様々なグラジオラスの品種を育てるコツと楽しみ方は？

グラジオラスはアヤメの仲間です。別名「オランダアヤメ」と呼ばれています。アフリカ、南ヨーロッパ、西アジアが原産です。原種で200種類ほどもある球根植物です。「オランダアヤメ」といいますが、その原種のほとんどが南アフリカにあるというのを知っていますか。それも南アフリカのケープ地方に多くのグラジオラスがあります。

ケープ地方にあるグラジオラスは大きな花を咲かせるのが特徴です。夏咲きのグラジオラスの多くはこの南アフリカの東ケープ地方のグラジオラスが元になっています。

グラジオラスの歴史をたどれば、18世紀の半ば、南アフリカの原種がヨーロッパに持ち込まれることで多くの園芸品種が作られていきます。そしてこの夏咲きのグラジオラスが一般的なグラジオラスとなって普及していきます。

ただ原種にも南アフリカ産の地方のものだけでなく「春型(春－初夏生長型)」「夏型(夏生長型)」「冬型(冬生長型)」の3グループがあり、園芸種にも「春咲き(早咲き)」と「夏咲き」の2グループがあります。園芸種はなんと1000種類以上になっています。

それだけの園芸種が開発されたということでグラジオラスのとても人気ぶりがよくわかります。一般的な夏咲きのグラジオラスでも1000種類を超え、花色、大きさ、花形も様々です。

花の大きさは6cm～15cmと様々で大輪の花が連なって咲く様は豪華な美しさですよね。草丈も50cm～1ｍを超すものまであります。これらの夏咲きは春に植えて夏に咲く花を楽しむものです。

また、4月頃咲くグラジオラスもあり、そちらは「春咲きグラジオラス」と区別されていて少し小さめの花が咲き、ちょっと控えめな印象のグラジオラスの品種です。秋に植えると春に花が咲く品種となっています。

グラジオラスの育て方ですが、日当たりがよく水はけのいい土が好きな植物です。夏咲きのグラジオラスが一般的なので耐寒性はなく冬になると枯れます。

グラジオラスを育てるコツは、葉や花穂が倒れやすいので支柱を立てて育てることが大切です。育てる際も風が強い場所は避けるようにします。寒さに弱く葉がすぐ痛んでしまいますので注意をしましょう。

春に球根を植えて育てますが、その際も寒くないような時期に行いましょう。球根を選ぶ際は、小さくて丸っこいものを選ぶのがおすすめでそうした球根をしっかり選んで植えることが大切です。

肥料はあまり与えすぎると逆に花があまり咲かなくなったりしますので注意が必要です。また水はけがいい所で育てるのがコツです。害虫では夏のハダニだけには気を付けて早めに薬剤散布をするようにしましょう。

育て方は割と簡単なグラジオラスですので、葉っぱや花穂が倒れないように気を付けながら乾燥気味にすることでしっかり育てることができます。

大きく分けると大きな花を咲かせるグランディフロラ系と小さな花のピクシオーラ系のグラジオラスがあります。夏の花壇を華やかに彩る花としていろいろなグラジオラスを植えて楽しんでみませんか。

「ヘクター」は、明るく鮮やかなグラジオラスらしい赤い大きな花を咲かせる品種です。茎が堅くて倒れにくいために育てやすい品種といえます。

同じ赤色の大型の花を咲かせる品種の「春の泉」は、花が四方に向かって咲きますのでどこから見ても美しい姿となるグラジオラスです。庭の中央などに植えるのにもいいでしょう。

クリームホワイトの清楚な美しさを誇る大きな花を咲かせる「富士の雪」は、花の数が多くボリュームがあるグラジオラスで、高く育つ印象的なグラジオラスです。

他にも丈夫で育てやすい品種として、草丈も高くてピンクの花などがいっぱい密集して付く「ツルーラブ」も人気です。グラジオラスのあの花がいっぱい連なる様子はとても魅力的ですよね。ラベンダーピンクの優しい花を咲かせる「トラベラ」も育てやすく花もたくさん付き、また早く育ちます。

お好みの色や花付き、咲く姿、草丈の高さなどをたくさんの種類の中から選んで植えてみませんか。色だけでも赤、ピンク、黄、オレンジ、白、青、紫、緑、複色と様々な魅力の色がいっぱいです。はっきりしたゴージャスな雰囲気のものや優しい柔らかな色合いのものとそれぞれに魅力があるグラジオラスです。

複色の2色咲きなどもあります。淡いピンクと黄色が入ったかわいい咲き方などバラエティ豊かに楽しむことができます。

ミックスの球根を買っていろいろな色を植えてみるのはグラジオラスの楽しみですよね。夏の花としてその魅力を色や姿で楽しんだり、春咲きもありますのでそちらも植えてみたりグラジオラスの美しさをもっと満喫してみませんか。