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生垣の魅力を見直す。垣根を生垣にして

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生垣」は、名前の通り「生きた垣根」なので、生き物であり成長するため、フェイクグリーンのように買ってきた形がそのまま維持されるわけではありません。
「垣根」とは、敷地の境界に立てるもので、敷地の内側を敷地の外から遮断する役割を果たしています。
生垣は、垣根の一つで、植物で作られた垣根のことを意味します。
ブロック塀や石塀、フェンスでできた垣根は、生垣と違って耐久性も高く、変わらない美しさと頑強さを併せ持っています。

生垣は、垣根と言っても植物なので、手入れも必要で、例えば車がぶつかってくると簡単に潰れてしまい、耐久性にも欠けますが、植物の持つ柔らかな、包み込むような暖かさがあるため、他の垣根とは違った魅力があります。

生垣のはじまりは奈良時代から

生垣の始まりは、奈良時代からと言われています。
生垣は生きた植物を使っているため、板塀などと違って腐らないことから、長持ちする垣根として作られたようです。

敷地の垣根・目隠しとしての役割がメインのように思われる生垣ですが、防音・防風にも優れています。
阪神淡路大震災で、樹木が延焼を防いだことから、生垣は火災にも強いとして、防火を担うものとして見直されてきています。

生垣を増やすことは、そのまま緑を増やすことにつながり、ひいては環境保全にもつながっていきます。
このため、生垣の設置にかかる費用に対して補助金が出る自治体もあります。
生垣を設置するときは、設置をする前に、お住まいの自治体のHPなどで補助金の対象になるかどうか、確認しておきましょう。

生垣は生き物なので手入れが必要

生垣は、植物なので生きています。
枯れることもあれば、葉っぱも落ち、虫がつくこともあります。
消毒や虫対策も必要であり、常緑樹であっても葉が全く落ちないわけではないので、落ち葉拾いも必要になってきます。
伸びすぎて、通行の妨げになることもあります。
設置したから後はメンテナンスが不要、というわけではありません。

落ち葉がたくさん落ちてきて困るといったことは、ご近所ではなかなか言い出せないときもあるので、隣近所に迷惑をかけないように、注意が必要です。
落葉樹は、秋の落ち葉の量が常緑樹と比較にならないほど多く、冬になると葉がなくなるので垣根・目隠しの役目も果たせないため、生垣としてはおすすめではありませんが、冬は雪がドカンと積もって雪壁が目隠しになる場合など、設置場所によっては、冬は問題視しなくても構わない場合もあります。
条件によっては、落葉樹も生垣として選択肢に含めることもできます。

定番の生垣の木の魅力を再発見する

生垣でも、葉色が美しく、どこにでもあるほど一般的でもなく、結構きれいな花が咲くということで、プリペットアセビ・アベリアなど、近所とかぶりにくくて、白い花がたわわに咲く木にも人気が出ていますが、どれも奔放に伸びていき、びろんと伸びた枝が何本も出てきて、形が崩れやすい傾向があります。

生垣といえば思いつくような木は、どこにでもあるので、ちょっと、という人も多いのですが、よく使われている木にはそれなりに理由があります。
レッドロビン・キンメツゲ・コニファーは、定番の生垣の木ですが、時間のない人でも管理がしやすいでおすすめです。

レッドロビン

レッドロビンは、全体に剪定すると、季節を問わず赤い新芽が伸びてくるので、こまめに剪定を繰り返すと赤い葉色を一年中楽しむこともできます。
剪定に失敗したとしても、すぐに新しい芽が伸びてくるので、リカバリーも容易です。
レッドロビンを剪定しないでいると、春先に紅葉して赤くなり、冬には緑色に葉色が変わる性質があります。
春先に白い小さな花を咲かせるので、花も楽しむことができます。
レッドロビンは暑さ寒さに強く、耐病性にも優れています。
非常に大きくなったときも、5mまでしか伸びないので、伸び過ぎて困る心配も少ない木です。

キンメツゲ

動物の形など、自由自在にトピアリー仕立てに出来ることでも有名なキンメツゲは、生垣に最もよく使われる木の一つです。
小さな光沢のある葉が美しく、日本原産の木なので、生育にあまり気を使わなくてもうまく栽培が可能です。
大きくなっても2m程度までしか伸びないので、高くなりすぎる心配もありません。

新芽が金色になり、葉色の変化も楽しめ、あまり目立たない花ですが、黄色い小さな花も咲きます。
生育はゆっくりなので、こまめに剪定するのは無理、という方にこそおすすめです。

コニファー

コニファーには、横に広がるタイプと、蝋燭の炎のような円錐形に育つタイプが有り、円錐形に育つタイプのコニファーを選んで並べて植えると、和風洋風を問わず、おしゃれな生垣が出来上がります。
冬になると、緑の葉色が金色になる移り変わりも楽しめます。

コニファーは枝葉が密集しているため目隠しとしての効果が高く、強剪定しても枯れ込んだりしないので、形を維持するのも容易です。
樹勢が強く、病害虫がつきにくいので、手をあまり欠けなくても良い状態が維持しやすい木です。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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