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日本三大うどん : 讃岐うどん 稲庭うどん 水沢うどん

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日本三大うどん

どんなジャンルにも“御三家”と呼ばれる、そのジャンルの最高峰がありますよね。
うどんの世界で、その最高峰に数えられる“日本三大うどん”と呼ばれているのが、香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどん、そして群馬県の水沢うどんです。
それぞれが、各地域の特色を活かした麺作りを行い、甲乙つけがたい魅力を生み出しています。

讃岐うどん

日本で一番有名な、うどんの名産地と言えば、まず最初に思い浮かぶのが、今や“うどん県”として全国に知られる香川県。
“うどん県”と宣言するだけあって、香川県の一人あたりのうどん消費量は、日本全国の都道府県別統計データでもずば抜けており、うどん店の数は実に800店とも言われています。
また、観光客が香川県を訪れる理由の第一番に挙げるのが、「うどん」だそうです(2010年/香川県観光交流局調査)。

そんな“うどん県”で生まれ愛されてきたのが、ご存知、讃岐うどん。
10年ほど前には、“うどん不毛地帯”の東京に「讃岐うどん」のチェーン店が相次いで進出し、瞬く間に“不毛地帯”の名を返上する勢いでした。
そんな東京進出も手伝って、讃岐うどんは今や日本中津々浦々まで、その名が知れ渡る超人気うどんになりました。麺は色つやともに白く輝き、見た目も美しい。足踏みと寝かせを繰り返すことで、しっかりと鍛え上げられたコシの強い麺は、文字通りシコシコ。
口にふくむと、ほのかな甘さが感じられ、さすが、王道の麺と感動させられます。また、基本ダシには、いりこを使うことが定番ですが、その他にダシ節昆布などを合わせます。

讃岐うどんの麺を最高レベルで味わうには最もシンプルな食べ方が一番とか。
麺の旨さがストレートに伝わってくる「つけざる」や、冷水でシメた麺に醤油をかけただけの「醤油うどん」がオススメです。

稲庭うどん

コシが強く、食感は滑らかでツルンとして、口に入れるとなんともいえない感触が…。
そして、他のうどんにはない上品さが、稲庭うどんの特長です。それもそのはず、稲庭うどんは、江戸時代には秋田藩の御用達として、将軍家への献上品や大名たちの贈答品に使われた高級品だったのです。それ故に、庶民の口に入る機会は少なく、昭和になった頃ですら庶民の口に入ることは滅多になかったといいます。

稲庭うどんが、他のうどんと一線を画する理由は、その独特の製法にあります。普通のうどんが小麦粉の生地を延ばして細く切った麺であるのに対して、稲庭うどんは、生地を手の平で練り、捻り、引っ張ることによって細い麺にしていくという製法です。茹でた麺は細く、それでいてコシがあり、食感はツルリと喉ごしが良い。稲庭うどんは、暖かくしていただいても美味しいですが、冷やして水切りをし、せいろなどに盛っていただくとさらに旨さが引き立ちます。

また、他のうどんが「生麺」であるのに対して、稲庭うどんは「乾麺」であるという点も異色と言っていいでしょう。
前述の手作業で製麺された後、乾燥させることで長期保存にも優れている点もまた稲庭うどんの特長です。秋田県・稲庭一帯は県内有数の豪雪地帯で、作物を栽培できるのは年に1度だけ。それ故に、この辺りでは、稲に比べて寒さに強く、稲作に不向きな環境でも栽培できる小麦の栽培が盛んだったとか。
貴重な小麦を収穫後に長期間の保存にも耐えられるようにするべく開発されたのが、稲庭うどんだったというわけです。

稲庭うどんが初めて世に出たのは、300年位以上前と言われています。
その誕生の由来などについては様々な説があり定かではありませんが、記録として残っているのは、1665年(寛文5年)に佐藤吉左衛門(後に、稲庭吉左衛門に改名)という人物が創業したというのが現在の定説になっています。
やがて、幕末の頃になると、同家の血縁の佐藤養助家が稲庭うどんの製造を始めたのですが、吉左衛門が、その独特な製法を“門外不出”としていたため、稲庭うどんは長らく、この吉左衛門と養助家だけで作られていました。
それが、漸く“解禁”されたのは、意外と最近で、実に1972年(昭和47年)に七代佐藤養助が製法を“公開”するまで、稲庭前出の二軒だけで作られていたのです。製法の“公開”後、稲庭うどんの製造者数は次第に増加し、現地では多くの業者が製造を始め、2001年(平成13年)には「秋田県稲庭うどん協同組合」が設立され、伝統の名に恥じない高品質な稲庭うどんの製造が守られています。

水沢うどん

水沢うどんは、名湯・伊香保温泉が有名な群馬県渋川市伊香保町水沢の名物料理。飛鳥時代に建てられ
た水澤寺を訪れる参拝者たちが食べたことが、その名前の由来とされています。以来、400年以上にわたって、水沢うどんは、お寺の参拝者を虜にし続けています。
添加物は一切使用せず、小麦粉・塩・水沢の水だけで作られる水沢うどん。その麺の特長は、なんといってもコシと弾力にあります。コネ・伸ばし・寝かせを繰り返し、製造日数に数日かかる大変手間のかかる作業で作られる麺は、茹で上げると白く輝き、箸でつまんでよく見ると、ところどころが透き通っていて芸術品のような美しさ。茹で上がった麺を冷水でシメて、ざるうどんで食べるのが定番。つけ汁は醤油だれ、ゴマだれなどがあり、お店によって異なります。

水沢うどんが食べられるお店が建ち並ぶ、通称「水沢うどん街道」は、伊香保温泉街から車で7、8分程の好ロケーション。温泉を訪れる機会があったら是非、帰りにブラリ立ち寄って、水沢うどんをお試しあれ! ちなみに、お土産用に乾燥させた麺を販売していますので、こちらも見逃せません。
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