仏像

像では表しきれない如来の特徴、三十二相

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仏様にはランクがあります。最高位は悟りを開いた如来ですが、如来には共通する特徴、相(そう)というものがあるのです。

実はちゃんと意味がある

いくら仏様とはいえ、色々盛りすぎではないかと思う所ですが、実はそれぞれの特徴にはちゃんと意味がありました。
偏平足を意味する足下安平立相は平等な慈悲を意味し、両手を広げた長さと身長が同じであることを意味する身応長等相はこれ以上ない仏の徳を意味します。
舌が顔を覆うほど大きい大舌相は、嘘をつかないことの証です。
一見荒唐無稽でも像容も、深い仏様の慈悲や知恵があるのです。
しかし基本的に仏像は座っている語っており、ポーズを取っているので「分かりません」というケースが大部分で、「文字なら伝わる」ものでした。清浄さの証である歯斉相も、口を閉じているため見えません。
そこで、以下の点を像容として表すことになります。

【頂髷相】
通称肉髷。如来像は頭部が二段階なのです。これは悟りに至った智慧を意味します。

【白毫相】
額の真ん中にあるほくろのようなもの、実は巻き毛です。
これは生や死に関する災厄を打ち消す意味を持ち、伝承ではお釈迦様の白毫が光を放ったとされています。
お釈迦様だけでなく他の如来も光を放つことが可能です。

八十種好

八十種好という特徴もあります。こちらはパッと見て分かりづらい特徴のことをです。
しかし、喉に三本のラインがある、福耳であるなど、物によっては三十二相より分かりやすい物も像容として表される所は工夫を感じさせ、面白いですね。
三十二相と合わせ、三十二相八十種好、もしくは相好とも言います。

ことわざの語源

相好ですが、実はい身近なことわざの語源にもなっていました。
それはにこやかに顔をほころばせて笑う「相好を崩す」です。
総合には顔かたちの意味もありますが、仏様の優しい笑みとの意味合いにも取れます。

まとめ

有難い特徴なのに簡略化していいの?との声もあるかもしれません。
しかし、文面での素晴らしさと実際に視覚化された美とはまるで違った印象を与えます。
映画だってそうです。実際に映像で見るのと、小説版で見るのとでは印象も違ってきます。
それに、すっきりとさせた方がより堂々とした迫力を味わえるというものです。
表せない物は敢えて姿にしなかったとの事情は、余計なものを取り払い、悟りを開いた如来の荘厳な姿に重なります。
100を超える総合を見い出すのも仏像鑑賞の一つの楽しみです。
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