四字熟語

天長地久の意味・使い方

関連キーワード

天と地が永久に存在するように、物事がいつまでも変わらないこと。
また、永遠の存在であることのたとえ。

由来

元は中国で記された「老子」の第七章で、
「天は長く、地は久し。天地の能く長く且久しき所以の者は、その自ら生きざるを以て、故に能く長生す」
とあるのが起源です。これは現代語に訳すと、
「天は永遠に続くもので、地は悠久の時を経るものである。天地が変わろうとしないのは、みずからを生かしていこうとして余計なことをしないからである」となります。

老子は中国の思想家でいうところの、道家の祖とされている人物です。老子は人の作為は世界をゆがめるものとして、世間の価値観にとらわれずに自然のままに生きるべきだと考えました。政治の上でも「無為を為せば、すなわち治まざること無し」(無為自然の政治を行っていくならば、平和に治まらない国はない)として、「無為自然」の教えを広めました。つまり人においても政治においても無理な作為的な行為はいけないものだとして、「自然な流れに任せる」ことが重要だと考えたのです。そのために人為を優先して仁義や忠孝を強く推し進める儒家と対立し、厳しく批判しました。
そもそも自然に治めて平和である国や民衆を作為的に変化させようとする儒家の姿勢をひどく嫌ったためと言われています。

意味の変遷

日本では1948年(昭和23年)まで、現在の天皇誕生日に当たる日を「天長節」、皇后誕生日のことを「地久節」と呼んでいました。

これは、天皇の治世が「変わらずに永遠に続く」ことに願いを込めていたと考えられます。

同じく、長く続くものの象徴として、「鶴は千年、亀は万年」というものがあります。鶴や亀は長寿を表現するもので、亀は富や宝を運んでくるものとして崇められてきました。

そのために神事に使うものや、縁起物には鶴や亀が描かれることが多く、そういったものに「天長地久」の言葉が記されることが一般的になっていったのです。

これにはその家や組織、そこに属する人たちが永遠に栄えていくようにという意味が込められています。

そのような成り立ちからこの天長地久という言葉が悪い意味で使われることは基本的にはなく、良い意味、願い事、祝い事などで使われるのみとなっています。

類似した意味の四字熟語

「天地長久」「天壌無窮」・・・どちらも天長地久とほぼ同様の意味で、「変わらないこと」「永遠に続くこと」を表しています。

使用法、使用例

「会社に飾る羽子板に字を書いてもらいたいんだけど、どんな字が良いかな?」
「天地地久、はどうだい?その家が永遠に富み栄えて続いていくという意味だよ」
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ