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知って、作って、大人の万華鏡!

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万華鏡のこと、どれだけ知っていますか?
筒の中にきらきらと光る美しい模様。二度と同じものは見られない儚くも永遠に続く小さな世界は子供も大人も虜にします。子供のころに手作りしたことがある方もいるでしょう。万華鏡には様々な形があり、世界の万華鏡作家が日々新しい作品を作り出しています。

万華鏡の起源は1817年でスコットランドの物理学者デビット・ブリュースタ―が特許を取得したのが始まりです。
当時はチューブの中にミラーとオブジェクトを詰めただけのとてもシンプルな形でした。それから1873年にアメリカでチャールズ・ブッシュによってさらに進化を遂げます。
瓶の中にオブジェクトを詰め、瓶を動かすことによって模様を変えるという現在の形が確立されました。

万華鏡の種類

アメリカで発展してきた万華鏡は英語で『Kaleidoscope(カレイドスコープ)』と呼ばれます。ギリシャ語の「Kalos(美)」+「Eidos(形)」に英語の「Scope(見る)」を組み合わせて名付けられました。多くはカレイドスコープのようにあらかじめオブジェクトを入れてその模様を楽しみます。カレイドスコープを調べていくと、テレイドスコープ(Teleidoscope)という言葉も目にするでしょう。オブジェクトがなく、透過性のある球面を通して景色などを楽しむ万華鏡のことを特に『テレイドスコープ(Teleidoscope)』と言います(画像はテレイドスコープ)。

カレイドスコープは筒の端にオブジェクトと呼ばれる装飾物(以下オブジェクト)を入れ、反対側ののぞき穴から内蔵された鏡に映し出される模様を楽しむ形のものです。カレイドスコープには『セル(チェンバー)タイプ』『ワンドタイプ』『ホイールタイプ』『マーブルタイプ』があります。それぞれの特徴を写真と一緒に見てみましょう。

・セル(チャンバー)タイプ:もっとも一般的な形で、セル(チャンバー)と呼ばれる容器の中にオブジェクトを入れます。日本の民芸品として多く流通しているのもこの形です。オブジェクトはビーズやホログラムなどを詰め込んだだけのドライタイプと、それに加えてオイルを一緒に詰めたオイルタイプがあります。

・ワンドタイプ:筒状のワンドと呼ばれる容器を端に付けたものです。多くはオイルの中にオブジェクトを入れてゆっくり変わりゆく模様が楽しめます。

・ホイールタイプ:ステンドグラスのような透過性のある円形のオブジェクトがついているものです。円盤を回転させて模様を作ります。円盤の間にオブジェクトを閉じ込めたタイプもあります。

・マーブルタイプ:外観はテレイドスコープのようにガラスの球体がついています。球体はビー玉のマーブル模様がついていたり、球体の中にオイルとオブジェクトが閉じ込められているものもあります。

【作れる!ちょっと大人のテーパードミラー型万華鏡】

万華鏡はオブジェクトだけではなく、ミラーの構造にも種類があります。
ミラーを2枚、3枚、4枚と向かい合わせて角度をかえたり、それ自体を円形にしたものもあります。ミラーの形や数の組み合わせを変えるのも万華鏡の楽しみ方のひとつです。

万華鏡を手作りするときに最も簡単で一般的なのはセルタイプのミラーを3枚合わせた形でしょう。

今回は、その方法をちょっとだけ変えて大人の美しい世界を作ってみます。多くはミラーの形は長方形ですが、今回は『テーパード』にしてみます。
台形を縦長にしたような形ですね。画像左は通常の長方形のミラーを3枚合わせたもの、右はテーパード型のミラーを同じく3枚合わせたものです。どちらものぞき穴とセルの距離は同じです。この形のミラーを3枚合わせることにより、両端にサイズの違う正三角形ができます。小さい正三角形の端にセルを配置すると、のぞき込む方の端に向かって反射が大きく広がっていきます。

更にオブジェクトの中にオイルを入れてみましょう。オイルが漏れないようにひと手間かかりますが、ゆっくりと形を変える妖艶な動きを作り出すことができます。

材料:
テープ、ラウンドケース、アクリルミラーシート、厚紙、オブジェクト(パールビーズとホログラム使用)、筒、オイル(ベビーオイルなど)、接着剤、デザイン紙、スポンジやコットンボールなど、やすり、カッター

作り方:
1.アクリルミラーをカット
カッターでアクリルミラーをテーパード型にカットします。定規に合わせてカッターで何度か切込みを入れて溝を作ります。ある程度溝が深くなったら両手で切込みに合わせて折ります。ミラー部分を傷つけないように、断面をやすりで削ります。

2.ミラーを固定
3枚を組み合わせてテープで固定します。ミラーの断面の角を合わせると隙間が出やすい場合があるので、片方の断面を隣の面の端にくっつけます。こうすることで隙間がきれいに埋められ、更に正三角形ができます。

3.のぞき穴を作る
筒の外形を厚紙に写し、さらに5ミリほど大きくのりしろをとりカットします。円の中心にのぞき穴となる穴を開けます。のりしろに切込みを入れて筒の片方に貼ります。

4.ミラーを筒に固定
ミラーを筒の中に入れて、スポンジやコットンボールを詰めて固定します。

5.オブジェクトの配置
ラウンドケースの中にオブジェクトをいれます。実際にミラーに反射させてオブジェクトの量や内容を調整します。オイルが漏れないようにケースの蓋に接着剤をつけ、オブジェクトと一緒にオイルを入れてからケースを閉じます。蓋の周りをテープで留め、筒の端にラウンドケースを固定します。最後にデコレーション用のデザイン紙を巻いて完成です。

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
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