ガーデニング

人気の花は園芸品種が豊富。種類が多い花にはどのくらいの品種があるの?

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人気の高い花は、次々と園芸品種が作られていくので、全部でどのくらいの種類があるのか、見当もつかないようなものもたくさんあります。
中には、「えっ?これも仲間なの?」と思うような種類もあることも。
そんな人気の高い花を、育てあんさ易さや花の美しさではなく、「種類の豊富さ」に焦点を当てて見直してみましょう。

バラ

「贈り物としても最も人気の高い花」と言って誰もが納得するのが「バラ」ですが、バラは現在25000種類を超えて、3万種類とも4万種類以上とも言われ、どんどん園芸品種が生まれてきています。

バラの原種は北半球に150~200種類存在していたと言われています。
原種のバラは「ワイルドローズ」とも呼ばれていて、「バラ?」と思うようなシンプルな品種も多くありますが、丈夫で力強い品種が多いのが特徴です。
これらの原種を元に品種改良の歴史があり、1867年に初めて完全な四季咲き性を有するハイブリットティー(HT)の「ラ フランス」が登場しました。
ラ フランスの登場によって、それ以前のバラを「オールドローズ」、それ以降のバラを「モダンローズ」と大まかに分けることができます。

オールドローズはツル性の、春にしか花を咲かせない「一季咲き」のものが多く、香りの良い品種も数多くあります。
モダンローズは木立性のものが多く、条件が揃えばいつでも花を咲かせる「四季咲き性」を持っているものが多くあります。
これまでツルバラのほとんどが一季咲きでしたが、ツル性を強く持った四季咲きのバラも生まれてきています。

モダンローズは四季咲き性を持つものが多く、様々な花色のものが生み出され、大きくダイナミックに成長して咲き誇るものも生みだされてきましたが、近年、コンパクトな樹形で育つ品種や、香りの高い品種、病害虫に強い品種など、省スペースでも育て安いことに着眼点をおいた品種も続々登場してきています。

アジサイ

母の日の頃になると、店頭を鮮やかに彩る鉢物のアジサイが数多く出回ります。
アジサイも毎年新品種が登場し、今では3000種類以上の品種があると言われています。
近年、ヤマアジサイなど、野趣あふれる原種のアジサイにも注目が集まっています。
ヤマアジサイは花も樹高もあまり大きくならない品種も多く、圧倒されるような大きな花ではないが故に、清楚な美しさを持っています。

日本原産のアジサイが19世紀、中国経由でヨーロッパに持ち込まれて人気を博し、品種改良がすすめられ、「西洋アジサイ」「ハイドランジア」として逆輸入されました。
現在流通している花の大きなアジサイのほとんどがハイドランジアハイドランジアを元に品種改良されたものです。

アジサイは日本の他に、北アメリカにも原種が存在しています。
ハイドランジアが入ってくるまで、日本ではアジサイはあまり人気のない花でした。
かつて、梅雨の時期は亡くなる方が多く、梅雨でもお供えにできる花としてアジサイが用いられていたため、忌み花という認識が強かったためで、長く「陰の花」とされていました。
現在は、梅雨でも負けずに色鮮やかな花を咲かせてくれることから、高い人気があります。

ハイビスカス

ハイビスカスは、原種だけでも250種類以上あり、現在園芸品種は1万種以上あると言われています。
ハイビスカス園芸品種のほとんどが、ハワイで品種改良された「ハワイアン種」と言われています。
ハイビスカスというと赤い花のイメージが強いのですが、赤・白・ピンク・橙・?・青・紫・茶色など、豊富な花色があり、複雑に色が混ざりあった種類も数多く存在します。

ハイビスカス園芸品種は、大きく分けると、古くから品種改良されてきた「オールド系(在来種)」、フウリンブッソウゲを元に交配された「コーラル系」、ハワイで交配された「ハワイアン系」の3種類の系統に分類されます。
ハワイアン種は花が大輪で、豊富で変化に富んだ花色を持つものの、丈夫ではないものが多いのが特徴です。
逆に、在来種は丈夫で樹高が大きくなる傾向にありますが、花が小さく、花色の色数も多くありません。
コーラル系は樹高が大きくなり、花が小さめですが、暑さには強く、30℃を越えても花を咲かせる強さがある反面、寒さには弱い品種が多くなります。

ハイビスカスは南国の花のイメージが強く、炎天下に花をたわわに咲かせるものと思われがちですが、実際は30℃を超えると花を咲かせるのを休んでしまう性質があります。
ハイビスカスは日当たりの良い場所で育てないと花数が少なくなってしまう性質がありますが、真夏だけは直射日光を避けて、風通しの良い、涼しい明るい場所で育てる必要があります。
30℃を越えないような環境に置くことで夏でも花を咲かせることができ、気温が下がってきたら室内に取り込んでおくことで越冬させることもできます。

パンジー・ビオラ

パンジービオラは、秋から春にかけての長い間、厳冬期など花のとても少ない期間にきれいな花を咲かせ続けてくれることから、冬のガーデニングには欠かせない存在になっています。
種からも育てられますが、苗から育てたほうが管理もしやすく、秋から春にかけて苗の流通が途切れないうえ、新品種でもリーズナブルに販売されていて、栽培途中で枯れたとしてもいつでも入手でき、植え替えも植え付けも容易な花になっています。

かつては、花の大きなものをパンジー、小さいものをビオラと区別されてきていましたが、現在は花の大きなビオラや花の小さなパンジーもあり、その区分はかなり曖昧になっています。

パンジービオラには、その元となった野生種が4種類ありますが、長い年月をかけて複雑に雑交配を重ね、19世紀のはじめにイギリスで生まれた「ビオラ・トリコロル」を元に品種改良された「パンジー」が最初のパンジーと言われています。

日本にパンジーが入ってきたのは江戸時代末期で、昭和40年代に育種が盛んに行われるようになり、現在も日本はパンジービオラの育種の最先端になっています。 パンジービオラは、品種改良の歴史が200年以上と長く、毎年100種類以上の新品種が種苗メーカーから登場していることから、その品種は数千以上、もはやどれだけあるのか把握できていないのが現状です。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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