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シャガは歴史的に古い?アヤメとの関係は?

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シャガ」という花を知っていますか。一見アヤメのようなランのような花を咲かせる花です。薄く紫がかった白地に青い斑点などが入った花で清楚な印象を受ける花です。「シャガ」がたくさん咲いている様子が好きな人も多くいます。

また、アヤメに似ている花ですが、アヤメとの関係が気になります。「シャガ」について詳しく調べてみました。実は、歴史的に古い花でもある「シャガ」ですが、知られていないことも多い花です。

「シャガ」は、中国由来で日本に広まった植物

シャガ」という名前は変わっていますよね。漢字で書くと「射干」や「著莪」となります。別名では「胡蝶花(こちょうか)」とも呼ばれています。ランにも似たような花なのでそんな名前もついているのでしょう。

アヤメアヤメ属の花で、中国東部からミャンマーなどに見ることができ、日本にも自生しています。日本で有名なのは「スジシャガ」で、葉に白い斑が入っているのが特徴です。300年以上も前から日本で栽培されている植物と言われています。

元々、中国産で「射干(シャガ)」の日本語読みですが、本来「射干」は「ヒオウギアヤメ」のことでそれに似ていることから間違って名前が付けられたとも言われています。

シャガ」という名前は、元々中国産なので変わった名前となっていることがわかりますね。

中国からかなり古くに伝わった植物で、種小名には「japonica(ジャポニカ)=日本の」という文字が使われていて日本ではお馴染みの花になっています。

日本では低地や森林の湿った場所などにたくさん生えているのをよく見かけることができます。丈夫で生育が旺盛なので根が横に伸びて広がっていくために群生している様子が見られるのです。

本州から九州にかけて日本で広く見られる「シャガ」です。名前は知らなくても見たことがあるという人も実は多いのではないでしょうか。常緑の多年草で、葉っぱもスッとしていて特徴的です。下草などにも利用されていて人気の「シャガ」です。

「シャガ」の花はアヤメとどこが違う?

シャガ」はもちろん花が魅力的で、アヤメに似た花を咲かせます。アヤメとはどこが違うのかといいますと、「シャガ」の花はアヤメ花しょうぶよりも早く4~5月頃に咲きます。

花も花径5cm位と小ぶりな可憐な花が特徴です。花色は白と薄青の2色しかないのもアヤメとの大きな違いです。花弁は、縁にギザギザがあってフリルのようにヒラヒラしているのが魅力的です。

「胡蝶花(こちょうか)」という別名があるのは、蝶が飛んでいるように花びらがヒラヒラしている様子から付けられているのではないでしょうか。

私たちはちょっと湿った暗い林の中にたくさんの「シャガ」の花をよく見つけることができます。花は1日だけで枯れてしまう特徴もありますが、次々に花が咲いていきますので楽しめます。

何だか儚い野の花といったイメージの「シャガ」の花です。草丈は30cm~70cmとアヤメとあまり変わらない位あるでしょう。

実は日本に広まっている「シャガ」は実を付けないと言われていてどうやって日本に広まったのだろうと不思議がられてもいます。

また、「シャガ」とよく似た花に「ヒメシャガ」といった、もっと小さな花が咲く山野草もあります。こちらもアヤメアヤメ属ですが、「シャガ」と違って冬には地上の葉が枯れてしまう特徴がありますので「シャガ」と区別することができます。

群生する花が人気!

シャガ」の花は、可憐な姿や群生して一面に咲いている様子が人を惹きつけます。「シャガ」をたくさん植えてみたいと思っている人も多くいます。

1株植えれば、それが半日陰でも丈夫に育っていき、土も選ばずにどんどん増えていきます。

ただ花を咲かせるためには、半日陰でも肥沃な場所であることが大切です。条件が整わない場合には花が咲かないこともありますので注意をしましょう。

人から1株分けてもらって増やしてみるのもいいでしょう。群生させて小さな花々が咲き乱れるのを楽しんでみませんか。

「中国青花 シャガ」なども売られていて30cm~40cmの小さめの青い花の「シャガ」も魅力的です。茂らせて青色の花の「中国青花 シャガ」をグランドカバーにしてみてもいいですよね。

もちろん白い「シャガ」もグランドカバーにすると、白い蝶が飛んでいるような優雅な庭になります。

「シャガ」は古くから親しまれていて群生しているのが魅力

いかがでしょうか。「シャガ」は実は古くから日本で育つ植物で、森林の近くに群生している所もあります。アヤメよりは野趣あふれる雰囲気です。小さな花が咲き誇った様子はとても美しいものです。アヤメとは異なる自然な雰囲気も楽しんでみてはいかがでしょうか。

育てやすく増やすことも簡単な「シャガ」を庭に植えて「シャガガーデン」を作ってみるのもいいかもしれません。「japonica(ジャポニカ)=日本の」といった名前も付くほど日本らしい「シャガ」です。古い歴史もあって親しまれている花ですので庭でもっと楽しんでみてもいい植物と言えます。

長い歴史のスジシャガ!準絶滅危惧種のヒメシャガを大切に

シャガ」は中国が原産で、日本にも古くから自生していますが、アヤメなどとはまた違った可憐な美しさがあります。

シャガ」の品種の一つ「スジシャガ」や「シャガ」に近い品種と言われ、準絶滅危惧種になっている「ヒメシャガ」の花や葉が愛されています。「シャガ」、「スジシャガ」や「ヒメシャガ」との違いなどについてもご紹介します。

「シャガ」の主な品種、斑入りの葉が美しい「スジシャガ」

シャガ」の品種の一つには、「スジシャガ」があります。「スジシャガ」は300年以上も栽培されている歴史の長い植物です。中国原産で日本に伝来してきた「シャガ」ですが、江戸時代の頃から家の庭や生け垣の下草などに植えられることが多かった古くから知られている「スジシャガ」です。

スッとした葉に白い斑が入っていて筋が入っているように見えるので「スジシャガ」と呼ばれています。花だけでなく葉も美しく、日本でも長く育てられているので日本原産のようにも思われている「スジシャガ」ですが、実は中国が原産です。

いろいろな違いがある「シャガ」と「ヒメシャガ」

人里近くで群生しているのでよく目に付く「シャガ」のたくさんの花ですが、「シャガ」に近い品種に「ヒメシャガ」もあります。

「ヒメシャガ」は、日本のあちこちの山の岩場や斜面で自生しています。「ヒメシャガ」は「シャガ」と異なって日本原産のものです。「ヒメシャガ」と言った名前は、「シャガ」よりも小さなものといった意味です。「シャガ」が30cm~70cmといった大きさに育つのに対して、15cm~30cm程度の半分程の大きさの草丈です。

シャガ」は、耐暑性が強く、耐寒性が普通ですが、「ヒメシャガ」は、耐暑性は普通から強く、耐寒性が強いのが特徴です。「シャガ」は、常緑なのですが、耐寒性があまりないために、冬はそのまま地植えをしておくと寒さで枯れてしまいます。特に寒い冬だけは、鉢に植えて室内などに入れてあげるのもいいとされています。

シャガ」は通常は庭に地植えの方が大きくもなり、おすすめです。「ヒメシャガ」も耐寒性がありますので、北海道の南西部から地植えで育てられています。

日本の気候にもあっている「ヒメシャガ」です。「ヒメシャガ」はあまり大きくなりませんので、鉢植えなどでも育てるといいようです。背が低く、少し横に垂れるスッとした葉っぱも爽やかで、かわいらしい花と両方が観賞できて楽しみな鉢植えです。

また、常緑の「シャガ」に対し、「ヒメシャガ」は落葉性と言った点が大きく違います。葉っぱの違いも大きく、光沢のある「シャガ」の葉っぱに対し、薄い光沢のない葉が「ヒメシャガ」です。

まとめてみますと、「ヒメシャガ」は、草丈が半分くらいしか大きくならないこと、薄い葉で光沢のない葉をしていること、耐寒性はありますが、冬は落葉性で枯れてしまうのが特徴となっています。

シャガ」と近い品種の「ヒメシャガ」とは似ているようで、異なる点がたくさんあります。本来別の品種ですので育てる場合も違いをよく知っておきましょう。

「シャガ」と「ヒメシャガ」の共通点は

また、「シャガ」と「ヒメシャガ」の共通点はというと、どちらも日陰でも育ち、花を咲かせてくれることです。日陰の庭に植えても花を咲かせてくれます。ただ花をたくさん付けるためにはやはり日当たりのいい所で育てるのがおすすめです。また、下草として植えてもいい植物です。

どちらも「アヤメ科」「アヤメ属」に入りますが、この「アヤメ科」には世界に66属、約2000種類があると言われ、多くの種類があります。「アヤメ」なども古くから日本で育てられ、たくさんの品種があって多くの人々に愛されている植物です。「アヤメ科」「アヤメ族」の清楚で可憐な雰囲気はたくさんの人を魅了しています。

「ヒメシャガ」は準絶滅危惧種に

最近よく聞かれる「絶滅危惧種」や「準絶滅危惧種」ですが、結構、古くから日本を原産にしている植物、自生する植物がこれらに指定されています。「ヒメシャガ」も日本原産ですが「準絶滅危惧種」に挙げられています。

日本の森での自然な姿があまり見かけることが少なくなっています。環境の変化や人による採取によって数が減っている傾向が危惧されていますので、大切にしたいものですね。

「シャガ」も「ヒメシャガ」も長く残したい花

いかがでしょうか。「シャガ」は中国から伝わって、300年以上も前から日本で育てられた植物です。そうは言っても、見たことはあっても名前や詳しいことは知らないことも多かったのではないでしょうか。

葉っぱが美しい「スジシャガ」や「シャガ」と近い品種の小さな「ヒメシャガ」など、いろいろな魅力を楽しむことができます。どれも可憐な花を咲かせてくれ、スッとした葉が日本人の好む雰囲気の植物です。準絶滅危惧種になってしまった「ヒメシャガ」も森の奥などで見つけた時には清楚で魅了されます。大切に保存して、日本の花として残していきたいものですね。

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