ガーデニング

山野草「雪ノ下」をシェードガーデンのグランドカバーに

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雪ノ下は、中国や、本州・四国・九州の湿り気のある半日陰の岩場に自生している山野草です。

雪ノ下は古くから、葉を民間薬「虎耳草(こじそう)」として用いられてきたので、薬草として、庭先にもよく植えられてきたので、身近な植物でした。

雪ノ下は日当たりが悪いところでもよく育つ

雪ノ下は、葉を民間薬としていつでも使えるように、庭先によく植えられてきました。
雪ノ下は、日当たりの悪いところでもよく育つので、シェードガーデンによく合います。

摘み取った葉を皮膚病に貼りつけたり、絞り汁を塗ったりする他、乾燥させた葉を煎じて薬として、様々な病気薬として用いられてきました。

雪ノ下はダイモンジソウの近隣種で「サキシフラガ」という別名で流通していることもあります。
雪ノ下は、緑の葉っぱが雪のように見える白い花の下にあることから、「雪ノ下」と名付けられたとも、雪ノ下に埋もれても枯れないことから「雪ノ下」と名付けられたともいわれています。

雪ノ下の葉っぱの魅力

雪ノ下の、シクラメンの葉によく似た厚みのある葉っぱは、長い柄があって5~20cmに伸びます。
葉の表側が濃い緑色で、葉脈に沿った美しい斑が入り、裏は全体に赤く、葉色のコントラストが美しいことにも人気があります。

葉の縁に白い覆輪が入る品種は「御所車」と呼ばれて、雪ノ下の人気品種になります。
園芸品種として、大きくならない雪ノ下の矮小種もあります。
丸みのある葉は、小さな毛がびっしり生えていて、柔らかく、食べることもできます。

雪ノ下は赤い花茎とランナーを伸ばして

雪ノ下は、苺の苗ように、赤く細いランナーを株から四方にのばして横に広がっていき、葉の間からも赤く細い花茎を20~50cmと長く伸ばしていくので、縦横に赤い糸状の茎が広がる姿も印象的です。

雪ノ下は5~6月ごろに花径が2~3cmの小さな花を咲かせます。
雪ノ下の花は、黄色い花芯(雌しべ)から伸びた、下に伸びる花びらの2枚だけが真っ白で長く垂れ、上側の3枚の花びらは小さくて赤い斑点が入っていています。
白い雄しべは10本で、花粉の入った先端のやくが熟してくると、昆虫に花粉を付けてもらえるように順に立ち上がりますが、やくはすぐに落ちてしまい、白い花糸だけが残ります。

花後に、花殻を摘み取らないでいると、丸みのある実をつけ、熟すと実は割けて楕円形の種が飛び散ります。

雪ノ下は乾燥に気をつけて

雪ノ下は、暗いところでもよく育ちますが、乾燥に弱いので、湿ったところで育てるようにしましょう。
雪ノ下を庭植えにすると、根付いた後は、水やりの必要ありませんが、雨が当たりにくいところで育てている時は、表面の土が乾いてきたら水やりするようにしましょう。
雪ノ下を鉢植えで育てている時は、表面の土が乾いていたらたっぷりと水を与えるようにします。

雪ノ下は細く赤いランナーを苺のように伸ばして、横へ横へと広がっていく匍匐性を持っていて、ランナーの先端が根付いて新しい子株になります。
とても広がりやすい性質を持ち、暑さ寒さにも強いので、あまり世話をしなくてもどんどん広がってくれます。

雪ノ下は多年草なので毎年植え替える必要はなく、寒さに強いので、寒冷地であっても冬も特別な処置をしなくても越冬でき、世話いらずのグランドカバーとしても活躍してくれます。

湿ったところで育つため、なめくじに食害されることがあるので、注意してください。

雪ノ下の植え付けと肥料

雪ノ下は多肥と乾燥が苦手なので、肥料分が少ない、水持ちの良い土を用いて栽培しましょう。
雪ノ下は、肥料が多いとヒョロヒョロになって、弱々しく成長してしまうので、肥料分のほとんど入っていない山野草用の土や、赤玉土腐葉土を半量ほどブレンドした土を用いるのがおすすめです。
保水性を向上させるために、バーミキュライトやパーライト、腐葉土などを更にブレンドするのもおすすめですが、このとき肥料などを加えないようにしましょう。

雪ノ下の植え付けは、真夏と真冬を除けば通年行えますが、3~5月のまだ花が咲いていない時期が適期になります。
庭植えする時は、深さ20cmほどの植え穴に、腐葉土をひとつかみ加え混ぜたところに土を少し埋め戻し、植え付けます。
植え付け直後はしっかり水やりし、土が乾燥してくる前に水やりするようにして、乾燥に注意しましょう。

雪ノ下はランナーを育てて増やして

雪ノ下は園芸店の店頭に並ぶことはまれですが、山野草を扱うお店でならよく扱われるので、手に入れやすくなります。

雪ノ下は細いランナーを苺のように伸ばして、横に子株を広げていきます。
ランナーの先端についた子株の下に小さな鉢を置いておいて、鉢の土に子株を根付かせてから親株と切り離せば、手間をかけずに新しい株を増やせます。

増えすぎた雪ノ下は、葉っぱを山菜として、天ぷらなどで食べると美味しいので、増えすぎて困るという時は、単に抜いてしまうよりも、山菜として活用してみるのもおすすめです。

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