魅惑的な花「ランの女王」カトレアの花言葉

華麗な美しさを持つカトレアの花は、甘い香りを持つものが多くあり、香りもまたカトレアの魅力のひとつになっています。

基本的な花の構造は、細い3枚の花びらのように見えるガク片、大きめの花びら3枚でできていますが、花びらのうちの一番目立つものがラッパ状に前に飛び出しているので「リップ」と呼ばれています。

「ランの女王」の呼び名にふさわしい豪華で凛とした花なので、成熟した大人の女性の魅力を称える花言葉がつけられています。

誰もが魅了されるほどの美しいカトレアですが、豪華さは同じでも花色によって、身につけている人の印象も変われば、花を見て受けとる印象にも違いがあります。

紫のカトレアの花言葉を「優美な貴婦人」、ピンクのカトレアの花言葉を「成熟した大人の魅力」、白のカトレアの花言葉を「魔力」、黄色のカトレアの花言葉を「魅惑的」と分けることもあります。

ピンクや黄色というと、若々しい印象を受けやすい花色で、白は清純な色とされることが多いのですが、豪華で艶やかなカトレアになると、受ける印象はどうしても美しく魅惑的な大人の女性のイメージになるようです。

美しい大人の女性が白い衣装を身にまとったら、その美しさは「魔力」を持っているように、カトレアの花色から受ける印象もまた大人のイメージを持ってしまいがちです。

ヨーロッパにおけるカトレアの栽培の歴史は、1818年に南米ブラジルからイギリスに送られた植物群の梱包材料の中に、肉厚の葉と太い茎がついた植物が混じっていたのを、園芸家ウィリアム・キャトレイ氏が見つけて育ててみたのがはじまりです。
植物群の中ではなく、梱包材料にたまたま混じっていた、というのが興味深い出来事です。

6年後、豪華な花を咲かせ、キャトレイ氏の名前から、「カトレア」と名付けられました。
これ以降、プランツハンターが次々に南米に渡って新種を発見していき、カトレアの交配を重ねるだけでなく、他属の花とも交配を重ね、多種多様に渡る園芸品種が生まれてきました。

科・属：ラン科・カトレア属
和名：カトレア（カトレヤ）
英名：Cattleya
原産地：中南米の熱帯・亜熱帯

カトレアの原種は40～80種類と言われていますが、150年に渡る品種改良の歴史から、何千もの園芸品種が生まれています。

カトレアの茎は太く膨れた「バルブ」になっていて、バルブの中に水を溜める性質があります。
バルブの先端に肉厚の葉を一枚つけ、バルブの先端から、葉に守られるようにしながら花鞘「シース」を伸ばしていき、成長した花芽はシースを突き抜け、花を咲かせていきます。
バルブ同士は株元で横に伸びる「ほふく茎」でつながっていて、新芽をどんどん伸ばしていきます。

カトレアは常緑で、花を咲かせるにはバルブや葉を育てます。
花が終わったら、シースごと切り落としますが、バルブや葉っぱはそのままにします。
同じバルブから、また新しいシースが伸びてきます。

中南米原産のカトレアは、寒さに弱いので最低気温が15℃以上必要です。
春～秋にかけては風通しの良い明るい屋外で育てるようにしましょう。
日照不足になると、カトレアは葉色が濃くなる性質があります。

カトレアはたっぷりと日に当てて育てますが、夏の強い日差しに当たると葉やけしてしまい、一度葉焼けした葉はもとには戻りません。
真夏は、直射日光を避けて、明るい日陰に移します。
木の下などに吊るしたり、遮光ネットを使うか、明るい室内で管理するようにしましょう。

15℃を下回る前に、カトレアは明るい室内に移して管理するようにしましょう。
蕾を成長させて花を咲かせるには、18℃前後の気温が必要です。
蕾は乾燥すると傷んで枯れてしまうので、高湿を保つようにします。

カトレアは多肥を好むので、春から秋にかけての生育期には毎月株元に固形肥料を置き、毎週水の代わりに液体肥料を施肥します。

カトレアは、水苔・ヤシ殻チップ・バークチップに植え付けます。
水苔などの表面が乾いたら、たっぷり水を含むまで水やりします。


監修：きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。
葉の付け根などに水が溜まると傷んでしまうので必ず水苔などに水やりし、葉っぱは時々濡れタオルで拭いてホコリを取るだけにして、水をかけないようにしましょう。

株が大きくなって鉢が一杯になってきたら、植え替え・株分けをします。
根が張り付いて株が抜けないときは、無理に引っ張ったりせずに、鉢の方を割って出すようにします。
植え替え・株分けの適期は4月ごろです。
切り口からウイルス感染すると株がだめになりやすいので、切り分けたりするときに使うハサミやカッターは清潔なものを用意しましょう。