ことわざ

好きこそものの上手なれ

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自分が好きでやっていることは、上手である。もしくは上手になっていくこと。
もしくは、自分が好きで行っているものは上達が早い。

由来

このことわざの由来は大きくわけて二つあります。

まず一つ目は安土桃山時代の茶道を確立したという千利休の戒めである、「器用さと稽古と好きのそのうちで、好きこそものの上手なりけれ」という言葉からきたというものです。道を究めていくには「器用さ」と「稽古(練習)」「興味を持っていること」の三つが必要であると述べ、その中でも一番大事なものが「好きであること」だと言っているのです。現在は「好きであれば上達する」というように軽い感じで使う言葉でもありますが、もともとは茶道の深い言葉だったのです。利休は「好きであれば続けることができる。好きであれば追求しようとする」ということを述べることでその利点を語っているのです。

もう一つの説は性行為における戒めから派生したというものです。このことわざでいう「物(もの)」というのは本来性交を意味し、好きになるというのはまず、性行為自体を好きになって楽しんで行うべきであるとします。行為自体を好きになることで上達もするし、新たな発見があるかもしれないということです。そして性行為を行う相手のことを好きになるということです。相手のことを好きになり大事だと思うことで性行為が上手くなり、技術面よりも精神面からより高みを目指していけるというものです。

そうして、性行為の戒めから生まれた「好きこそものの上手なれ」という言葉ですが、次の世代に継いでいくとき、わが子に教えていくときに内容的に直接伝えることが憚られ、遠まわしに「好きであれば色々と上達していくものだ」と伝えていかれたのです。そのため、本来の意味からは少し離れてはいっていますが、本質的なことは変わらずに現在に伝えられたというものです。

意味合い

人は自分が好きなものは熱心におこなったり、研究したりするので上達も早い。また、逆に下手なものは嫌いとは限らないのです。下手なのに大好きという人は「下手の横好き」といいます。

そこから、物事を上達しようと思ったら、継続的に続けていくためにも早く上達するためにも、まず好きでないといけないという意味合いで使うこともあります。この場合の対象は学問や趣味、芸術、仕事など多岐にわたり、分野を特定するものではありません。

使用法、使用例

「Bさんは絵がうまいな」
「休みの日は一日中絵を描いているらしいよ。まさに好きこそものの上手なれだね。」

類句

好きは上手のもと。道は好むところによって安し。

逆の意味のことわざ

下手の横好き。
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