四字熟語

志操堅固な意思を持った僧侶

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僧侶と言うと、大概がストイックなイメージをお持ちのことと存じます。朝は暗い内から起きて、肉類は一切食べず、禁欲と修行の日々。「もっと楽しく生きようよ」と言いたくなりますが、それでは悟りは得られません。

志操堅固の意味、類語、用例など

【意味】
自らの志、節操、主義主張を強く守り、変えないことを意味します。「志」も「操」も意志を表し、「堅固」はそれらが強固なものであるとの意味です。

【類語】
秋霜烈日など。

【用例】
「我が政党は志操堅固をモットーに、国民の為に働きます」

イケメン僧侶、アナンダ泣く

僧侶は皆志操堅固な物と思われるでしょうが、余計な誘惑が多い人もたまにはいました。
アナンダはそんな人物の一人です。お釈迦様の直弟子であり、十大弟子と言う、特に優れた僧侶の一人に数えられます。出家をしたのはいいのですが、如何せん生まれ持った美貌の為女性からの黄色い声に悩まされてもいました。それはもう、アイドルコンサートで贔屓のアイドルとちょっと自分の方を見ただけで「目が合った!」と興奮するファンのような女性がいたわけです。
元々アナンダは精神的に脆い所がありましたが、それでも何とか耐えました。しかし女性のことは耐えられてもお釈迦様の最期の時には耐えられずに泣いてしまいます。
後継者の迦葉尊者から「お前はまだ悟っていないから、経典作りに来なくていい」と言われる程に泣いたのです。
その後修行を積み、悟りを得て経典の編纂に加わることができるまであまり時間はかかりませんでした。

雪の中で左肘を切断した慧可

慧可と言うのは達磨大師のお弟子さんです。
この人が弟子入りし、悟りに至った経緯もまた凄まじいものがあります。
「悟りのヒントを下さい」と言いますが、神光に覚悟を感じられなかったのでしょう、受け入れませんでした。神光はここで刃物を取り出しました。雪中殺人事件発生か、と思いきや、切ったのは自分の左肘です。片腕切断に覚悟を感じ取り、慧可と名を与え弟子にしました。
このなりふり構わない行為に出られる性質を持った慧可は、後に達磨大師の後継者として禅宗を継ぐことになりました。

師匠を変えて悟った洞山良价

中国で曹洞宗を開くことになる人物です。初めに着いた師匠に、『般若心経』の内容の意味を尋ねましたが、「お前は別の師匠についた方がいい」と言われました。
弟子が師匠を上回っていたわけです。この時気になった内容が、「目も耳もないよ」と言った記述です。「ワシにも皆にもあるのになあ」として数名の構想を訪ね歩くこととなります。やがて、「何か石とか木とかの無情の者も『説法(仏の法を説くこと)をする』と言うのは本当ですか?私には聞こえません」との疑問が発します。
最終的に雲巌という僧侶の下で「耳で聞こうとするから聞こえない」との真実に達しました。
つまり、有情(生物)と無情を分け、他者や自分を分けることなく、全てが仏と一体化しているとの真理、「空」です。「目も耳も関係ないとはそのことか」と悟りに至ったのですね。

まとめ

空は全ての物は因縁によって成り立つ一時的な関係、物でしかない、自分と他者を分けるなとの考えです。
お釈迦様は涅槃、最期の瞬間にこう言いました。「それでも修行を続けなさい」志操堅固とは、取り様によっては変化を拒んでいると思われます。
しかし、アナンダも慧可も洞山良价も、この心理に到達する為、志操堅固を貫いたのです。志操堅固とは強い意志であり、頑固者、変化を拒むと言う意味ではありません。
重要なのは、一本芯とも言える目的を持つことであり、仏教の場合はそれが「悟りを得る」ことだったのに過ぎないのです。
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