ガーデニング

アヤメと花しょうぶの見分け方とアヤメの育て方

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アヤメショウブはどちらも漢字で書くと「菖蒲」となり、アヤメも花ショウブアヤメアヤメ属で仲間どうしですが、同じ植物ではありません。

アヤメ花しょうぶカキツバタはすべてアヤメアヤメ属なので、花もよく似ていますが、花や葉っぱなどの外観にも違いがあります。
花びらの付け根を見ると、アヤメは網目状の白い模様がついていて、花ショウブは黄色い線が入り、カキツバタは白い線が入ります。
アヤメも黄色や白の線が入ることはありますが、編み目模様が付くのはアヤメだけです。

葉っぱを見比べると、中心に葉脈がはっきり見えるのが花ショウブ、幅広の葉がカキツバタアヤメは細長い葉になります。

アヤメの開花時期は5月上旬で、よく日の当たる土が乾燥しているところで育ちます。アヤメは丈夫で育てやすい多年草なので、初心者でも栽培にチャレンジしやすくおすすめです。

アヤメは畑で栽培する

カキツバタは水辺など湿地帯で、花ショウブは畑でも湿地で栽培できるため、アヤメ科の植物は湿地で育てるものというイメージが強いのですが、アヤメは乾燥した畑で栽培するのに適しています。

畑で咲いているのであれば、アヤメ菖蒲ですが、花ショウブは蕾の頃水切れしない方がきれいな花を咲かせるので、花の頃は水をはっていることが多くあります。 したがって、乾燥したところで咲いているのであればアヤメと考える方が妥当です。

アヤメは草丈が30~60cmになり、茎の先端に1~3輪の花を咲かせます。
アヤメは日当たりのいい場所を好むので、日当たりのよい場所で水はけのよい土で育てましょう。
庭植えにする場合は、周りより10~20cmほど盛り土したところに植えると生育がよくなります。

アヤメは日本を含む東北アジア原産の山野草

アヤメは日本を含む東北アジアに自生していた山野草なので、夏の暑さにも冬の寒さにも強く、どこでも育てやすい植物です。

横へ横へと株が大きく広がっていくので、鉢植えの場合は、毎年一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けする必要があります。
庭植えの場合は植え替えの必要はありませんが、株があまり大きくなりすぎると扱いにくくなるので、3年ごとに掘り上げて株を整理するようにしましょう。

アヤメは水はけのよい土であれば土質を選ばないので、赤玉土小粒:腐葉土=2:1でブレンドした土や、草花用の培養土で栽培します。
盆栽に仕立てる場合は、小粒の鹿沼土赤玉土・軽石を同量ブレンドしたものなどがおすすめです。

アヤメの花が終わったら

アヤメの花が咲き終わったら、種をつけるのであればそのままにしますが、そうでない場合はしぼんだ花を摘み取り、同じ茎の花が全部終わったら株元から茎を切り取ります。

終わった花をそのままにしていると、株元が腐ってくることがあるので、終わった花茎はなるべく早く取り除きましょう。

種をつけると株の栄養が種を作ることに集中するため、その後の花つきが悪くなるので、種をつけるのは花を十分に楽しんだ、全体的に花が終わりかけたころにしましょう。

とれたアヤメの種を苗床に種まきしてアヤメを育てることもできますが、花が咲くまでに3年ほどかかります。
アヤメの株はよく増えるので、種から育てるよりも株分けして育てた方が簡単に増やせます。

アヤメの水管理と肥料

アヤメの水やりは、地植えの場合、夏に乾燥がひどいとき以外は自然の恵みだけで十分ですが、鉢植えの場合は、表面の土が乾いてきたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりします。

アヤメは水はけのよい乾いた土を好みますが、からからに乾燥するのは好きではないので、土の乾燥が進みやすい夏場は乾きすぎないよう、表面の土が乾いたら水やりします。

秋が深まってくるとアヤメは地上部が枯れてしまうので、枯葉を取り除きます。
鉢植えでまったく水やりしないと、乾きすぎてしまうので、土が乾燥しすぎない程度に水やりする必要があります。
冬は表面の土が乾いてから3日ほどたってからたっぷり水やりし、しっかりと水切りしておきます。
暖かい日の午前中に水やりするようにしましょう。
アヤメは多肥を好まないので、肥料のあげすぎには注意しましょう。
肥料を与えすぎると逆に元気がなくなって根元から腐ってしまうことがあります。
庭植えの場合は施肥しなくても花が咲きます。
鉢植えの場合は、芽が出てくる前の3月と秋の9月に緩効性化成肥料を株もとに少量まく程度にします。

アヤメの植え付け・植え替え適期

アヤメの苗は春か秋に出回るので、入手したらすぐに植えつけましょう。
アヤメの植え替えは、まだ地上部が芽吹く前の2~3月ごろか、花が終わった直後に行います。
真夏は植え替えには向きませんが、秋、10月ごろにも植え替えができます。
3~4株ごとにひとまとまりになるように切り分けます。

切り分けるのには、清潔なナイフやカッターを使いますが、切り口から雑菌が入りやすいので、切り口に殺菌剤を塗っておくようにしましょう。

切り分けた株は、グラグラしないながらもなるべく深植えにならないように植えつけます。葉っぱから水分が多く蒸発すると根付きにくくなるので、株分けしたときだけ葉っぱを半分の長さに切っておきます。
株分けの時以外では、株を充実させるために、葉っぱは切りません。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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