四字熟語

唯一無二

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この世で一つしかないもの、存在のこと。
他に同じものがなく、並ぶものがないということ。

由来

「唯一」も「無二」も「同じものは二つとない」という意味合いでほぼ同じ言葉です。「ただひとつで他にはない」とも言えます。この同じ意味の言葉を二つ掛け合わせることでさらに意味を強調してできたのが「唯一無二」ということばです。

もともとはこれ以上ないくらいに身分が高い存在、たとえば皇帝や王のようなもの、もしくは比べるものがないような存在、たとえば神や仏などを対象に使用していました。「唯一無二の存在」という意味だったのです。

意味の変遷

もとの「唯一無二の存在」として使われていたころは「絶対的な存在に対して崇める」という意味で使用されていました。宗教上のものであったり、権力的なトップであるものに対して崇めたてまつるということです。

しかしここ最近は使用法が大きく変わってきています。この唯一無二という言葉が心理学やカウンセリングで使われるようになってきており、そこでは「唯一無二な自分」を意識させているのです。
何かしら心を病んでいる人、悩み事が多い人、自分に自信を持っていない人はとにかく自分というもの、自分という存在を卑下しがちです。「自分なんか何もできない」「自分なんかがでしゃばってはいけない」「自分なんて価値がない生き物だ」と考えてしまうのです。そういった人に対して「あなたという存在はこの世に一つしかないもので、他に変わりがきくものではない」と伝えていくのです。一つしかない存在は貴重で貴いもの、かけがえのないものなのです。

自分が唯一の存在であると感じると他人と比べる、ということがなくなってきます。他人と比べないことで不必要な劣等感や自己嫌悪に陥ることを回避していく。自分という存在に自信を持っていく。それが近年カウンセリングなどで使用されている「唯一無二」の意味合いなのです。

このように「唯一無二」は「他と並ぶもののない存在」を表す意味合いから「他と比べることのないただ一つの存在」へと意味合いを変化させてきたのです。

使用法、使用例

「いやあ、君は赤ちゃんをかわいがっているね。一人っ子だよね?」
「自分にとってこの子は唯一無二の存在ですから」

類似した意味の四字熟語

ほとんどが似たような意味合いになります。
唯一無双・・・ただ一つの存在が一人勝ち状態である
無二無三・・・同じものが二つ、三つとないこと、並ぶものがないこと
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