ガーデニング

苔玉は屋外栽培向き。苔玉の失敗しにくい育て方

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苔玉は、小さいので室内で植物を鑑賞するのにピッタリと思いがちですが、実際には室内栽培に向かない栽培方法です。

購入した苔玉を生き生きとした状態で長く育てるには、色が悪くなって元気がなくなってしまう室内管理より、屋外管理したほうが長く楽しめます。
また、苔玉の栽培には、苔と一緒に植えられた植物の性質に合わせて、季節によってメリハリのある水管理をすることも重要になってきます。

屋外管理さえ徹底していれば多くのトラブルなく、難しくなく苔玉も育てられます。
苔玉の失敗しにくい栽培方法をご紹介していきましょう。

苔玉の置き場所は苔と植物の両方に合う場所に

苔玉の基本的な置き場所は、屋外の風通しの良い、直射日光が当たらないところと言われています。

苔だけの苔玉の場合は、植えられている植物が苔のみなので、その苔が好む日当たりの場所に置いて、ピッタリの湿り加減に合わせると管理しやすくなります。

苔は、日陰のジメジメしたところが好きな植物というイメージが強いのですが、乾燥を好むものから多湿を好むものまで品種によって違っています。
日陰が好きなものが多いのですが、明るい日陰や日当たりを好む苔もあります。
苔玉をどこに置くのか、水管理をどうするのかは、苔そのものの性質によって変える必要があります。

苔玉に、苔以外に他の植物も植えられている場合、植えられた植物の性質にも合わせた水管理・日当たりの調整も必要になってきます。
寒さに弱い植物が一緒に植えられていたら、冬は室内栽培に切り替える必要が出てきます。

苔が日陰を好むのに、植物が日当たりを好んだら、置き場所をどうするのか難しくなります。
苔が乾燥を好むのに植物が多湿を好んだら、水管理もとても難しくなります。

苔と植物の両方が同じような日当たりを好んで、同じような水環境を好む組み合わせになっている苔玉を選ぶことで、苔も植物も枯らさずに育てることができます。

苔の育て方を知ろう

苔の持つ根は「仮根」と言って、栄養や水分を吸収するのではなく、石や土などの土台に自分をくっつけておくためだけについています。
苔は茎や葉から栄養や水分を吸収していて、基本的には水分と光があれば育ちます。

苔は肥料が多すぎるとダメージを受けやすく、施肥しなくても育ちますが、時々薄めた液体肥料をスプレーするとより元気に育ちます。

一日中日当たりが好きな苔

「スナゴケ」は日当たりと乾燥を好む苔です。
屋上緑化で苔を使う場合に使われる苔なので、日当たりを好む植物との苔玉に仕立てるのにピッタリで、水のやり過ぎに注意が必要です。
苔玉が全体的に乾いてきたら水の中につけて泡が出なくなってから取り出すと言った水やり方法で管理するようにしましょう。

明るい場所でも育つ苔

「ギンコケ」「スギコケ」「ハイゴケ」「フデコケ」は比較的明るい場所でも育つ苔です。
より水気を好む並び方もこの順で、一番乾燥気味でも管理できるのがギンコケで、一番湿度が高い状態を好むのがフデゴケです。

湿度が高めと入っても、常に水浸しにすると苔がダメージを受けてしまうので、毎日水につけて全体を濡らして、不在にするときなどは容器の底の方に水を入れたところに浸して置くようにします。

明るい場所で育つ観葉植物全般と苔玉を作れば、苔玉として管理がし易い苔になります。

日照条件が悪いところで育つ苔

日照条件が悪いところでも育つ苔は、室内管理でも十分に育つ苔ですが、合わせて植える植物のほうが日照不足で元気がなくなりやすいので、合わせて植える植物選びの方をより気をつける必要があります。
好む水環境も合わせないと、根腐れすることもあるので、水条件についても気をつけましょう。

「ホソバオキナゴケ」乾燥気味に管理
「シッポゴケ」「シノブゴケ」「カモジゴケ」「タマゴケ」適度な湿度が必要
「フロウソウ」「コウヤノマンネングサ」「ヒノキゴケ」かなり湿り気を必要
水苔」「ネズミノオコゲ」多湿を好む

苔の水加減は様子を見て、茶色く変色してくるようであれば水加減があっていないので、水分量を加減するようにしましょう。

テラリウムで苔玉の室内管理を簡単に

テラリウムは19世紀のイギリスで、画期的な動植物の運搬方法として始められたもので、発明者の名前にちなんで「ウォード箱」と呼ばれていました。
植物をガラスの容器に土や水と一緒に密封して運ぶと、長い航海の間に枯れることなく運搬できたことから、プラントハンターが蒐集した植物を運ぶ手段として活用されてきました。

テラリウムの考え方を応用して、苔玉をガラスの容器に入れることで、苔の周りの湿度を容易に高湿に保つことができ、苔玉を枯らさずにカビさせずに上手く室内栽培させることが可能になります。

苔玉全体をガラス容器に密閉してしまうと、水やりの手間もなくなり、長くそのまま育てることも可能です。
密閉していないガラス容器であっても、苔玉の周りを覆っていると、苔玉の周りの空気が多湿に保ちやすく、一緒に植えてある植物が多湿を好まない場合も上手く管理がしやすくなります。

常時室内で管理する場合、苔も、一緒に植える植物も、日陰を好むものを選んでおくようにしましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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