ガーデニング

一年草と思われている本当は多年草の植物

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種を植えて発芽し、成長して花を咲かせたあと、枯れてしまい、その一生を一年で終わらせてしまう草花を「一年草」といいます。
これに対して、多年草は、種を植えて発芽し、成長して花を咲かせたあと、地上部が枯れることも枯れないこともありますが、根は枯れないまま冬を越し、春になると再び芽吹いて花を咲かせます。
一度植えたら何年も育てられるのが「多年草」です。

一年草のイメージがとても強いのに、本当は多年草である身近な植物は意外にたくさんあります。
一年草扱い」の多年草にはどんな物があるのか、ご紹介していきましょう。

多年草も結局は植えっぱなしではない

一年草は毎年植える必要があるので損をするような気もしてきますが、大部分の一年草の花期が非常に長く、数ヶ月続くのに対して、多年草は毎年花を咲かせるものの、花期は短く、ものによっては1週間と言うものもあります。
また、多年草もずっと植えっぱなしで良い物ばかりではなく、毎年植え替える必要があるものや、数年おきに植え替える必要があるものもあります。

多年草は花の時期以外にも手入れしないと翌年花を咲かせないものも多く、一年草が枯れたら処分してきれいにリセットされるのに、多年草は上手く剪定しないときれいにリセットとは行きません。

「一年草扱い」の多年草とは?

本来は多年草なのに、一年草だと思われている多年草が「一年草扱い」の多年草です。
多年草の本来の生息地と気候条件が合わないために、一年中栽培できずに枯れてしまいやすく、一年草と思って毎年買い替えたほうが育てやすく楽な草花がこれになります。

珍しい植物だと思いがちですが、以外にメジャーな植物がこの「一年草扱い」の多年草に含まれています。

一年草扱いの多年草は、本来は多年草なので、栽培条件を上手くコントロールしてあげると本来通りに多年草として長く栽培できますが、技術と根気が必要です。

ペチュニア・サフィニア

春から秋まで、日当たりの良い場所で肥料と水さえあればどんどん花を咲かせてくれる花期の長いガーデニングの主役とも言える花がペチュニアです。
ペチュニアは本来、多年草なのですが、寒さにも湿気にも弱いために、一年草扱いになっています。
「サフィニア」は、ペチュニア園芸品種で、サントリーが日本の気候風土似合うように品種改良したもので、親のペチュニア同様多年草ですが、一年草扱いされています。

ペチュニアは寒さに弱いために越冬させるのが難しく、苦労して越冬させても徒長して花姿が乱れていて、仕立て直しも難しいため、結局買い直したほうが早くなります。
毎年新しい品種が次々出ていることも、苦労して越冬させる意義を感じさせない要因の一つになっています。

インパチェンス

一重咲きのものも八重咲きのものもあり、日当たりが悪いところでも初夏から秋まで花を咲かせ続けてくれるインパチェンスも、本来は多年草なのですが、寒さに弱いために一年草扱いになっています。

インパチェンスも本来は多年草なので、寒くなる前に室内に取り込んで、寒さに耐えられるように生育期の春~秋よりも乾燥気味に管理すれば冬越しさせることができますが、冬越ししたインパチェンスも徒長気味で弱々しくなっていて、春になったら仕立て直したり、植え替えたりする必要性があります。
インパチェンスの越冬は水管理も温度管理も難しいのにあまりきれいに冬越しできないので、春になってから、新しい苗を買い直したほうが管理しやすくなります。

ポインセチア

赤と緑の葉のコントラストが美しく、冬に出回るクリスマスのシンボルのようなポインセチアは、冬の花のイメージが強いのですが、寒さに強くありません。
ポインセチアは寒さに弱いために、一年草扱いされていますが、実はポインセチア多年草ではなく、樹木です。

本来の生息地では街路樹にもされていますが、国内で出回っている小さな鉢植えは幼苗なので、暑さにも寒さにも弱く、水切れにも多湿にも弱いため、越冬させることも冬まで長く生育させることも難しくなっていて、一年草扱いされています。

ポインセチアの葉を赤く色づかせるためには、8月ごろ短日処理を行う必要もあり、簡単ではありません。
ピンクや黄色、斑入りのものなど、様々な葉色のポインセチアが登場してきているので、手間のかかる通年栽培はあまりなされず、毎年買い直しをする人がほとんどです。

シクラメン

冬の寒い時期に、お部屋の中で華やかな花を咲かせ続けてくれるシクラメンは、春になったら枯れる一年草と考えられていますが、本来は多年草です。

シクラメンは寒さにもあまり強くないため、5℃以上、できれば10℃以上で管理する必要がありますが、暑さにはもっと弱く、気温が20℃を超えると弱ってきます。
シクラメンは夏の暑さに耐えられなくて枯れやすいため、本来は多年草ですが一年草扱いされている球根植物です。
シクラメンの夏越しには葉を残す方法と、球根だけにして夏越しする方法の2通りありますが、いずれにしても温度管理など難しく、失敗しやすい植物です。

毎年新しい品種が続々登場し、夏越しが非常に難しいため、やはり買い直したほうが早くなります。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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