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アセビには似た花もいっぱい?名前の由来も不思議!

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アセビの花はきっとどこかで見たことがある人も多いのではないでしょうか。すずらんのような小さな可憐な白や赤の花がいっぱい咲くのが特徴です。庭木などで見かけた人も結構いることでしょう。

日本も原産地で常緑の木ですので葉っぱを知っている人もいるはずです。アセビには可憐な花やその名前にまつわる不思議もあり知ってみると面白い植物ですので、見かけただけという人ももっと詳しくなってみませんか。

アセビは「馬酔木」と書く?

アセビは、日本や中国東部、台湾で自生している低木のツツジ科です。ちょっとツツジ科といったイメージからは異なっていて花も葉の形も特徴的なものです。

世界に10種類程度しかない植物となっています。耐寒性や耐暑性もあって育てやすいのがアセビです。常緑で葉も大きくて光沢があって美しいため生垣などに活用している家もあります。

そのアセビを漢字で書くと「馬酔木」となりますが、なんだか不思議な名前ですよね。実は、アセビは、葉や茎に「アセボトキシン」といった有毒性があり、馬が食べると神経がしびれて酔ったようになるために「馬酔木」という名前が付いていると言われます。

通常は食べなければ大丈夫ですが、間違って口にすることがないようには注意をすることも必要です。

アセビの花はすずなりで魅力的!

花は2月~4月に咲き、すずらんのような白い花や赤やピンクの花をすずなりに先端に付けます。赤い花の品種には「クリスマス・チア」などがあり、ピンクの「スプリング・ベル」といった品種もあります。

かわいらしい花がたくさん咲きますのでよく目につきますので実は知っていたという人も多い花です。

また、実はこうした小さなすずらんのような花が咲く木は意外に多く、「ドウダンツツジ」「イチゴノキ」などの同じツツジ科の木やキブシ科の「キブシ」などもたくさん垂れ下がるように咲きます。

「イチゴノキ」だけは11月~12月の冬に咲きますが、あとは春に咲きますので花だけではわからないということもあるかもしれませんね。「イチゴノキ」は赤いイチゴのような実ができるツツジ科の珍しい木です。

こうした房状にたくさんの小さな花を咲かせる木々は私たち見る者をとても楽しませてくれる種類の花と言えるものでしょう。

アセビの花をたくさん咲かせるコツは?

こうした魅力的なアセビの可憐な花をたくさん咲かせるにはどうしたらいいでしょうか。それには少しコツがあります。アセビの花は2月頃から咲きますが、その花穂は通常は前年の秋からできます。それが夏前に早くできてしまった場合には実は乾燥や肥料不足が原因になっていることもあります。

早くできすぎた花穂は逆に要注意ということになりますので、その場合は、夏を過ぎるくらいに花穂を切り取ってしまうことも必要です。秋にきちんとした花穂が出るように切り取ってしまいましょう。

秋の花穂がしっかりしたものであるかどうかが大事なことになります。

また、春に花が咲いた後に実を付けるまでそのままにしておくと栄養をとられてしまい、次の新芽が伸びにくくなりますので翌年の花があまりつかなくなります。花が終わったら花穂を切るようにもしましょう。

育て方自体は簡単な方で耐寒性や耐暑性はあるのですが、水切れや乾燥には弱いので、乾燥してしまうと花が付きにくくなるので乾燥にも注意をしましょう。特に生長期の春は水切れさせないようにします。鉢植えの場合には特に水切れに気をつけることが必要です。

肥料も生育期の春にゆっくりと効く化成肥料を与え、秋の花穂をつける時期にしっかりと栄養がいきわたっていることが大切なこととなります。

アセビの魅力は何といっても小さくてたくさんの花々です。たくさん花が咲くようにそれまでの手入れを頑張ってみましょう。

鉢植えにして花を楽しむ人も

ツツジ科のアセビは、小さく育てて鉢で花を楽しむ人もいます。春に花が終わったら早めに剪定して小さめに樹形を整えていくのが鉢植えのコツです。剪定の際は、枯れこまないように太い切り口には癒合剤を塗って剪定しましょう。

紅い花をつけることで「クリスマス・チア」と呼ばれる品種や「リュウキュウアセビ」などの白い花なども鉢植えに適している品種です。

こうした品種でアセビの小さな花の美しさを堪能するために鉢植えで育ててみるのもおすすめです。

アセビの多様な魅力に触れてみませんか

いかがでしょうか。アセビの木には花の魅力に加え、「馬酔木」といった漢字も知ることで不思議な特徴があることがわかります。似たような花も多いのですが、アセビならではの白以外の赤い花も咲かせる「クリスマス・チア」やピンクのかわいらしい「スプリング・ベル」なども魅力の一つです。光沢のある緑の大き目の葉っぱも魅力的と言えるでしょう。

鉢植えで育ててもかわいくて楽しいアセビです。早い春を楽しむ木として育ててみてはいかがでしょうか。

アセビには長い歴史がある?名所を訪ねて

アセビは、万葉集の歌にも歌われているほど、古い歴史を持った植物です。「馬酔木」という字などもよく見たことがある人もいることでしょう。

そのアセビの歴史についてここでは詳しくご紹介したいと思います。

庭や境内に咲くアセビ

「磯の上に生ふるあしびを手折らめど見すべき君がありといはなくに」といった歌が大伯皇女によって作られています。本州から南に自生する植物で、古くから愛されていることが歌からもうかがえますよね。

「あしび」と言われているのは、馬が葉っぱを食べて足がしびれるようになったことから昔は「あしび」とも呼ばれていました。「あしび」から「あせび」という名前になり、文字は「馬酔木」という字があてられたようですね。

庭や公園でも積極的に植えられている木です。丈は、1.5m~2mなどとなっていますが、意外と大きくなって3mを超えるものもよくあるようです。お寺の境内などにも古くから植えられ、花の季節はアセビを目当てに訪れるひともいます。

京都府木津川市の小田原山「浄瑠璃寺」には、3月頃にアセビの花が咲き始めます。参道に3mを超すアセビが15本程度連なって咲き乱れます。その様子は圧巻です。すずらんのような花ですが、たくさん垂れ下がって咲く様子は何とも風情もある花ですよね。元々は「浄瑠璃寺」でも山などにもっと多く生えていたアセビだそうです。

広島の宮島にも「あせび遊歩道」が実は多くあり、アセビは宮島を代表する花にもなっています。2月下旬~4月下旬に宮島に行くとアセビのたくさんの白い花が出迎えてくれることになりますよ。

鹿で有名な場所に多いアセビ

実は、この宮島でアセビが多く見られるのには一つの理由があります。アセビには、葉や茎に毒があるということでしたよね。

古くは、「本草綱目啓蒙」にアセビについてこう書かれています。「菜園に、小長黒虫を生ずるに、この葉の煎液を冷めてから灌ぐ時は、虫を殺す」と虫を駆除する薬として使われていました。アセビは古くからよく知られ、生活の中で活用されてきたようですね。

有毒の「アセトポキシン」があるため、草食哺乳類でもアセビは食べないのが特徴です。そこで、鹿やその他の草食動物が多い場所でアセビがよく植えられています。唯一食べられないアセビを植えることで緑化を図っています。そんなことを知ってみると面白いですよね。

アセビがたくさん植えられている場所は、もしかすると、草食動物が多い所かもしれないと思ってみるといいかもしれませんね。

古くからお寺などにもよく植えられているのはそうしたことなのでしょうか。

そして、鹿が有名な奈良公園にもアセビがたくさん植えられています。春日大社参道の二の鳥居の手前から南の道に入ると、「ささやきの小径」という場所があります。そこの両側が長くアセビが連なった場所となっていて、名所としておすすめです。

2m~3mに大きく成長した多くのアセビが並ぶ景色は、いいですよね。たくさんの白い花が垂れ下がった様子を眺めることで、春を早めに感じたい人にもおすすめです。

また、実はアセビは、成長が遅いのですが、2mや3mといったアセビを見かけるのは、古くから植えられてもいるものでもあるでしょう。動物にも食べられずにゆっくりと成長してきた証でもありますよね。アセビは、1年で10cmほどしか伸びないとも言われています。

家の垣根などにしようなどと考えている人は、苗の大きなものを買ってくるのがベストです。また、成長スピードが遅い木ですので、狭い庭でそれがいいという人もいるでしょう。

樹形もそのままにしておいても割とまとまりやすく、育てやすい木です。

アセビの花言葉を知っていますか

歴史もあるアセビですが、毒があるということから花言葉の意味がきています。毒があるということがいい意味に捉えられた花言葉で、「献身」や「犠牲」となっています。

自分自身に毒があり、それを悪いものを駆除したりするために使われていることで、献身的な、自己犠牲的な点が評価されています。

確かに実際に植えられている場所ではそんな役割を果たしていることも多いと言えますよね。長年にわたって古くからそういう歴史と役割を持った木と言えます。

アセビの花を切り花でプレゼントする時は、花言葉も知っておくといいですね。

アセビの歴史と名所の魅力

いかがでしょうか。アセビは、宮島や奈良公園など名所と言われる場所にも見かけたりする木です。白い花が鈴なりに咲き誇る様子は趣があっていいですよね。花に派手さはありませんが、たくさんの花が咲くところ、そして意外と大きな木になるアセビに、花が垂れ下がるように咲く様子は春を感じさせます。

毒があるということで、逆に草食動物対策にそれで多く植えられることにもなったアセビです。アセビの花の魅力とともにそうした生活に密着した木であることも知っておくといいですね。

アセビのことをよく知った上で、有名な名所をあらためて楽しんでみるのもいいですよね。

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