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太古から生きているソテツの魅力。ソテツの育て方

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ソテツは、まっすぐに伸びた幹の先に、ベージュのミズゴケのようなものを乗せて、四方に硬く艶のある濃い緑の羽のような葉を茂らせています。
ミズゴケのようなものはソテツの成長点で、ここから葉が伸びてきます。
ソテツは、ヤシの木とともに、南国を連想させる植物です。

ソテツは、九州南部からジャワ島にかけての広い範囲に約120種類が自生していて、1億年前から存在していた、現在生きている植物の中でイチョウとともに最も原始的な植物の一つとされています。

太古から生きているソテツですが、生育はゆっくりでも、丈夫で育てやすい植物なので、初心者でも取り組みやすくなっています。

ソテツは財力をアピールできるステイタス・プランツ

ソテツ園芸品種は現在も人気が高く、数多くが流通していますが、自生種のほとんどが絶滅危惧種になっています。
各地に樹齢1000年を超す古木があり、国の天然記念物にも指定されています。

ソテツの樹勢が弱ったとき、幹に鉄を打ち込んだり、株もとに鉄を埋め込んだりすると、元気を取り戻すといわれることから「蘇鉄(ソテツ)」と名付けられました。
室町時代には庭の植栽として利用され始めました。

かつて、ソテツは珍しい貴重な植物であり、鉄を食う植物としても認識されていました。
そんな貴重な植物を植えることができることと、ソテツに「鉄=金物(カネ)」を食われたくらい、なんともないほどの財力があることを誇示できる植物として、ステイタスにされていました。

新葉が芽吹きはじめたら古い葉をすべて取る

5月頃、幹の先端のミズゴケのようなところから葉っぱが伸びてきます。
葉っぱが伸びきる前に昨年の葉っぱを根元から切り落とし、株をリフレッシュさせます。

葉っぱがなくなると、まるで丸太状になってしまいますが、寂しく見えても全部の葉っぱを落とすことで、新しい葉が出そろいます。
余り遅れると葉っぱの伸びが悪くなり、作業もやりにくくなるので、早めに剪定を行いましょう。

ソテツは寒さに弱いため、5℃を下回らない環境で育てる必要があり、寒冷地では冬は室内に鉢を取り込む必要があります。
庭植えのソテツで寒さが少し心配であれば、葉をロープで束ねておくだけでも十分に防寒になります。

さらに防寒する場合、気温が下がる前に葉を全部根元から切り落とし、全体をわらでくるみ防寒します。
芽吹きの時よりもかなり早い段階で葉っぱがなくなりますが、その後の生育には問題なく、より寒さに耐えられるようになります。

新葉の芽吹きのときはしっかり日に当てて

ソテツは日当たりがとても好きなので、日当たりと風通しの良い場所で乾燥気味に育てます。
日当たりさえよければ丈夫で生き生きと育ち、水やりは鉢植えでも月1回程度で十分なほど、世話のいらない観葉植物です。

ソテツは、葉が伸びてくるときにしっかり日に当てないと、丈夫で、すーっと上の方に広がっていく葉になりません。
ソテツをできるだけ室内栽培する場合も、春に気温が上がってきたら屋外の日当たりに出し、新しい葉がしっかり伸びきるまでは屋外で栽培するようにしましょう。

ソテツの植え付けと水管理

ソテツは暖かい地方が原産の木なので、5月以降の気温が高い時が植え付け適期になります。
ソテツは水はけのよい土であればやせた土地でも育ちます。

庭植えするときは庭土に腐葉土を混ぜた上に、川砂やバーミキュライト・パーライトなどを混ぜて水はけをよくしてから植え付けるようにしましょう。

鉢植えにする場合は、観葉植物用の水はけのよい土か、赤玉土に川砂を混ぜたものがおすすめです。
通年屋外栽培する場合は、腐葉土もブレンドしましょう。

ソテツを庭植えにする場合は、植え付け時には水やりをしますが、それ以降は自然の恵みだけで十分です。
鉢植えの場合は、植え付け時に水やりした後、なるべく乾き気味に管理して、春~秋の生育期でも1か月に1回程度の水やりにします。
冬場はなるべく乾燥気味に管理した方が寒さに耐えられるので、できるだけ乾かし気味に管理します。

肥料はあまり必要としませんが、春先に株もとに緩効性化成肥料をまくようにします。

ソテツの植え替えと根腐れしたとき

ソテツが庭植えの場合は植え替える必要はありませんが、鉢植えは気温が高くなった5~9月頃に、3~5年ごとに1回植え替えるようにしましょう。 ソテツは生育がゆっくりなので、基本的には根を切らないように、そのまま一回り大きな鉢に植え替えます。

根腐れしてしまった時は、幹の上の方の葉の生える部分を残して、腐っていない幹のところで切り落とし、切り口を日陰で2~3日乾かしたあと、新しい土に植えなおして、仕立て直します。

ソテツを増やすには株分けと種まきで

ソテツの太い円柱型の幹は、ほとんど枝分かれしないで育ちますが、横から子株が出てくることがあり、子株がある程度大きくなったら切り離して、新しい株として育てます。

ソテツは雌雄異株なので、雌株には雌花、雄株には雄花が咲き、雄花の花粉を雌花に受粉させると赤い実がなり、中の白い殻に包まれた種を植えると、種から育てることができます。
種を横向きに、土の上に置くか半分ほど埋めて、土が乾いたら水をやるようにして、乾き気味で管理していると4~5カ月で芽が出てきます。
早く芽を出させたいときは、白い殻を取り除いてから種を植えるようにします。
発芽には25℃以上の温度が必要なので、温度管理には注意しましょう。

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