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芭蕉「奥の細道」ゆかりの立石寺など初冬の山形を散策〜鯉の甘煮と旨い酒、銀山温泉で心も体もホカホカに〜

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俳句で有名な松尾芭蕉が「奥の細道」の旅で訪れた、山形県山形市にある通称“山寺”「宝珠山 立石寺」。
誰もが知る名句が詠まれた場所であり、冬に訪れると雪景色に彩られた絶景を楽しめます。
芭蕉ゆかりの地を散策しつつ、この季節の名物・鯉の甘煮や日本酒を味わい、大正浪漫を体感できる銀山温泉でゆっくりくつろぐという、初冬の山形ならではのワビ、サビを楽しむ旅に出てみてはいかがでしょうか。

芭蕉のあの名句はここで生まれた 山寺「宝珠山 立石寺」

山形県山形市にある、“山寺”の名前で親しまれているお寺「宝珠山 立石寺」。
860年に開山された天台宗の寺院で、俳人の松尾芭蕉がここに訪れて俳句を詠んだことでも有名です。芭蕉が美しい景色と称した立石寺は、山のふもとから山頂にかけて上下に境内が広がっており、冬に訪れると雪で白く彩られていて、より一段と風光明媚な光景を楽しむことができます。一番下の登山口から、一番上にある奥の院までは階段で1000段以上あるので、いい運動にもなります。

登山口の階段を登り切ったところには国の重要文化財にも指定されている「根本中堂」があり、その周辺には芭蕉の句碑と銅像がありますのでチェックお忘れなく。

山門をくぐってしばらく階段をのぼった先には、芭蕉の名句「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の着想を得たとされる場所が「せみ塚」として残っています。
芭蕉の死後、弟子たちがこの場所を訪れ、師が遺した短冊を土台石の下に埋めて塚を立てたそうです。芭蕉が何を感じて句を詠んだのか、ここでゆっくり考えてみるのもいいでしょう。奥の院まで登りきったら、帰りに五大堂に寄ると最高の景色を見ることができますので、ぜひ味わってみてください。

大晦日には、23時30分頃から山門前から奥之院までライトアップされる光のロードを楽しめるほか、先着108名に干支の記念品がもらえたり、山形名物の玉こんにゃくがふるまわれるなどのイベントが開催されているので、大晦日にあわせて訪れる手もアリです。

また、山寺駅から徒歩8分ぐらいの場所に「山寺芭蕉記念館」がありますので、時間に余裕がある場合はそちらもチェックしてみましょう。芭蕉直筆の資料や芭蕉を解説する映画なども鑑賞できます。

宝珠山 立石寺の詳細
住所:山形県山形市大字山寺4456-1
電話番号:023-695-2816(山寺観光協会)
入園料:一般・高校生300円、中学生200円、小人100円
公式ホームページ:http://www.yamaderakankou.com/

山寺芭蕉記念館の詳細
住所:山形市大字山寺字南院4223
電話番号:0237-22-0104
入園料:大人400円、小中高生以下無料
公式ホームページ:http://yamadera-basho.jp/

山形にきたら、芭蕉が奥の細道の旅程では異例の10泊もの滞在をした尾花市にもぜひ訪れたいところです。芭蕉をもてなした、弟子の鈴木清風宅跡の隣には現在「芭蕉・清風歴史資料館」があり、芭蕉や清風に関する資料などを閲覧することができます。

芭蕉・清風歴史資料館
住所:山形県尾花沢市中町5番36号
電話番号:0237-22-0104
入園料:大人200円、学生100円、中学生以下無料

さらに尾花市には、ノスタルジックな雰囲気を味わえる温泉街もあるので、そこで芭蕉のごとくゆっくり休憩してみてはいかがでしょう(下記へつづく)。

まるで別世界の「銀山温泉」で心も体もホカホカに

山形県尾花沢市にある「銀山温泉」。その名称は江戸時代の初期には日本三大銀山のひとつとして数えられていた延沢銀山を由来にしており、銀山の閉山後に湯治場として発展した温泉地です。NHK連続テレビ小説「おしん」の舞台となったことでも有名です。

銀山温泉の中央を流れる銀山川の両岸に、大正から昭和初期にかけて建てられた、洋風の3〜4層からなる木造旅館が並んでいるさまはまさに別世界。日没後はガス灯が温泉街を照ら出し、大正時代に迷い込んだかのような不思議な感覚を味わえます。雪で彩られた冬の銀山温泉はとても美しく、特に夜の街並みは一生に一度は見ておきたい光景です。

泉質はナトリウム―塩化物・硫酸塩泉で無色透明。切り傷や皮膚病、婦人病、神経痛、疲労回復などに効果があるそうです。

銀山温泉
住所:山形県尾花沢市銀山新畑地内
公式ホームページ:http://www.ginzanonsen.jp/

山形の正月料理「鯉の甘煮」を食す

12月から1月にかけて山形に行くなら、ぜひ食べておきたいのが、置賜(おきたま)地方の「鯉の甘煮(うまに)」。
清流で卵から育てられ、冬の寒さで身がしまった鯉を煮つけた料理で、川魚独特の泥臭さがまったくないのが特徴。江戸時代有数の名君としても知られる米沢藩九代目藩主の上杉鷹山が、内陸地の米沢において魚介が食べられるように養鯉を推奨したのをきっかけに米沢鯉が有名となり、正月料理として定着していったそうです。

ほかにも、この時期にしかとれない寒ダラをぶつ切りにして煮込んだどんがら汁や、おなじみの芋煮など、山形の名物を味わいつくしちゃいましょう。

また、山形といえば日本酒もかかせません。上質の水と米が採れる土地柄、昔からお酒造りも盛んで、創業から400年以上の老舗・高木酒造が製造している幻の酒「十四代」や、出羽桜酒造が手掛け、数々の賞を総なめしている「出羽桜」など日本を代表する銘酒もたくさん。お酒好きの方はチェックをお忘れなく。

松尾芭蕉ゆかりの地の立石寺や、大正浪漫あふれる街並みの銀山温泉など、絵になる風景が多く、実際に訪れると予想以上の感動を味わえる山形の名所。ほかにもまだまだ魅力ある場所がたくさんありますし、食べ物やお酒も美味しいものばかりですので、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

下記のページでは銀山温泉を含む風情たっぷりの温泉街紹介や、名物の芋煮などについてもまとめてありますので、ぜひご一読を。

風情あるそぞろ歩きが楽しめる魅惑の温泉街〜セレクト5
https://hobbytimes.jp/article/20160114d.html

山形と宮城で味の違いも!東北名物「芋煮」を味わい尽くそう
https://hobbytimes.jp/article/20170330b.html
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