ことわざ

豚に真珠の意味・使い方

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意味

値打ちがわからないものに価値のあるものを与えても無駄だということ。

由来

真珠の価値がわからない豚に真珠を与えても豚にとっては何の役にも立たないところからできたことわざです。
もとは「新約聖書・マタイの福音7章6節」にある言葉で、「犬に聖なるものを与えてはいけない。豚に真珠を与えてはいけない。かれらはそれを足で踏みつけて、あなたがたに攻撃してくるだろう」とあるものです。
これは聖書においては犬や豚が不浄の動物、穢れたもの、食べてはいけないものとされているのが影響していると考えられます。このように動物に例えることわざは基本的には否定的に取られることが多くあります。

英語表現はもとの聖書の言葉です。
Cast[Throw] not pearls before swine.
(真珠を豚に投げ与えてはならない)

類似した意味のことば

「動物」に「価値があるもの」を与えても「意味がない」ということわざは数多くあります。「猫に小判」「犬に論語」「牛に経文」「馬の耳に念仏」「猫に石仏」「牛に説法馬に銭」などです。そしてそれらは大きく二種類に分かれます。「小判」「銭」のように金銭的な価値が高いものと「説法」「経文」のようにありがたいもの、徳が高いものです。これらの動物はそのどちらも理解できないとされて、多くのことわざができているのです。
また、何かしてやっても何の効果もないという意味としては「馬耳東風」などがあります。

意味の変遷

現在このことわざを使用するときはだいたいが「馬鹿にする」「蔑視する」ときであり、肯定的な意味で使用することはほとんどありません。もし誰かが着飾ったり、宝石などを身に着けていたりしたときに「豚に真珠」という表現をすれば、ただの悪口です。もし目の前で言われたりしたらその人は怒り出してしまうかもしれません。

たまに、「身に着けているものが似合っていない」という意味で使用してしまう人がいますが、これは間違いです。「その価値を理解できない人が価値のあるものを身に着けても無駄である」と受け取られるでしょう。そもそも他人を例えて表現するのに「豚」はあまりふさわしいものではありません。食材としては別ですが、例えられるには良いイメージはない生き物です。他人に対しては使用せずに自分が謙遜として使用するか、非常に親しい間柄でのみ使うようにしましょう。

使用法、使用例

「うわ、このコンピューターすごいな。俺にも使わせてくれよ。」
「おまえは機械オンチだろう。豚に真珠だ。触らないでくれ」
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