栃木を代表する銘酒「鳳凰美田」、その歴史と人気の秘密に迫ります
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画像出典:酒蔵 中野屋
栃木県小山市美田地区、美しい田園風景が広がる一帯に小林酒造さんはあります。
一度耳にすれば忘れられないような美しい名を持つ銘柄「鳳凰美田」を醸造し続けている小林酒造さんでは、最近は吟醸酒をベースとしたリキュールも手掛けているそうです。今回は、そんな小林酒造さんの歴史を振り返るとともに、「鳳凰美田」の人気の秘密にも迫っていきたいと思います。
栃木県の小さな蔵から始まった小林酒造
画像出典:酒専門店鍵や
創業1872年、小林酒造さんは明治時代から今の世まで銘酒を醸造し続けている老舗の酒蔵のひとつです。栃木県内で人口数第2位を誇るエリアでもある小山市の中で、豊富な水源に支えながら今もなお美しい田園が現存する美田という地帯で変わらず蔵を構えているという小林酒造さん。現在は生産石数が約1200石、その一方で十数年前には廃業も考えたという小さな蔵だったそうです。しかし蔵元の五代目と醸造試験場の元講師である奥様の誠意努力の甲斐もあって、その後「鳳凰美田」は全国的に大人気を博す日本酒へと発展していくこととなりました。そうして今に至るまで、秋田流山内杜氏の名人である杜氏と蔵人たちの手によって銘酒「鳳凰美田」は醸造されているのです。
地元に根付いた愛されるお酒と酒蔵をモットーに吟醸造りにこだわって醸造を続けているという小林酒造さん。日光連山の豊富な水源にも恵まれているこの地で、美しい地下水と田んぼからとれるお米を使用して作られる日本酒たちは、高い評価を得ているものばかりとなっています。また、現在は酒造好適米である山田錦や雄町も使用しているとのことですが、地元美田の地で栽培・収穫された「若水」や「亀の尾」といったお米もふんだんに日本酒造りに加えているのも小林酒造さんならでは。どちらも日本酒造りに使用している酒蔵はあまり多くはないようなので、ぜひ小林酒造さんのお酒をいただく際はそういったものも候補に入れ、検討してみてください。
「鳳凰美田」へのこだわり
銘酒「鳳凰美田」は、醸造過程におけるこだわりも深いものがあります。中でも「搾り方」には、小林酒造さんならではのこだわりが強いようです。と言いますのも、小林酒造さんでは「鳳凰美田」の過程において、「舟搾り」「しずく搾り」のどちらか2種類の上槽方法を採用しているとか。他の酒蔵では一般的に上槽において自動圧縮機という機械を用いることが多いのですが、この場合一気に絞り出すことができるので酸化を防ぐことができる一方で、圧が強いことからお酒にストレスがかかってしまうことがデメリットとして考えられています。
その点、「鳳凰美田」の醸造過程で活用されている「舟搾り」という方法は、時間をかけてゆっくりと圧縮していくため、より上質なお酒を作り出すことが可能であるそうです。また、布袋に入れて吊るし、自然に落ちてくる雫だけを取り出すという「しずく搾り」は、手間も時間もかかりますがその分品質・味ともに最高峰の日本酒を作り出すことができると言われています。
また、麹づくりに関してもこだわりは強い「鳳凰美田」。実際に、小林酒造さんでは、五層構造の麹室で厳しく温度管理をしながら麹づくりに励んでいるそうです。そのほか、低温発酵の際に必要なサーマルタンクを約20本設置していることからも、並々ならぬ酒への思いが感じられますね。ちなみにサーマルタンクはほかの酒蔵では1、2本設置していれば良い方だそうです。
その点、「鳳凰美田」の醸造過程で活用されている「舟搾り」という方法は、時間をかけてゆっくりと圧縮していくため、より上質なお酒を作り出すことが可能であるそうです。また、布袋に入れて吊るし、自然に落ちてくる雫だけを取り出すという「しずく搾り」は、手間も時間もかかりますがその分品質・味ともに最高峰の日本酒を作り出すことができると言われています。
また、麹づくりに関してもこだわりは強い「鳳凰美田」。実際に、小林酒造さんでは、五層構造の麹室で厳しく温度管理をしながら麹づくりに励んでいるそうです。そのほか、低温発酵の際に必要なサーマルタンクを約20本設置していることからも、並々ならぬ酒への思いが感じられますね。ちなみにサーマルタンクはほかの酒蔵では1、2本設置していれば良い方だそうです。
オリジナルリキュールも!小林酒造が手掛ける商品ラインナップ
画像出典:酒専門店鍵や
最後に「鳳凰美田」の数あるラインナップからいくつか紹介していくとともに、小林酒造さんが手掛けている「鳳凰美田」以外の商品もいくつか見ていきましょう。
「鳳凰美田 純米吟醸」・・・「鳳凰美田」シリーズの中でもスタンダードな商品。「五百万石」というお米を55パーセントまで磨き上げ、低温でゆっくりと醸しあげたこちらは、青いメロンのような爽快な香りと口当たりの良さが魅力。「鳳凰美田」の中でも安価な方にもかかわらず、うまみや香りのバランスは絶妙にとれている、コストパフォーマンスに優れた1本。
「鳳凰美田 純米大吟醸 磨き50」・・・最高峰の酒造好適米である「山田錦」を精米歩合50割で丁寧に仕上げた純米大吟醸酒。無駄な添加物は一切加えていないので、山田錦が持つお米のふくよかな旨みとフルーティーな吟醸酒が絶妙の1本。
「鳳凰美田 純米大吟醸 碧判」・・・麹に山田錦を、掛け米に五百万石を使用した純米大吟醸無濾過生原酒。マスカットのような吟醸香と爽やかな口当たり、自然甘さを味わえる至高の1本と言えます。
「鳳凰美田 吟醸酒仕込み ゆず」・・・「鳳凰美田」の原酒と厳選した柚子から作られた柚子酒。柚子の豊かな香りが楽しめる一方で、甘みと苦みがマッチした他にはない柚子酒と言えます。
今後入手困難になることも?
日本酒ブームもさながら、「鳳凰美田」は現在人気が高い日本酒でもあります。もしかしたら入手困難になることも考えられますので、ぜひ興味がある方は早めに一度召し上がってみることをおすすめします。