景勝地

四季折々の絶景、美瑛の丘

関連キーワード

美瑛の丘は花人街道と呼ばれる国道273号沿いに広がっており、美しい丘陵地帯が見どころです。
CMのロケ地として登場した「カシワ」の木であるセブンスターの木や、カラマツ林が繁るマイルドセブンの丘、「ポプラ」のケンとメリーの木、さらに3本の木が仲良く並ぶ親子の木など景勝地も多く、四季折々に美しいパノラマ風景が楽しめます。
もともとこのあたりは素朴な農業地であって、景勝地としては有名ではありませんでした。このあたりよりも近くの美瑛岳の方が観光地としては有名だったのです。

美瑛岳は山頂の南側が大きく切れ落ち、崖の東側を回るように稜線をたどります。美瑛富士方面への登山道との分岐からは細い稜線をつめてまもなく美瑛岳山頂に立ちます。

ポンピ沢源頭の急峻な谷越しに十勝岳が優美な裾野を広げています。下山は西尾根を一気に下ります。植物はコケモモやガンコウランなど背の低いものばかりで視界がよく、富良野盆地に飛び込むような下りです。1650m付近で右手から美瑛岳の北側を巻いてきた道が合流し、ポンピ沢へ急下降します。コース中の確実な水場です。

ポンピ沢を渡り、函状の谷を越えるとなだらかな雲の平に出ます。ハイマツがたくましく根を下ろし、イソツツジやミネヤナギ、メアカンキンバイなど火山らしい花が咲きます。

6月~7月上旬は残雪が多く、十勝岳の雪渓を登下降に利用できます。イソツツジもこのころが見ごろです。望岳台周辺はイワブクロやシラタマノキも多くなっています。8月は雲の平付近でエゾオヤマノリンドウが咲きます。紅葉は9月中旬ごろがピークで中腹のナナカマドとダケカンバ、エゾマツの森が美しいエリアです。美瑛を訪れた際にはぜひおさえておきたいスポットです。

そして美瑛の丘と呼ばれる一帯は四季折々の眺めがそれぞれに素晴らしいとここ数年で評判になっています。

長く厳しい冬が終わり、ぽかぽかとした温かい空気に包まれる春、美瑛の町を囲む山々には残雪が見え、雪解け水が流れる小川の周りにはフキノトウが顔を出します。深緑の森や牧草が萌えてそよ風になびき、サラサラと心地よい音が美瑛に春を告げます。

4月の下旬から農作業が始まると眠っていた田畑の土を掘り返してジャガイモや春まき小麦が蒔かれます。丘は耕された土で黒色とも褐色ともいえないような色合いになり、春を象徴する淡いピンクのサクラとのコントラストが非常に美しいです。

照りつける太陽の下、純白の可憐なジャガイモの花が一面に咲きだすのが夏です。陽炎や逃げ水もこの風景に脚色してくれます。6月の下旬から咲きだす紫色のラベンダーや、赤・オレンジなど様々な色で咲き誇るポピー。7月の中旬には大地の太陽である黄色のヒマワリなど色鮮やかな花があちこちの丘で開花します。丘の斜面を彩るように花々が一面に咲くパノラマ風景は圧巻です。美瑛を訪れる観光客は今では年間140万人を超えると言われていますが、その大半がこの季節に集中しています。

例年9月下旬からモミジなどの広葉樹が色づきはじめ、美瑛の田畑が黄金色になるのが実りの秋です。春小麦が刈り取られ、ジャガイモなどの収穫がスタートすると刻々と丘の景色が変化していきます。夏の風景も素晴らしいですが、刈り取った豆を乾燥させる「にお」や、畑の真ん中にゴロンと置かれている牧草ロールが見られ、まるで一枚の絵画かポスターのような風景です。トコトコと作業するトラクターが逆光で夕日に照らされるシーンや、セピア調のパッチワークの丘は美瑛の自然とそこに暮らす人々がつくった芸術作品のようです。

10月の下旬に初雪が観測されると半年間ほど雪に覆われる長い冬が始まります。防風林は凍てつくような風を寡黙に受け止めてくれます。一面銀世界となった丘の上にはウサギやキタキツネの足跡が点々とみられるようになります。天気の良い日は静まり返った雪原の中でポツリと立つ木々の影がぐんと伸びて見えるといった「小春日」の光景に出会えます。真っ白な雪が宝石のように輝き、寒さを忘れるほどの幻想的な雰囲気に包まれます。

実際にどのあたりの風景がよいのかがわからない場合は美瑛駅のすぐそばにある「四季の情報館」を訪ねましょう。美瑛に行ったらまず立ち寄りたい観光案内所です。丘の見どころや近くの飲食店の情報などを詳しく教えてもらえます。またここには美瑛の丘を撮影したミニギャラリーや、四季の移ろいを180インチ3D映像で楽しめるハイビジョンなどが設置されています。もちろん入館は無料です。

美瑛駅から車で15分ほど行った所には拓真館があります。美瑛付近の丘をテーマにした日本を代表する風景写真家の前田真三の作品を展示しています。繊細でありながら大自然の迫力が感じられる美しい写真が数多く飾られています。また、氏が撮影したハイビジョン作品も上映されています。そして同じく風景写真家である長男の晃氏の作品も展示されることがあります。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ