ガーデニング

夏の風物詩「朝顔」を育てるコツと気をつけること

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朝顔は、日本の夏の風物詩として、古くから親しまれてきています。
学校や公共施設でもグリーンカーテンとして栽培されていることがよくあり、子供が夏休みに、育てた朝顔鉢植えを持ち帰ることもあります。

夏休みの自由研究や宿題として、「朝顔の観察日記」をつけるのは定番のように思われますが、実際にやったことのある人はそう多くはないように思います。
朝顔の種をまいて育てたら、夏の朝に花が咲く」ということは誰もが認識していることですが、実際に、朝顔はいつ種をまくのがよいのか、どれだけの人がはっきりわかっているのでしょうか。
朝顔鉢植えはあんどん仕立てになっているイメージがありますが、ツルが伸びてきたとして、何もしなくても本当にあんなふうになるのか、そうでないのか、それすら、きちんと理解している人も多くはありません。

朝顔の育て方について、今一度確認し直してみましょう。

朝顔の種まきは十分に気温が高くなってから

朝顔の発芽適温は20〜25℃と高いので、気温がしっかり高くなった5月上旬から、遅くとも6月中旬までに種まきしましょう。

朝顔の種は硬いので、種の丸みを帯びている部分を少し、カッターなどで切り取ってから、半日くらい水につけておいたものを種まきに使います。
種の色が少し白くなっている部分は芽が出てくるところなので、絶対に傷つけないようにしましょう。

普通の草花用の培養土を用いて、直径30cmくらいの鉢に3粒種まきします。
種は、近くに種がある方が、発芽率が高くなるので3粒植えて、最終的には1本になるように、元気のない育っていない苗を切り取って間引きます。

種の丸みを帯びた部分を上に向けて種まきし、1cmくらいの深さになるように土をかぶせます。
種まきするところに、底から水が流れ出るまでタップリ水やりして、十分土を湿らせてから種まきし、発芽するまで表面の土が乾かないように注意してください。
鉢底に水を溜めておく底面給水で対応することもできます。

朝顔は苗からも育てられる

朝顔を種で購入するとかなり安価ですが、種が多く入っています。
朝顔は一株でも栽培スペースはたっぷり必要になるので、種がたくさん入っていると余ってしまいます。
残った種を冷蔵庫で保存すると、種の品質の低下がある程度は抑えられますが、翌年は発芽率が悪くなってしまいます。
また、5月中には種まきしたいと思っていたけれど、気がついたら6月下旬だったということもあります。

種が残ってばかりなのは嫌なとき、種まきのタイミングをのがしたとき、種から育てるのが面倒なとき、朝顔を苗から育てるのもおすすめです。
5月中旬以降、朝顔の苗も流通しています。
7月初旬に朝顔市があるので、朝顔市であんどん仕立てに整えられた朝顔を購入してくるのもおすすめです。

朝顔の水やりは朝夕に表面の土が乾いたら

朝顔は、土がずっと水浸しなのは好きではありませんが、水は好きな植物です。
表面の土が乾いてきたらタップリ水やりするようにします。
乾きやすい夏は、朝夕タップリ水やりしましょう。
水やりのタイミングは、朝は遅くとも10時頃までに、夕方は涼しくなってきた4時以降がおすすめです。

学校で水やりするとき、昼休みがちょうど都合がいいと考えるケースが多いようです。
11〜15時に水やりすると根がダメージを受けやすくなるので、この時間帯は避けるようにしましょう。

朝顔は肥料食いなので肥料はたびたびたっぷりと

生育も旺盛で花もよく咲く朝顔は、肥料食いです。
肥料がないと、生育も花も今一つになってしまいます。
しっかり育てるためには、しっかり肥料を与えるようにしましょう。

毎週1回、液体肥料を水の代わりに与えましょう。
緩効性化成肥料を、毎月株元にひとつかみまいておくのもおすすめです。
両方やっておいて損はありません。

朝顔はアブラムシが付きやすく、アブラムシがつくと生育が悪くなるので、予め株元にオルトランなどをまいておきましょう。

朝顔の摘芯と誘引

朝顔の葉っぱが8〜10枚になったら、つるの先端の芽を切り取る「摘芯」を行いましょう。
摘芯することで、葉っぱの付け根から脇芽がどんどん伸びてきて、ボリュームのある株に成長していきます。
枝分かれした枝に葉が8〜10枚ついたときも、その先端を切り落とす摘芯を行います。
8月くらいまで摘芯を繰り返していくと、どんどん株が大きくボリューミーなものに変わっていきます。

8月以降は、つるの先端から子蔓がどんどん伸びていきます。
大輪の品種の場合、花を大きくするために、子蔓が伸びないように、元からとりのぞきましょう。

あんどん仕立てにする場合、朝顔のつるが20cmくらいまで伸びたら、鉢の四方に棒を挿して、棒の周りにつるを誘引していきましょう。
つるは支柱に左回りの螺旋状にぐるぐる巻きつけ、先端だけ支柱に絡ませるようにして止めます。
すぐに巻きひげが伸びてきて、しっかりと絡みつき、枝分かれした枝も絡みついていくので、支柱の周りに巻き付けただけの部分も、しっかり固定されていくようになります。

朝顔は、昼間が短くなって来ないと花芽がつかない短日性植物です。
このため、夏至が過ぎないと花芽ができないので、花が咲きません。
ずっと室内栽培していたり、照明が常時ついている場所で育てると、花が咲きにくくなってしまいます。
朝顔は日当たりが良くないと生育も悪くなるので、よく日の当たる場所において、周りに常時ついている照明がない場所を選んで育てるようにしましょう。
朝顔には、室内は明るい場所でも日照条件が悪すぎるので、屋外の日当たりの良い場所で育ててください。

変わった朝顔をむやみに育ててみないように

古くから親しまれている朝顔は、夏7〜9月の朝に花を咲かせて、昼前にはもうしぼんでいます。
熱帯アメリカ原産のアメリカアサガオと、アメリカアサガオを元にヨーロッパなどで品種改良されたマルバアサガオは、江戸時代末期に観賞用として導入されたものですが、現在日本中で野生化しています。
繁殖力が強いので、道端の朝顔は持って帰って栽培するのはやめましょう。

琉球朝顔・野朝顔とも呼ばれることがある西洋朝顔は、開花時期が8月下旬〜11月中旬くらいなので、夏というより秋に開花し、とても良く茂るためグリーンカーテンにぴったりです。
逆をいえば、ちいさな植木鉢で育てるのに向かない品種です。
冬に枯れるものもあれば、地下部で生き残って毎年咲くものもあるので、植える場合は毎年咲いてしまったとしても、困らない場所にしましょう。
ずっと枯れずに生き続ける多年草朝顔もあり、これはどんどん広範囲に広がっていくので、植える前にほんとうに大丈夫なのか、しっかり考えましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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