四字熟語

乱筆乱文の意味・使い方

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意味

手紙などの書面で、まとまりのない文や読みにくい字について謝罪するための言葉。

由来

かつて相手とのやりとりをするには書面でしかすることができませんでした。現在ではパソコンや携帯などで打ち込んだ文字が相手側に送られるので自分で字を書くことはあまりありません。機械的な字ですので誰が打ち込んでも綺麗な字が送られます。しかし自分で筆をとって字を書いていたころは字が綺麗かどうか、間違えた字があるかどうか、文章自体にまとまりがあるかどうかといったことが非常に重要になりました。そのため文章を書くときはとにかく字の間違いがないように、字を丁寧に書く必要がありました。

その際に定型的なあいさつ文として「乱筆乱文」を相手に詫びることで相手方に失礼のないようにするということが行われたのです。「乱筆乱文ご容赦ください」という文が代表的です。

手紙などの書面を送るときにはこういった定型文をつけることが多く、書きだしを「拝啓」や「前略」ではじめて、文末を「敬具」や「草々」で締めるということは一般的に行われています。こういった定型文と「乱筆乱文」の違いは「直筆かどうか」に限られます。「拝啓」や「敬具」などはwordなどを使って打ち込んだ文章でも使用される言葉ですが、「乱筆乱文」はそういった文章には使用することができません。あくまでも直筆の文章だけに使用されるのです。

意味の変遷

そういった経緯と本来の意味から現在使用されることは非常に少なくなってきています。直筆で文章を書いて手紙などの書面で相手に送るという行為自体が減ってきているからです。インターネットなどを通じて文章を送る際は当然ですが、実際に書面を送る際でも送り状などはwordなどで打ち込まれたものがほとんどのために使用する機会がありません。かろうじて直筆で書くものと言えば上司に送る年賀状などかもしれませんが、こういったものは文面が決まっており「乱文」になるほどの長文を書く性質のものではないためにやはり「乱筆乱文」は使用しません。

「直筆で書く場合」「ある程度の長文である」ということが条件となっており、本当に「字が汚いかどうか」はあまり関係はありません。その字はその人の個性ともとらえることができますし、綺麗か汚いかは主観が入るためです。あくまでも謙虚になって付けられる言葉だと考えたほうが良いでしょう。

使用法、使用例

「がんばって文章を書いたんだが、どうも字が汚いしまとまりのない文章になった」
「乱筆乱文ご容赦ください、って書いておけば大丈夫だよ」
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