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「トクサ」は増えすぎると大変?

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トクサ」という植物を知っていますか。和風庭園などを目指すのにいい雰囲気の植物です。細い茎がスッと伸びている様子がすっきりとしていて変わっています。わびさびを感じることができるような和風の雰囲気になります。

料亭などでも見かけることがあるものです。

その「トクサ」を植える際に実は気を付けなければならないことがあります。ここでは「トクサ」を植える際の注意点についてご紹介します。

「トクサ」はそもそも何の仲間?

トクサ」はそもそもスギナ(つくし)の仲間です。日本でも中部地方より北で自生しているのが「トクサ」です。

スギナの仲間ということで、地下茎で横に伸びていくのが特性です。そしてその伸びた地下茎から細い茎がスッと出てきます。

茎は緑色で、表面は思ったよりざらついて固い特徴をもっています。また茎にはいくつかの節があるなど、とても特徴的な姿をしている「トクサ」です。この個性的な姿が和風庭園作りには人気があります。

トクサ」は、日陰でもやや湿った所でもよく育ちます。また、0度以上あれば育つのが「トクサ」なので下草としても重宝されます。

観賞用として細い茎が特徴的ですが、中には茎が黄色くなったり、斑入りになったりするものもあります。草丈も30cmから大きくなると1mにもなります。他にも高さ1.5mにもなる「プレアツム」などと言った大型種も別の種類で存在しています。

夏につくしと同じ綿棒のような形の胞子の付いた花をつけ、そこから胞子を飛ばすのが特性です。茎の節の所に袴のような葉っぱがありますが、ほとんど目立たないために細く長い緑色の茎を観賞するのが目的の植物と言えます。

「トクサ」の名前の由来が面白い

また、「トクサ」の名前の由来が面白く、茎がザラザラしているために昔は刃物を研ぐのに使われていたということから「砥草」といった名前が付いているようです。

茎を煮込んで乾燥させてそれを貼り付けてツゲの櫛などを磨いたりするヤスリ代わりに使われたりしていたようです。とても硬いのが特徴の茎ですが中は実は空洞になっています。

「トクサ」の繁殖力がすごい

ただ、この「トクサ」は繁殖力がすごいので植える前にしっかりそのことは知っておきましょう。地下茎でどんどん伸びていきますので知らない間に1年ほどでどこにでも伸びてしまうことがあります。違う場所で急にあちこちから茎が地上に出てくることが起きます。

庭に和風の雰囲気を出すのにはいいのですが、どこでも占拠してくるのは困りますよね。一度増えてくるとなくすのにも苦労するのが「トクサ」です。最初は仕切って植えても地下茎があり増えていきますので増えないようにするのも難しくなります。

増えすぎると手作業で一つずつ根ごと抜いていくことになるのですが、それでも地下茎が残っているのでまた生えてきます。除草剤をまいてもなかなかすぐにはなくなりません。増えすぎて困っているという人もいますので注意しましょう。

スギナも増えて困っている人も多くいますが、同じような状況になりますのでくれぐれも気を付けましょう。

それでも「トクサ」を楽しみたいという人のためにいい方法もあります。

「トクサ」を鉢で楽しんだり、鉢ごと庭に植える方法も

あまりに繁殖力が強いので鉢で楽しむのもいい方法です。鉢で盆栽のように楽しんでみても落ち着いた雰囲気でいいでしょう。

また、鉢ごとそのまま庭に植えて楽しむ方法もあります。玄関脇のアプローチの壁際に植えてみたりするといいでしょう。高さが出てきても壁際ならばいいですよね。背が高くなることを利用して玄関などの目隠しに植える人もいます。

また、鉢ごと庭に植える場合には注意するポイントがあります。鉢の底からも根が出ないように工夫しましょう。鉢底に穴があいていないものを選ぶことが大事です。とにかく地下茎が地面に伸びていかないような工夫をしましょう。

トクサを剪定するには?

また、「トクサ」は30cm〜1mと長く伸びる茎を鑑賞するのですが、その茎を剪定したいと思った場合にはどうしたらいいのでしょうか。古くなってあまりきれいでなくなった茎に代わって5月頃に新しいきれいな瑞々しい茎が生えてきます。

その際に、きれいでなくなった茎は繁殖力が大きいので切っても構いません。上手に新しい茎と世代交代させてもいきましょう。あまりに汚くて古い茎が多くなった時は、5月に新しい茎が出る前の2〜3月に一斉に切ってしまって新しい茎だけにするのもいい方法です。できたらいつも緑の茎がきれいであるようにしたいものです。

特性を良く知って個性的な「トクサ」を楽しんで

いかがでしょうか。見た目から変わっている「トクサ」は、育て方は簡単ですが、増えすぎると問題にもなってしまいます。

最初から増えないように工夫をして植えることが楽しむためにも大切です。植える場所を限定してそれ以上増えないように鉢ごと植えたりして工夫しましょう。

また、鉢で楽しむのも和風の雰囲気の盆栽としていいものです。最近では多くの人が個性的な「トクサ」を育てています。葉や花などはあまり目立ちませんが、独特な風貌を盆栽として楽しんでみてはいかがでしょうか。

トクサの上手な剪定の仕方は

和風の庭などに植えられていることのある「トクサ」ですが、個性的な「トクサ」の雰囲気を保つためには上手な剪定も必要です。
トクサ」の剪定の仕方について詳しくご紹介します。

新しい芽が出る前がトクサの剪定時期!

トクサ」は30cm〜1mと成長すると結構な大きさになります。そして、成長していくうち、先が折れてしまったものなども出てきます。また長く育てていると新芽が出てきたのに対し、以前から伸びている分もあって混み合った状態になってきます。

できれば、新芽のきれいな黄緑色のみずみずしい色を楽しみたいものですが、新旧の茎で混み合ってしまった場合にはどのように剪定したらいいのでしょうか。

トクサの剪定については、とても強靭ですので、古いものを思い切って刈り取っても大丈夫と言われています。痛んできたような状態になった場合には、古いものをバッサリと切ってしまいましょう。

ちょうど新しい芽が出てくる5月の前頃に新しい芽に入れ替えるのがおすすめです。この時期に大きな剪定をすると見栄え的にも入れ替えになり、その後成長してくれますのでおすすめです。

また、先が痛んでいるものだけを剪定するのでしたら、いつやっても大丈夫です。

トクサの特徴的な成長は

トクサの構造として、緑色の茎の部分の中は空洞です。そして節がいくつかあります。節で抜けるようになっていて、その節の周りにギザギザしたハカマ状のものがあります。これが葉っぱです。茎にほとんど目立たない小さな葉っぱがそのまま付いているといった構造となっています。

トクサは、先端が痛んでくると上に伸びることができなくなり、枝分かれすることもありますが、基本的には上に高く伸びていきます。花も咲きますが、つくしのような目立たない花です。

まっすぐ上に伸び、出揃った様子は、美しく趣があり、見ていると心が落ち着くような魅力があるトクサです。通常、茎の色は濃い緑色のものが多いのに対し、黄色のものや斑入りの茎も種類によっては楽しむことができます。

別の種類にはなりますが、高さが1.5mにもなる「プレアツム」といったものや茎が細く2mm程度しかない、小さな種類の「ヴァリエガツム(チシマヒメドクサ)」もあります。茎の色合いや大きさ、細さによってもトクサの雰囲気はいろいろ変わりますので、お好みによって育ててみるといいでしょう。

また、庭などにスペースがない場合は、トクサは結構大きく育ちますし、繁殖力も旺盛ですので小さなものを植えてみるのもいい方法です。

トクサの「木賊色」があるのを知っていますか

トクサは、「木賊」と書かれたり、「砥草」という漢字が充てられたりしますが、「木賊色(とくさいろ)」といったものがあるのを知っていますか。とくさの茎の濃い緑、少し青みがかった緑色のことを「木賊色(とくさいろ)」と言います。

鎌倉時代以前から日本の伝統の色として知られている色です。今度、「木賊色(とくさいろ)」と書かれたものを見つけたら、じっくり見てみませんか。日本には古くから伝わっている色ですのであらためて見てみてはいかがでしょうか。

生垣にして楽しんで

トクサ生垣にして楽しんでいる人もいます。茎はスッとして横に広がらないために狭い場所でも育てることができます。和風の庭を造っている場合には、その玄関周りの生垣にしてもおすすめです。雰囲気たっぷりの料亭のような庭もできるでしょう。

直射日光に弱いために、半日陰のような所に植えるのもおすすめです。気温が高いと葉焼けを起こしてしまい、せっかくの緑の美しさがなくなってしまいますので暑くならないように工夫してあげましょう。

また、トクサは、表面がザラザラしているのも特徴です。時にはヤスリのようにも使われ、お金を磨くことでピカピカにしてくれ、金運にもいいようです。

そんなトクサを玄関の生垣などにすれば金運にも恵まれ、縁起がいいものになります。0度以上であれば冬も元気ですので暖かい平地ならばそのまま冬越しをすることもできます。

年間を通して濃い緑のトクサを堪能できるのは風情がありますよね。また、植える際は、日当たりがいい場合は、繁殖力がありすぎて根がどんどん広がっていきます。できれば、鉢植えをそのまま置いて生垣のようにする方法がいい方法です。最初にトクサのスペースをしっかり仕切っておくことが育てる上での注意点です。

ずっと緑が楽しめますので、樹木の下草としてもいいのですが、できれば鉢で置いた方が後々のことを考えると心配があまりいらずに済みます。

剪定を上手にしながら育てたいトクサ

いかがでしょうか。トクサは特徴的な見た目のために育ててみたいという人もいるでしょう。新芽の時のみずみずしい黄緑色の茎も美しいものです。剪定をしながら新しい芽を大事にして育ててみませんか。

育てるコツとしては、広がりすぎるといった面もありますので注意をしながら育てましょう。場所を取らずに生垣のようになってくれたら嬉しいものです。トクサの特徴を生かしながら和風の庭造りを目指してみませんか。きれいな「木賊色」の生垣を作ることができます。

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