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知るときっと始めてみたくなるレザークラフト

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女性にも男性にも人気のクラフト

レザークラフトと聞くとどのようなものを思い浮かべるでしょうか。革のキーケースや模様が細工してあるゴツゴツしたお財布など、身の回りにあふれています。工具などを使う男性の趣味のイメージがありましたが、近年では女性にも人気が高くミニチュア革小物の書籍も多数販売されています。
雑貨から大きなバッグまで、レザークラフトについて見ていきましょう。

レザークラフトとは

革を加工する工芸のことを幅広くレザークラフトと呼んでいます。最古の革製品は紀元前2600年ごろのエジプトのサンダルと言われています。古代ギリシャやローマでは靴や財布などの日用品から装飾品まで幅広いシーンで愛されていました。
人類の歴史には常に動物が寄り添っています。動物の命を頂きながら生活をしてきた文化の結晶とも言えます。

レザークラフトを始める前に知っておきたい用語

レザークラフトにはあまり聞きなれない専門用語があります。別の言葉に置き換えているだけなので知ると意外と簡単に使いこなせます。

コバ:切断した革の断面のことです。
銀面:革の表面のことを言います。(動物の皮の表にあたる面)
床面:革の裏側のことを言います。(動物の肉とくっついていた面)毛羽立ってざらざらしている面です。「スエード」や「ベロア」はこの面の毛羽立ちを生かした革製品です。
シボ:革の表面の凹凸ある模様のことで、ワニなどの特徴的なあの柄のことをシボと言います。

レザークラフトに必要な道具

道具もちょっと特殊ですが使い方は難しくありません。

・別たち:通常のカッターの形とは異なりますが、使い方は一緒です。革に対して45度くらいに別たちを傾けて使います。値段は400円弱とカッターとさほど変わらないので専用に持っているとよいでしょう。はさみも使えますが、厚い革をはさみで切ると、コバがきれいに出ません。柔らかく薄い革でない限り、カッターを使用することをお勧めします。

・カッティングマット:革を切るときに下に敷きます。

・定規:プラスチックであれば厚みのある方眼付きが便利です。方眼のラインに合わせて水平にカッターを入れることができます。定規をカッターで削ってしまった経験のある場合はアルミやステンレス製の定規が良いでしょう。予算があれば両方揃えると使い分けられて便利です。

・目打ち:キリのように先がシャープにとがっています。目印を付けたり穴を開けるときに使います。

・菱目打ち:革に糸を通すための穴をあける用具。等間隔に穴が開くように細かい平たい刃先が並んでいます。穴を開けたいところに刃先をのせ、垂直にハンマーで菱目打ちの頭をたたいて穴を開けます。刃先の数は2本〜8本まであります。小さい作品だけを作るのであれば2〜3本でもよいですが、大きな作品では場所によって使い分けるので複数持っておくと便利です。

・ハンマー:革に穴をあけるときに使います。革は固かったり厚みがあるので、糸で縫い付ける前に先に穴を開けます。その穴を効率よく開けるためにハンマーの衝撃を利用します。音を吸収しやすい木づちやゴム製が一般的です。

・ゴム板:穴をあけるときに革の下に敷いて使います。

・ろうひき糸:糸をそのまま使ってしまうと糸が固い革に擦れて毛羽立ってきます。その毛羽立ちを防ぐためにあらかじめろうがしみこませてある太めの丈夫な糸を使います。

・レザークラフト針:革用の針は布用に比べて刃先が丸く、革の表面を引掻かないようにできています。針は太く針穴まわりもしっかりしているので、丈夫なろうひき糸もしっかりホールドします。糸を同時進行でクロスさせながら縫っていくので2本用意しましょう。

・トコノール:コバの表面を整えます。切断面は床面と同じく毛羽立ちます。その毛羽立ちを抑え、光沢を与えることによって作品の完成度をワンランクアップします。

・コーンスリッカー:コバ(革の断面)を磨くための道具。木製の表面が固い革の断面に光沢を与えきれいに磨きます。

レザークラフトの方法(縫い方)

基本的な流れ

型紙を写す:ペンなどで床面に型紙を写す方法と、銀面に目打ちで線を引きながら下描きをする方法があります。ダイレクトに傷をつけるのは抵抗がありますが、切断するときにくぼみが刃先をリードしてくれます。

カットする:柔らかい革であればサクサクはさみでも切れますが、厚く固いものであればカッターを使いましょう。

穴をあける:印をつけて目打ちで一つ一つ開ける方法や、菱目打ちで数個一気に穴をあける方法もあります。作りたいアイテムに合った方法を選びましょう。

針で縫う:厚めの革であれば接着する前に革用の接着剤であらかじめくっつけておきます。乾いてから縫います。

コバを磨いて仕上げる:縫い合わせてそろったコパを磨きます。強さや磨く時間によって仕上がりを調整できます。

レザークラフトをもっと特別なものに

あなたの作ったアイテムをもっと特別なものにするために一工夫。
オリジナルのマークを入れることで全体の印象が引き締まり、世界に一つのアイテムになります。

焼き印:英語では「ブランド」と言います。高級なイメージのある「ブランド」という言葉はこのbrandに由来しているといわれています。鉄の部分を火であぶって高温にし、革の表面を部分的に焦がしてマークを付けます。

刻印:鉄で作ったスタンプ状のものをハンマーで叩き、くぼみをつけます。

スタンプ:刻印や焼き印が高価だと感じるときには手軽にスタンプなんかはいかがでしょうか。革製品は頻繁に洗うものではないので油性インクを使えば半永久的にデザインが残せます。

さいごに

専門の用語や道具が出てきましたが、難しく考えることはありません。要点を押さえればシンプルなものを完成度高く仕上げることができそう気がしませんか?まずは端切れのサイズから試してみましょう。

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
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