ことわざ

猫を被るの意味・使い方

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意味

ある人が本当の性格を隠して、おとなしそうな表面で他人によく見せること。
また、あることがらを知っているにも関わらず、知らないふりをすること。

由来

猫は本来肉食動物であり、必要としている食べ物も動物性たんぱく質です。そのため獰猛で凶暴な面を持っている生き物なのです。しかし現在室内で飼われている猫などは非常におとなしいものが多く、餌を与えられるときなどは猫なで声で寄ってきます。こういった側面から、本性を隠しておとなしそうに振る舞っている様子を「猫を被る」と表現したのです。

また、もう一つの説は、藁などで編んだ大きなゴザ、むしろのことを「ねこざ(ねこだ)」といったというものです。同じく藁で編んだ笠を被るように、本性を隠したいときに被ったことからこう表現するようになったとされています。

猫を被るのはどういったときか

基本的に「人に良く見られたい」「人に良い人だと思われたい」というときに猫を被る状態になります。これは意識して行っている人も多くいますし、ほとんどの人が無意識のうちに行っていることでもあります。例えば自宅で一人でいるときと、初対面の人と会うときの自分の言動はまったく同じでしょうか?おそらく違うと思います。特に「初対面の人」「異性」の前でおとなしく振る舞う、上品に振る舞うということが多いようです。

また、本当の自分自身に自信を持てない人は猫を被ることがあります。自分の性格や言動に自信がないために人の前では、とにかく猫を被って良く見られようとするのです。あまり社交性や協調性、コミュニケーション能力に自信がない時はなおさらです。逆に少人数や付き合いが長い人の前ではある程度は素のままで振る舞うことができるようです。

意味の変遷

現在このことわざはあまり良い意味では使用されません。「良い子の振りをして」と本性を知っている知り合いなどから否定的に受け取られることが多いからです。
特に同性の前では乱雑に振る舞う人が異性の前で猫を被っていると強い非難を受けることがあります。
そしてそれがみんなに知られてしまうと「二面性がある」「裏表が激しい」と信用を失うこともあります。
社会人であれば仕事中とプライベートでは違う対応をするのは当たり前ですが、その相手や度合いにもよりますので、猫を被る際には注意が必要です。

使用法、使用例

「おい、見たか?あのいつもうるさい女が、おとなしく座っているじゃないか」
「イケメンが多く来ているから猫を被っているのさ。すぐにばれるのにな」
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