ガーデニング

ふわふわきれいな金魚藻「マツモ」の魅力と育て方

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マツモは、世界中の沼や湖や川に生息している水草です。
透き通るようなきれいな黄緑色の細い葉の先端が2つに分かれているため、松葉に似ていることから、「マツモ」と呼ばれています。
太い茎は長くなると1m近くまで成長します。

マツモは、金魚を飼育している水槽に入れる水草としてよく用いられています。
世界中で採取されることからも安価で流通していて、育てやすいことから、ビオトープにアクアリウムによく活用されています。

マツモは根を張らない水草

マツモは根を張らない水草なので、「沈水性浮遊植物」に分類され、「根無し草」と呼ばれることもあります。
根がないので、土が全くない状態でも問題なく育てられます。
水面に浮かべても、おもりをつけて水中に沈めても育てられます。
根がなくても、底の土や砂利などに茎の端を埋め込んで育てることも可能です。

暗いところでも育つマツモですが、日当たりの良いところで育てると、ぐんぐん育っていきます。
日当たりの良いところで育てると、逆に育ちすぎて収集がつかなくなることもあるので、育ち過ぎに困ったら、少し光が当たりにくいようにしましょう。

マツモは根を張らないので、好きなところでカットして株を増やすことも可能です。
ふわふわとしたマツモの葉は、金魚や熱帯魚の餌になるばかりでなく、産卵床や稚魚の隠れ場所にもなります。

マツモは花が咲く

マツモは浮草ですが、花が咲いて、実もなります。
マツモの花期は5~8月ですが、すべての株に花をつけるわけではありません。

マツモの花は、ひとつの花の中に雄しべか雌しべ、どちらか一方だけができる「単性」で、ひとつの株に雌花も雄花も咲く「雌雄同株」の場合と、片方ずつしか咲かない「雌雄異株」の場合があります。
マツモの花は花びらがなく、雄花は雄しべが集まっている状態で、目立ちますが、雌花は雌しべが集まっている状態で、目立ちません。
花粉は、水中を漂って受粉します。

マツモの実は、4~6mmほどの楕円形で、平たくツルンとしています。
マツモの実は、秋になると筆のような形の芽「殖芽」になってマツモの株から離れて、水の中でそのまま冬を越し、春になるとマツモへと成長していきます。

マツモは、生育環境によって葉っぱの長さがかわってきますが、どんどん成長していくと、脇芽を出して全体的にボリュームアップしていきます。

枝先が茶色やピンク色になってしまうことがありますが、明るすぎるときに茶色くなりやすく、栄養分が少なすぎるときにピンクになることがあります。

マツモは生育環境になじみやすい水草

マツモは光が少ない暗めのところでもすぐに馴染む丈夫な水草で、魚などと一緒に飼育してCO2濃度を高める工夫をする必要もなく、マツモだけでも育てられます。
しかし、水換えやCO2の添加すると、葉の周りに酸素の気泡をつけるので、キラキラとしてきれいです。

マツモは、水中の栄養分を盛んに吸収する性質があるので、水質の浄化能力に優れ、水質を安定させて、苔や藻を生えにくくさせてくれます。

マツモは栄養価が高すぎる状態の水にも馴染みますが、栄養価が乏しい水でも生育でき、水道水でも何ら問題なく生育できます。

そうはいっても、マツモがよく育つ環境は、水質がpH6~7.5の弱酸性~弱アルカリ性であり、水温は15~25℃を好みます。
丈夫なはずのマツモの元気がなくなったときは、水温や水質をまず確認してみましょう。

マツモの水換えでは全部の水を変えない

マツモの水換えのとき、全部の水を入れ替えてしまうと、急激に水質が変化してしまうので、マツモがびっくりして茶がれてしまったり、バラバラになって溶け出してしまうことがあります。

水草は、水中のバクテリアなどと共存しているので、水をすべて入れ替えると、せっかくいい状態に保ちはじめているのに崩してしまいます。

水替えするときは、一度に置き換える水量は、飼育している魚の水交換と同様に1/2~1/3までの水量にしておきましょう。

マツモが腐ってどろどろになってしまう場合、水質があまりにも悪くなってしまっています。
ろ過装置を使っている場合は、フィルターも含めて交換しておきましょう。
水質の維持のために、バクテリアを投入しておくのもおすすめです。

根がないマツモを土に植え付けていると、土の中の部分が腐ってくることもあります。

マツモについて

科・属   マツモ科・マツモ
英名    Rigid Hornwort
和名    松藻(マツモ)・金魚藻・根無し草

マツモは多年生の水草です。
日本でも古くから、金魚と一緒に育てる水草「金魚藻」としてよく用いられてきましたが、海外原産のマツモも輸入され、日本原産のマツモと趣が違うマツモも流通しています。

「メキシコマツモ」は茎が赤くなる品種で、「南米マツモ(ペルビアン・ホーンワート)」は株全体が赤くなる品種です。
「イギリスマツモ(イングリッシュ・ホーンワート)」は葉がゴワゴワとしてモサモサと葉が多いのが特徴です。

輸入されたマツモと、日本原産のマツモは、見た目が異なりますが、育て方によっては、全部似たような感じに育ってしまうこともあります。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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