小物

カルトナージュの始め方

関連キーワード

厚紙でできているとは思えないほどしっかりとした作りのカルトナージュ。
起源はフランスと言われていますが、エジプトのミイラを亜麻布などで包む技術もカルトナージュと呼ばれています。
包んで装飾を施すという技術は共通点しているものの細かいことは分かっていないようです。

本項ではカルトナージュを厚紙(カルトン)の表面に布や紙を張り付けて装飾を施す技法としてご紹介します。

カルトナージュとデコパージュの違い

フランス発祥といえばデコパージュもありますね。『素材を表面に貼り付けて装飾を施す』という点で共通しているのでどう違うの?と思われるでしょう。では、その違いを実際に写真で見てみます。

左はデコパージュで右の画像はカルトナージュです。
左のデコパージュの方はライスペーパーを使用しています。ライスペーパー自体は正方形ですが、花の柄だけを切り取り、柄を配置してデザインしています。このようにデコパージュは主に「柄」にフォーカスしています。仕上げにデコパージュ液を表面に塗って仕上げ、表面のフラットな質感もデコパージュの特徴です。

それに対しカルトナージュでは表面に貼り付けた素材の質感をそのまま残します。画像右の蓋部分のように、厚紙と布の間に綿を挟んでさらに柔らかい厚みを持たせることもカルトナージュの大きな特徴です。その名称通り、組み立てた厚紙(カルトン)に布を表面を覆いかぶせるように布や紙を貼り付けます。基本的には1〜3?ほどの厚さのある丈夫な厚紙を使いますが、牛乳パックや商品の空き箱などをリメイクする方法をよく目にするでしょう。

リサイクルに関心が高まっている近年、カルトナージュの注目度もまた、上昇しています。表面に貼り付ける布や紙以外にも様々な装飾品をあしらうことによってリメイク作品とは思えない物も多く見かけます。

カルトナージュに必要なものは?

お試しで始めてみるのであれば一般家庭にある文房具で申し分ありません。作品の完成度や作業効率を高めたい場合には適したものを徐々に買い足していくとよいでしょう。

厚紙…厚紙が基本ですが、牛乳パックや商品を買ったときに付いてくる厚めの紙箱などを代用してもよいでしょう。一から切ったり組み立てるのが面倒なときにはカルトナージュ用の紙箱や木箱を購入してみましょう。

はさみ…貼り付ける布をカットするときに使います。

カッター…厚紙を切るときに使います。

接着剤(ボンド)…カルトナージュ専用の接着剤も多く販売されていますが、お試しであればボンドで代用可能です。さらにきれいに仕上げたいときにはカルトナージュ専用液をおすすめします。

定規…箱や布の計測に使います。また、厚紙を真っ直ぐきれいにカットするためには定規は欠かせません。

カッティングマット…厚紙は固いので机を傷つけないよう、カッターマットを必ずお使いください。

筆やスポンジ…ボンドを塗るときに使います。もしなければ厚紙の端材でも代用できます。断面が真っ直ぐで持ちやすいサイズのものを選びましょう。

シャープペンシル…カルトナージュは厚さ1mmの誤差が仕上がりを左右することもあります。なるべくラインが安定的に細く書くことができるシャープペンシルがおすすめです。鉛筆を使うときにはこまめに鉛筆の芯を削りましょう。ペンで代用する場合はペン先が細く、布の表面にしみこまないインクを選択します。

水貼りテープ(クラフトテープ):箱の補強に使います。片面に霧吹きなどで水をかけて接着します。水が必要だったり、湿気でテープが丸ごとくっついてしまったりというトラブルがあるので、始めは無地のマスキングテープで代用することもできます。100円均一の工具・DIYコーナーなどで販売されています。白やクリーム色の薄い色を選択しましょう。

カルトナージュの完成度を上げる、あったら便利なもの!

布テープ、デザインマスキングテープ:布の端処理や、縁の装飾にも使えます。

リボン:小さなボンボンが付いたものやレース調のものなどを仕上げにつけるとさらに華やかになります。シミができてしまったときの目隠しにも使えます。

コーナー台(コーナーフット):箱の底、四隅に接着します。小さな足がついているので装着後は箱自体が少し浮きます。

コーナー金具:ふたなどのコーナー部分につけます。完成度が上がるのと同時につぶれやすい角の補強にもなります。

タッセル・ハンドル:箱の開閉に使う装飾です。タッセルは高級感がでます。ハンドルはヴィンテージものやシャビーシックなものなど大きさやスタイルも幅広くあります。

メタルネームプレート:プレートの中央部分が開いており、ラベルを出し入れできます。使わなくてもヴィンテージ風のプレートを付けるだけでもおしゃれに仕上がります。

割りピン:プレートや透かしパーツなどを固定するときに使います。また、割りピンを並べるだけでもワンランク上の仕上がりになります。

留め具:ボックスの口部分に取り付けます。デコレーションにもなり、ボックスの蓋を固定する役割も担います。

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ