アルコール分4パーセントと、日本酒としては控えめなところも特徴のひとつです。

贈り物として、慶びの席での1杯として

日本人に広く親しまれている松竹梅という名を称された銘酒「松竹梅」。ぜひ「慶びの酒」ならではのお祝いの席での1杯として、贈答品として、そしてもちろんご自宅での至福の1杯として堪能してみてください。

ビールの失敗が成功の元!?一酒蔵から世界的企業に発展した『宝酒造』

京都伏見で製造されている日本酒の一つに「松竹梅」があります。
松竹梅は宝酒造が製造している日本酒で、全国津々浦々の酒屋さんやスーパーなどで見かけることができる、私たちになじみがある日本酒でもあります。

そんな松竹梅のコンセプトは、「よろこびの清酒」。この言葉には、宝酒造さんの熱い想いや長年の取り組みが込められているように感じます。ここでは、そんな宝酒造さんが長年にわたって作り続けている松竹梅について、その魅力や人気の秘密などをご紹介していきたいと思います。

宝酒造の歴史とは

1842年、京都伏見で一酒蔵としてその歴史の幕が開けた宝酒造さん。当時は甘酒や清酒の実の製造に力を入れていましたが、続く1864年、酒造の一時休業を得て、今度はお酒のほかにみりんや焼酎などの製造・販売を始めることとなります。ここから宝酒造さんは大きく発展して行くこととなったそうです。

1905年には従来の焼酎を凌駕するほど優れていた新式焼酎の製造をはじめ、これを販売すると、東京市場へも進出していくこととなります。
続く1916年には新式焼酎を原料とした新式のみりんの製造を開始し、世に送り出します。しかし順調であった東京進出も、関東大震災で東京工場が被災したことによって窮地に立たされてしまいます。しかし京都伏見にあった全商品を関東で売り出したことで、会社の名前はさらに浸透することとなったのです。続く1924年には、群馬県で工場を開設し、関東での営業を再開し、1925年には「寶酒造株式会社」へと改組されていきます。

大戦後は、焼酎やブランデー、ウイスキー、葡萄酒などの製造を始めています。ビールも一時期手掛けることがありましたが、結果ビール業界からは撤退することとなっています。

1968年に松竹梅の方向転換を実施し、慶祝路線の日本酒だということを浸透させると、1970年には研究開発を本格的に始動、ブナシメジの人工栽培は、世間に衝撃を与えたのではないでしょうか。続く1971年には、スコッチウイスキーや紹興酒なども事業に取りこむようになっています。

その後は様々な研究を続けるともに、世界に誇る酒造企業へと進化を続けていくこととなる宝酒造さん。様々な子会社を持つ一大企業でもあり、昔から人々に愛され続けている松竹梅を製造しつづける老舗の酒蔵でもあるのです。

松竹梅の実際のラインナップをご紹介

続いては、現在実際に販売されている、宝酒造さんが手掛ける「松竹梅」をいくつかご紹介していきましょう。

・松竹梅「白壁蔵」 純米大吟醸

酒造好適米である山田錦を100パーセント使用している、純米大吟醸です。純米大吟醸らしい、芳醇な香りとしっかりとした飲み口が魅力の人気商品となっています。普通のボトルのほか、720ml、2リットルのアンティークボトルでの販売もされています。

・松竹梅「白壁蔵」大吟醸

ろ過されていない、原酒でもあるこちらのお酒は、アルコール度数17パーセントながら飲みやすく、フレッシュな飲み口が楽しめる大吟醸となっています。

・松竹梅白壁蔵 山廃特別純米

酒造好適米である山田錦を100パーセント使用しているという、なんとも贅沢な作りの日本酒となっています。アルコール度巣が15パーセントで、ほんのり甘いけれどしっかりとした飲み口が特徴のお酒です。

・松竹梅「白壁蔵」 生もと吟醸

「生もと造り」という、日本酒の伝統的な手法で製造されているお酒です。すっきりとした味わいを楽しんでもらうために、冷やでいただくことが推薦されています。

・松竹梅白壁蔵「三谷藤夫」山廃吟醸

杜氏である三谷藤夫さんによる伝統的な山廃製造法で作られた、吟醸酒です。香り豊かでキリッとした飲み口が楽しめます。

・松竹梅白壁蔵「花のような」

「花酵母」という、桜の花から採取して精製した酵母で作り上げた吟醸酒です。華やかな風味と香りが楽しめる商品となっています。

・松竹梅白壁蔵「澪」

日本酒の新しいカタチといっても過言ではない、スパークリングの清酒となります。くどすぎない、さわやかな甘さと口ではじける微炭酸が楽しめる人気の商品です。女性にも人気です。150ml、300ml、750mlの3つのサイズ展開がなされているため、用途によって使い訳も可能です。

松竹梅以外の宝酒造の取り組み

宝酒造では、焼酎やチューハイ、梅酒などのほか、紹興酒や洋酒にも力をいれて、製造・販売業を行っています。もちろんかねてから取り組んできた、調味料としてのみりんの製造も今に至るまで展開されており、他にも料理酒なども販売されています。

宝酒造さんが「酒蔵」という枠組みを超えて、様々な事業を展開していく中でも、松竹梅は今もなお人々に愛されている日本酒にまま変わっていません。築き上げてきた信頼の厚さが、今の松竹梅の人気を裏付けしているのかもしれませんね。

様々なシーンで活用される松竹梅

いかがでしたか?
松竹梅は「よろこびの清酒」として日常における晩酌のほか、様々なお祝いの席でも活用されています。
樽での販売もされていますので、ぜひお祝いの席は皆さんで松竹梅を酌み交わしてみてください。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ